アイテム使用後

使うといってもアイテムはどう使われるのか

惜しい、もう少しでマジカルプリンセスなのに
意外と杖を装備しないと魔法が使えないというRPGは少ない

アイテムは奥深いな、深すぎるな

 「アイテムライフサイクル」でアイテムが生まれてから消えるまでを追い、「アイテム入手方法」で手に入れ、「アイテム使用タイミング」で使ったアイテム。
 今回注目するのは、使った後だ。

消費型

 一度使うと消滅、あるいは別のカスアイテムに変化するタイプ。
 アイテム使用タイミングで説明した即時型に多い。
 というのも、取って即使用されて後に残らない性質は、難しい事考えなくていいという、素晴らしいメリットを持っている。
 その場だけの判断で反射的に動く事が楽しさの中核となる、アクションゲームには外せないタイプのアイテムと言える。

 消費型は、アイテムと交換になにかを得るという使われかただ。
 飲食物を想像すると分かりやすい。ゲームでは飲食物の他に巻物が代表的な消費型アイテム。
 アイテム錬成を含めた、他のアイテムへの交換もこのカテゴリになる。
 アイテムを捨てる(消滅させる)ことは0を得るという意味であり、これもまた消費型と言える。

無限型

 取得後は何度でも使えるタイプ。例えばスコップとか地図とか、道具の類い全般がこれだ。
 アイテムの中で「つかう」というコマンドが一番しっくりくる。
 カギは普通この無限型だが、エニックス ドラゴンクエストのカギは一回使うと消滅する消費型のカギだった。

 消費型と同じ効果を持った物が、無限型で別に存在する場合もある。
 無制限だと便利すぎるので、例えばドラクエの「けんじゃのいし」だったら戦闘中しか使えないなど、何らかの制限があったりするのが通例。

 アクションRPGでは、この無限型アイテムが成長要素の中心となる。
 特に任天堂のゲームでは「新たなアイテム=新しい能力→行動範囲の拡大」という展開が鉄板である。

 イベントアイテムは無制限型だが、実際は一度しかイベントが発生しない事が多く、事実上の消費型となっている。

設置型

 一度取得した後、また別の場所に置いて使うタイプ。
 アイテム使用タイミングで説明した場所限定型がほぼこれになる。と向こうでも書いたが、こっちでも書く。

 イメージ的には、持ち上げて移動して下ろすもの。例えば梯子のような道具。
 爆弾が代表的なものだが、置くと必ず消費され回収できないものが多いので、機能的にはあまり代表でもない。
 押せるブロックはアイテムではないが、機能的には近い。
 一度持ち物になるものが設置型アイテムだ。
 特にローグ系では設置型アイテムが大活躍する。

 持ち物というより、無限に生成できるものである場合も少なくない。
 タイトー バブルボブルのバブルや、コナミ クオースのブロックなんかがそのタイプで、通常はアイテムとは認識されず、弾の一種という感覚だ。

 例えば、電子レンジの中に設置してしばらくすると暖まるとか、地面に設置すると植物が生えるとか、場所にアイテムの機能を引き出す役割がある場合もあり、これはアイテム錬成の「アイテムA + アイテムB = アイテムA'」が「アイテムA + 場所A = アイテムA'」に変わっているとも取れる。

 カプコン ファイナルファイトなどの場合、別の武器と持ち替えるために地面に置く、といった使い方ができるが、その武器を設置型と呼んでいいかは微妙だ。
 何しろ設置しても特に背景にも敵にも影響を与えず、単にステージそのものをアイテム置き場として使っているだけだからだ。設置位置によって次の入れ替えの計画を立てるという戦術性はあるにせよ。

 とはいえ、任天堂 どうぶつの森の家具のように、設置する事そのものが目的であるアイテムもあったりするので、ファイナルファイトの武器は立派な設置型、と言ってもおかしくない。

装備型

 装備する事によって効果を発揮するアイテム。
 無限型との違いは、一度に装備できる数が装備部位などによって決まっている事と、付け替え可能な事。
 装備個所によって一度に利用できる数が制限されている無限型とも言えるし、設置場所が自機(プレイヤーキャラ)である設置型とも言える。

 アクションゲームの場合は自動的に装備されることが多く「即時使用・効果永続」の消費型にも見える。
 コナミ グラディウスなど、ある程度任意に武器を付け替えることができる場合、その武器は装備型と言っていいだろう。

 装備型のメリットは「選択可能」である事で、そのカスタマイズ性によってお好みの自機を作ることができる。
 以前語った「お手軽なクリエーター感」での楽しみが提供されるのが装備型のメリットなわけだ。
 なので、例えば武器に強さしかパラメータがなかったりするとカスタマイズの楽しさはほぼなくなる。
 高い数値の武器以外を選ぶ積極的な理由がないからだ。

 かと言って、パラメータが多すぎると選択が面倒になり、これもまた楽しくない。
 実際プレイすると強さ以外のパラメータは名前だけ、ぐらいでも十分楽しかったりする。
 威力は弱くても打撃系の武器に拘って装備してみたりするのも楽しいものだ。

メタ装備型

 装備したアイテムに、さらにアイテムを装備できるタイプ。

 例えば、弓に対する矢、銃に弾丸、ビンに液体。
 弾体はイコール使用回数なので、別の銃に持ち替えた時に使用回数を引き継げるというのがメリット。
 また、これらのメタ装備を入れ替える事で、射出装備の性質を変える事ができるのもメリット。
 弾体は消費型でもあるので、物質感が弱く、アイテムというより数値(パラメータ)よりの性質がある。

 銃だと、さらにスコープやサイレンサーなどのオプションが付けられるようになったりする。
 これは装備型で説明したカスタマイズの面白さをさらに強める意味がある。
 当然、楽しさと同時に面倒くさくなる危険性もある。

まとめ

 消費・無限・設置・装備がアイテムを使った後のパターンという結論だが、この分類に漏れてるのもありそうなので、気付いた時には追加していきたい。
 同じアイテムに対してこれらの使い分けを行う事もできるので、全部の使い方ができるアイテムも作れる。
 例えば「調べる」という使い方に対するアイテムの反応は無限型になる、という解釈もできる。
 アイテムの使い分けについては「CUIコマンド動詞分類」の使用の項に詳しいので、そちらも参照して欲しい。

 アイテムの効果については、ゲーム全体に深く関わっていてバリエーションも豊富なため、そう簡単に語りきれるものではない。
 今後、ちょこちょこと別の話題と絡めたりしつつ、アイテムの効果を取り上げようと思う。

 そこで結論。

アイテムを使い分けられると奥深い