ページ
ページ

 本を構成する紙。漫画も本の一種なので、当然このページの上に描かれている。
 漫画の構成単位のひとつ。

 日本の漫画では右開き(右綴じ)が殆どを占め、右が偶数ページ左が奇数ページとなる。

見開きトビラメクリノンブル

ベタ
ページ
黒猫はベタで楽
  • 技法 | 制作工程

     黒く塗ること、また黒く塗ってある箇所。黒ベタ。
     以前は墨ベタと呼ばれることが多かった。
     見開きにバランス良く使うと画面が安定する。

     効果背景としては、情報を減らすことができるので、深い心の中に向うモノローグに使われることが多い。
     その際の文字はベタフラッシュプレート、あるいは白の文字を使う。

     また、黒ベタに描かれるキャラのポーズは、心情の表現であって、実際にそのようなポーズをとっているのではないと解釈される事が多い。
     舞台のピンスポット効果と同じで、舞台が暗転して役者が歌ったり踊ったりしても、それは心の中の出来事となる。

    「墨をベタっと塗る」ことから、手塚治虫の担当編集者(人物不明)が命名したとされる。

     漫画の中でのベタ塗りのシーンの音喩は「ぬりぬり」あるいは「ぺたぺた」「べたーっ」など。

    ベタフラッシュツヤベタ

    ベタ (漫画) - Wikipedia

  •  漫画用語という訳ではないが、お約束の展開、お約束のキャラなど、典型的な何かをベタと言う。
    例「ここで裏切りとは、ベタな展開だな」

ベタ眼表情

 黒ベタやベタトーンのみで、ハイライト(キャッチライト)の入っていない目。ベタ目。
 その意味は、幾つかに別れるが、共通するのは普通とは違う「理解不能なキャラ」と言うところだ。

  • 無気力、茫然自失、唖然としている、誰かに操られている、嘘をついているなど。
  • ロボットや人形のような、魂のないキャラ。
  • 極めて高い能力、あるいは強い意思を持ったキャラ。宇宙人、超能力者、達人など。
  • 目に特殊な力がある。透視能力など。
  • 子供であり無垢である。

 他の顔のパーツとの組み合わせによって、その意味することは決定される。
 例えば岸本斉史NARUTOはほぼハイライトのない目を描いている。かといってキャラが無気力に見えるかと言えば、まったくそんなことはない。NARUTOの場合は写輪眼などの特殊な瞳を描き分ける必要があるため、ハイライトを入れないのだろう。
 吉崎観音ケロロ軍曹のケロン人は基本ベタ眼で、可愛いキャラやカワイイ表情を印象づける場合にハイライトが入る。ケロン人は宇宙人であり、普通の人間には理解不可能なキャラという意味でハイライトがないと解釈できる。

 単に絵柄としてベタ眼が使われている場合もあリ、当然その場合は前述の意味はない。

白目炭団目のの目パイカットアイぐるぐる目

ベタフラッシュ

 内側にフラッシュを描き、外はベタにする描き方。通称ベタフラ。

  1. フキダシ

     フキダシとして使う場合は、主にモノローグに使われる。

  2. 効果背景

     効果背景としては集中線とほぼ同じだが、より深刻な雰囲気が出る。

    イナズマフラッシュ

ベタフラッシュ - Wikipedia

ヘビナワカケアミ

 カケアミをうねるように、あるいは渦巻きのように描いたもの。ナワアミ・ナワナワとも。
 コマ一面に描かれることは少なく、グラデーションワク線側に濃くなるように描かれることが多い。
 基本的にはハーフトーンを表現するための効果背景なので、描かれる場所によって効果は異なる。
 通常のカケアミやアミテン点描などに比べると、不安などんよりした気分に向いた表現。

 宮谷一彦が1960年代後半に使い始めたのが原点と言われるが、1956年の永島慎二の作品愛犬タロに既に明らかなヘビナワ技法が見られる。

網縄、掛け縄

ペン入れ(ink)制作工程

 下描きを基準に(つけペンを使って)線を描く工程。
 コンピュータ作画の場合、ソフト上は下描きと区別がなかったりするが、工程としてペン入れと呼ばれる。
 アメコミでは、インカーが担当する。

 漫画の中でのペン入れのシーンの音喩は「カリカリ」あるいは「シャッシャッ」「スーッ」など。

ワク線タッチ線種

ペン入れ - Wikipedia

変形ゴマコマ

 ページに対して垂直・水平に線が引かれた四角形のコマ以外のコマ。
 荒木飛呂彦ジョジョの奇妙な冒険で多用され、その特殊なコマ割りは「荒木割り」と言われるほど独特。

 コマ枠を斜めにすると不安定になり躍動感が生まれるため、アクションシーンでは斜めに割られることが多い。
 背景に垂直線が多い場面で、コマ間と背景との区別をつけやすくするために斜めにすることもある。

丸ゴマタチキリ

編集者(editor)制作者

 漫画のネタ出しから、資料の準備、誤字脱字や言い回しのおかしな部分などの校正、写植など、漫画の「その他の部分」を担当する。
 そのため歴史的には、アシスタントがやる仕事を、まず最初にやり出すのが編集者であったりする。
 例えば、手塚治虫は原稿が遅れることが多く、編集者が自主的に手伝いを始めたそうだ。
 なお、手塚治虫はベタを塗る編集者をベタマン、コマ枠を引く編集者をラインマンと呼んでいたそうである。

 出版社の社員であることが多いが、近年(2015年現在)フリーランスの編集者も増えている。
 重要な制作者の一人なのに、なぜか日本の漫画の表紙や奥付には載らない。アメリカではエディタもちゃんと載る。
 アメコミでもレタラーを兼ねていることも多いらしい。

ペンシラー(penciler)制作者

 下描きをする人。アメコミの作家でしか聞いたことはない。
 漫画の絵柄やコマ構成を決定している、日本の漫画家に最も近い作業をしている人。
 Comic Artistというと、このペンシラーを指すらしい。