ユキトビモノ

 凍えた感じを出すために、画面に飛ぶ、円形・楕円形のもの。必ずしも、天候として雪が降っているわけではない。

 岸裕子雪の詩で使われ一般化した。

ユゲ
  1. 効果背景

     精神的な何かがわき上がっている様子を示す。
     それは怒りだったり、超能力のオーラだったりする。勿論、湯気そのものの表現にも使われる。
     表現としては、波線を縦向きに沢山描くというのが一般的。

  2. 漫符
    ぐつぐつ
    鍋の上の線がユゲ

     S字状に描かれる記号は、湯気の漫符としてよく使われる。
     この湯気は漫画以外でもよく使われる伝統的な記号で、温泉マーク「♨」にも見ることができる。
     また湯気に限らず蒸発・発散全般を表し、匂いを示すこともある。

     時代や作者によって、S字型以外にもくるんと一回転しているものや、白ヌキのふにゃふにゃした「 ! 」のようなものなども存在する。
     使い方はだいたい一緒。

ユゲダシ漫符 | ダシ
混乱の極み
頭の上のフキダシのそばにあるのがユゲダシ

 ブロッコリー状の図形が頭から出ているもの。「怒りで頭から湯気が出る」状態のそのまんま表現。
 怒りが強烈になると、ヤカンのお湯が沸いたように、動線を駆使して勢い良く表現される。

 怒っていることに限らず、興奮していること一般に使われる。「フンフン」などといった音喩とともに鼻から出ていると「鼻息の荒い」状態となり、かなり興奮していることを示す(鼻息はイキダシの一種かもしれないが、意味的にはユゲダシが近い)

 このユゲダシの中に怒った顔を描く手法は手塚治虫が開発した、と本人が語っている。
 鳥山明ドラゴンボールに登場する魔人ブウは、漫画の記号としてではなく、身体機能としてユゲダシを持っている。