- フィジコン(physicon)漫符
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physics + iconまたはphysical + iconのこと。
物理的・身体的な現象を記号化したもの。 - フィルムコミック(film comic)ジャンル
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アニメの映像を元にして作られた漫画。
アニメを切り貼りして作られているため、あまり凝ったコマ割りはできない。
その代わりカラーアニメを元にしているので、日本の漫画としては珍しくオールカラーとなる。 - フェイスマーク(face-mark)漫符 | キャラ
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顔を記号化したもの。顔文字とも言う。
フキダシの中に描かれ(書かれ)たりする。文字の中にも、ぽげムたマーク(写植記号BA-90)というフェイスマークが存在するが、残念なことに現在はコンピュータ用文字コードに定義はなく、一時期漫画の中で多用されたのに、今は風前の灯。
Unicodeでは次のようなフェイスマークが定義されている。「☹ ☺ ☻」
おそらくスマイリー(スマイルマーク)が、最も有名なフェイスマーク。顔文字は、特に文字の組み合わせで表現された顔を指す場合が多い。
ネットワークコミュニケーションに於いて発達した表現だが、漫画の中にも輸入されている。
逆に「へのへのもへじ」や「つる三ハ○○ムし」などの、フェイスマークが逆輸入されているとも言える。Σc ' _' ) < オレらってフェイスマークなんだってさー $ σ_σ$ < 文字だから、絵が描けないひとだって漫画が書けちゃうのね♡
- フェード(fade)
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白か黒一色から通常の絵にグラデーションを使って変化する絵をフェードイン(溶明)と呼び、漫画の場合は右が一色となる。
その逆をフェードアウト(溶暗)と呼び、眠ったときや気絶した時の表現として使われる。 - フェードゴマ(fade panel)コマ
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コマの大きさの変化でフェードを表現したもの。多くの場合、時間が経ったことを示す。
- フォント(font)
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セリフなどに使われる書体(文字のデザイン)。
主に声質を表現するのに使われる。例えば可愛い声は丸ゴシック、恐ろしげな雰囲気に隷書体が使われる。 - フカン(high angle)アングル
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俯瞰とは、上から見下ろしたアングルのこと。高いアイレベルの絵。
同時に引いた(遠くからの)アングルになることも多く、位置関係が把握しやすくなり、客観性が上がる傾向がある。
特に大きく引いた位置からの俯瞰を鳥瞰(bird's eye view)と言い、パノラマ地図に近い目線となる。ハイアングル、ハイポジション、ハイポジ、俯角、見下ろし
- フキダシ(speech balloon)ダシ
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フキダシとは、漫画の基本構成要素のうち最も重要なもののひとつ。吹き出し。
楕円形の枠が基本で、その中にセリフや漫符が書かれ、時にはその他の絵が描かれる。
そしてフキダシ枠から伸びたシッポが、台詞を発したキャラを指す矢印の役割をする。フキダシ背景も存在するのだが、ほとんどの場合はここは無地の白で、ベタであることすら稀にしかない。冨樫義博HUNTER×HUNTERのヒソカの股間を隠したフキダシ等、何かを隠すのもフキダシの機能のひとつだが、2008年現在、半透明のフキダシ背景が少しずつ増える傾向にある。
また1990年代以降は、フキダシを階段状に複数並べて、絵に埋まって読みにくくなる事を避け、(主に右上から左下への)視線の流れを自然にする手法が多くなっている。平面的な関係では、コマ枠に張り付いている標準的なものと、コマ枠とフキダシ枠が接触していない浮いているフキダシがある。
手前と奥の関係を入れると大まかに、コマの前に浮いている場合、キャラとコマの間、キャラと背景の間がある。尾田栄一郎ONE PIECEなどは、連載の途中から海外展開を前提とし、フキダシをセリフを横書きにしやすい円に近い形で描いているらしい。
風船・煙・オバケとも呼ばれることもある。フキダシという言い方は1930年代には既に存在したが、定着したのは意外に最近の1990年代。
メタアクションとして、フキダシがキャラを押して隅に追いやるなど、物理的に存在するように振る舞うこともある。
篠原 健太SKET DANCE ではフキダシを手裏剣として投げるというアクションがあった。会話フキダシ、心話フキダシ、震えフキダシ、ささやきフキダシ、通信フキダシ
- フキダシ枠(balloon frame)ワク線
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フキダシのワク線。シッポと合わさってフキダシを構成する。
形が様々なのは勿論、線自体も波線になったり、破線になったり、様々な変化をする。
場合によっては線ですらなくなり、模様やCAUTIONテープのような文字になったりもする。 - 吹き付け(splash)技法
