コンピュータに勝たされる

勝ちたいけど、勝たされるのはイヤだ

プレイヤーの理不尽に応えてこそのゲームクリエイター
教官には優れたゲームクリエイター感覚が必要

ゲームは勝負だ

誰でもクリアできるゲーム」で既に述べたが、ゲームはプレイヤーとゲーム制作者との勝負の側面がある。
 だから、当然のことながら、プレイヤーは制作者に勝ちたいわけであるし、制作者もプレイヤーをぎゃふんと言わせたいわけである。
 制作者にとっての「勝ち」については、今回の主題では無いので、別稿で語るとして、今回は、プレイヤーにとっての「勝ち」を考えてみる。

ゲーム製作者に勝つとは

 まず、プレイヤーにとって「勝つ」とは、どのような状態をいうのか。
 それについては、以下のようなものが考えられる。

  1. ゲームのクリア
  2. 製作者の用意した遊びを全て発見
  3. 製作者の用意していない遊びの発見

 多くの場合は、ゲームのクリアが、第一段階なので、ここではゲームのクリアに絞って考えてみることにする。

勝ちたいけど勝たせてもらうのはいや

 まず、制作者としては、ゲームから逃げられては明らかに負けなので、ある程度はプレイヤーに上手く勝たせる必要がある。

 しかし、プレイヤーは、当然勝ちたい訳であるが、勝たせてもらうのもいやなのである。わがままなもんであるが、殆どの人の持つ欲求であると思う。

 そこで、勝たされていることを感じさせない工夫が必要になってくる。

下手な勝たせかた

 どんなに露骨に勝たされても満足な人はいるものだが、勝たされていることがモロ分かりの方法は、やはり興醒めである。特にゲームに勝負を求めている場合は、落胆を強く感じる人が多いだろう。
 まずい方法を列挙してみよう。

  1. 敵より、味方の数が多い
  2. 敵より、明らかに強い
  3. 敵が、能力の一部しか使わない

 1.特に、1対1での戦闘であれば、少々の実力差があっても、不公平と感じないのが人間である。

 2.それでは1対1ならば良いのかと言えば、そうでもなく。敵の攻撃が1ポイント、プレイヤーの攻撃が100ポイントならば、いくら何でもやり過ぎである。しかしRPGでは、容易にこのような状態が作られるゲームも少なくない。

 3.は、シューティングゲームの低いレベルを選択した時にありがちだが、ノーマルだと撃ってくるレーザーが、イージーだと完全に沈黙している、といった方法だ。

上手い勝たせかた

 今度は、手加減されていると感じにくい、上手い勝たせかたを考えてみよう。

  1. ギリギリで勝つ
  2. 敵より性能が良い
  3. 敵より武器・弾薬の残り数が多い(無限)
  4. 一見、すごい攻撃

 1.は、自分がゲームオーバーになりそうな時の少々のイカサマは気にならない、ということで、プレイヤーというものは、とにかく利己的にできている生き物だってことだ。
 具体的には、RPGなんかでは、死にそうになっている時には、会心の率や魔法の効果が上がったりする、なんてことが、手加減を感じにくい仕組みだ。
 対戦格闘ゲームで、ゲージが赤くなったら、超必殺技が使える、なんてのも、この種の調整だ。

 2.プレイヤー側のキャラクター性能が、圧倒的に優れていても、敵の数の方が多ければ、意外に勝たされている気分がしない。
 シューティングゲームなんかは特に顕著だが、シミュレーションゲームでも、RPGでも、このことは共通である。

 3.敵が弾切れになっているという事に、プレイヤーはなかなか気づかないものである。

 4.シューティングゲームでは、自機に絶対あたらない位置を狙って飛んでくる敵機や弾、そしてあたり判定の極端に小さな自機が、手加減を感じさせない仕組みとしてある。
 エフェクトはすごいが、威力は大したことが無い攻撃なんかも、手加減されているように感じないものであるが、これは慣れると、手加減されてることがバレるので、要所要所で効果的に使って行きたい。

 結論を言うと、特にアクションゲームなどの忙しいゲームでは、プレイヤーが大局的に見て有利不利を見ることは無いということだ。

努力は報われる

 後ひとつ、かなり重要な要素として「時間をかけた(努力した)ら勝てる」というのも納得させやすい。
 RPGなどの成長要素は正にこれで、プレイヤーは努力が報われるのをほとんど無条件で受け入れる。

 そこで結論。

気持ちよく勝たせて欲しい