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筆などに塗料をつけ、息を吹きかけて原稿に飛ばす手法。血しぶきなどの表現に使われる。
スプラッシュ
- 袋文字(outline character)
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文字の周囲に白い(あるいは黒い)輪郭をつけたもの。背景の上に文字を乗せるのに使われる。
多くの描き文字は、背景の上に乗るので袋文字となる。白の文字に黒の輪郭の袋文字を白ヌキ文字と言うこともあるが、本サイトでは両者は区別し、白ヌキ文字は黒(っぽい)背景に白の文字に対して使う。
アウトライン文字
- ぶちぬきコマ
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重ねゴマの一種で、特にキャラがコマをはみ出して描かれること。
実際のページが何段になっていようと、仮想的に(目安として)ページ4段であるとして、その高さで「3段ぶち抜き」「4段ぶち抜き」と呼ばれる。
キャラの全身を大きく描けるので、特に登場シーンに多く使われる。 - ぶら下がりフキダシ
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コマの下の方に配置されるフキダシ。
キャラから物理的にぶら下がっているように見えて違和感が生じやすい。
視線の流れから見ても印象としても不自然になりがち。
そしてセリフの文頭を揃えにくいため読みづらくなりやすい。とデメリット満載。 - フラッシュ(flash)
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放射状に短い線を描く手法。
集中線的な使い方や、ヒットマーク、派手な気付き線など、様々な使用法がある。
フキダシに使用すると、モノローグか通信となる。 - 震え線(shake line)効果線
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震えていることを示す線。細かく蛇行した波線で描かれ、その周期が短いほど細かく震えていることを示す。
- 震えフキダシ(shake balloon)フキダシ
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輪郭が波線のフキダシ。
声が震えていることや、小声の場合、あるいは逆に恐ろしげな声を表現するのにも使われる。
多くの場合中のセリフは三点リーダを伴う。波の間隔が緩い場合は、オンプと組み合わせて歌っていることを表すこともある。
震えた声の表現としては、わたなべまさこはだしのプリンセスなんかで使われて一般化。
- フルショット(full-shot)ショット
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キャラの全身が入ったショット。
映像作品になれていない場合は、アップは体が切断されたと認識してしまうので、この構図が基本となる。
同時に分かりやすいアングルとして、サイドビューが併用される。 - ブレ線(blur line)効果線
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移動するモノの輪郭に、移動方向に沿って描かれる線。
速度が上がると増え、長くなり、さらには輪郭全てがブレ線で描かれるようになる。
モーションブラー効果に近いもの。 - プレート(plate)フキダシ
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フキダシの一種だが、長方形でシッポはなく看板のようなイメージがある。
コマ枠からはみ出すように重ねるか、逆にコマ枠に接触しないように置き、コマとレイヤが異なることを意識させるような使い方をする。モノローグ(特に回想シーン)やナレーションに使われ、冷静で客観的な印象を与える。
英米ではキャプションボックス(caption box)と呼ばれる。松本零士はこれに一工夫して、羊皮紙のようなフキダシをナレーションに使う。
その他、作家や作品によって、ノートの切れ端や木の葉、立て札など、様々なデザインが使われるが、役割は同じ。森田拳次丸出だめ夫ボロットや、高橋留美子らんま1/2早乙女玄馬の看板(フリップ)しゃべりは、このプレートのパロディ。
- プロット(plot)制作工程
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あらすじ。物語の骨格。
ノートなどに書かれる。漫画のプロットの場合は、文章だけではなく簡単な絵が添えられることも多い。
この段階でストーリー的な漫画の面白さは、ほぼ決まる。
プロットを作成してストーリーを組み上げていく事を「プロットを転がす」などと言う。原作付き漫画の場合に原作者が書く部分。原作者によっては、脚本のように全てのセリフや舞台の説明が書かれる場合、さらに進んでネームまで描く場合もある。
プロットより前の段階では原作者とは言い難いが、プロットを書いていれば原作者と名乗っておかしくないだろう。それくらい重要な工程。シノプシスはプロットよりも大まかなあらすじ。
- 雰囲気ゴマ(mood panel)コマ
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見開きの印象を決めるコマ。具体的には見開き左上のコマ。
雑誌をペラペラとめくった時に読者の目に入るコマなので、自分の作品を読ませようと作者が工夫を凝らすコマでもあり、見応えのある絵が入ることが多い。
そのこともあり視線誘導的に不利であっても、絵を見せようとタチキリを使うことが多い。