サンダーフォースⅣ


SEGA AGES サンダーフォースⅣ | My Nintendo Store
対応機種・周辺機器
メガドライブ
ジャンル
横スクロールシューティングゲーム
著作・制作
©テクノソフト

基本情報

 サンダーフォース横スクロールシューティングゲームのシリーズとして、コナミグラディウス、アイレムR-TYPE、タイトーダライアスと肩を並べるメジャータイトルだ。
 横スクロールシューティングジャンル自体がマイナーであるということには目をつぶれ!

 メガドライブでのサンダーフォースは3作目であり、テクノソフトのメガドライブ最終作でもある。
 移植としてはセガから、サターン版としてサンダーフォース ゴールドパック2に収録、またSwitchのSEGA AGESシリーズの一本として、さらにメガドライブミニ2の収録作の1本となっている。
 今回のレビューはメガドライブミニ2の収録作をプレイしての感想。
 メガドライブ版もってるけど……クリアできなかったんですよ、とほほー。

 ちなみにⅢ同様にAC(アーケード版)が出るとの噂もあったが、結局それはなかった。
 さらにちなみにだがサンダーフォースは8方向、Ⅱは8方向と横スクロール混在のシステムだったので、横スクロールシューティングのシリーズと言い切るのは若干語弊がある。

新規性のない凡庸なシステムって…最高!

 武器と自機の速度はボタンでいつでも切り替えられる自由度の高いシステムなので、適切な選択を取っていく面白みがあり、無敵のボムがないのも武器切り替えで対処することを促す作り。
 と、実のところ本作は前作のシステムと8割ぐらいは同じもので「新規性のない凡庸なシステム」と当時評されたりもした。

  • ミス時に装着中の武器とクロー(追加武装)がなくなるものに統一され、HARD以上でも全武器がリセットされることはなくなった。
  • 8方向に撃ち分けられる新武器フリーウェイ。
  • 後半に登場するサンダークローにより(ショットボタンを離した時間で)溜めて打てる強力なサンダーソード。

 といったところが、主な新規システム。
 サンダーソードは溜め中は攻撃ができないため、他のシューティングゲームのボムと異なり、敵の攻撃を避けて耐え、計画的に弱点に叩き込む必要があり独特なプレイ感を作り出している。
 R-TYPEやコナミゼクセクスと一緒といえば一緒だが、これらは押して貯めて離すという逆の操作であること、サンダーソードの性能が極端に高いこと、サンダークローがないと打てないといった違いがある。
 ちなみに、離して溜めるタイプは縦シューだがナムコドラゴンセイバーがある。

 システムがほぼ同じなら何が変わったのか、さらに研ぎ澄まされた演出・グラフィック・サウンドということになる。
 つまり「このゲームは2D横スクロールシューティングの頂に立った」ということだ。

繰り返しプレイに耐える工夫

 Ⅲまでの初見殺しで難易度を上げる方向性は基本的には一緒だが、最初は当たらない場所に攻撃がくるなど、予兆を出すような工夫があり、理不尽感は減った。
 またボスの行動パターンも増え、それに合わせて戦い方を変える必要がある。
 つまり覚えれば安定する局面が減り、慣れても緊張感が失われないバランスとなっている。

 上下に大きく画面高さの倍ぐらい(?)画面がスクロールするので、道中に取れるルートの選択肢が広く、自分がプレイしやすいルートを探すことができ、繰り返して遊ぶ意味がある。
 特定のルートでないと取れないアイテムなどもあり、タイトーサイバリオンやゲームアーツテグザーほどではないが、ちょっとした探索気分も味わえる。

 難易度を変更すると敵の出現パターンなどが大きく変わり、難しくなっただけではなく別ゲームを遊んでいる感がある。
 他のゲームでは単に敵を固くする(体力を増やす)という対処も多い難易度設定だが、本作はかなり丁寧な調整だ。

 ただし難易度を変更するためのゲーム設定(コンフィグ)がAを押しながらスタートボタンという完全に裏技な操作なため、マニュアルを読まないと気づかない。
 これは意図がわからない、普通に画面にメニュー出して選択させて欲しかった。

ステージ構成

 序盤の4ステージのプレイ順は開始前に選べるようになっているため「どんな下手な人でも4面は確実に遊べる」のと「苦手なステージを練習するために、その前のステージをプレイする必要がない」というメリットがある。
 とはいえ後半の5〜10は連続したステージであり、上記のメリットはなくなる。
 シューティングゲームは最初から順にプレイするもの、という思い込みから一歩抜け出ているが、一歩止まりだったという感じだ。

 前作のMD版に開始ステージを1〜5から選べるシステムが搭載されているので、1ステージぶん退化しているとも言える。
 前述のサンダーソードが後半装備され、戦い方が大きく変わることを考えると、最終面以外は面選択可とする訳にもいかなかったろうことは分かる。

 しかしながら前半も後半も結構なボリューム(全体のクリアまで1時間近い)があり、途中セーブができないコンティニュー制であるため、後半ステージを遊びたい時に前半ステージをプレイするのは流石に辛い。
 30分手回しでプログラムを読み込むようなものだ。辛い(二度目)

ヒット演出の弱さ

 敵の出現などの演出は非常に良くなっているのだが、なぜかヒット時の演出が弱い。
 攻撃が効いているんだかいないんだかわかりづらいのだ。
 ボス敵の体力ゲージが出ないし、コナミグラディウスのビッグコアのようにシャッターの枚数で分かるわけでもない。
 一応、効果がない場合はヒットエフェクトが白、効果ある場合は赤になるようなのだが…白も派手で効いているような雰囲気を醸し出しているため、延々白いエフェクトを出して「えらく硬い敵だなー」と効かない攻撃を続けてしまう人いるだろう(私だ)。

 前述のようにボスの行動パターンが変わるので、ゲージがなくてもある程度ダメージを与えたことは分かるのだが、どの攻撃がどの程度のダメージを与えたのかは分からない。
 パワーアップした武器の方が攻撃判定が大きいため弱点の周辺の装甲に当たって白エフェクトとなり、なかなかダメージが通らない、みたいな罠もあったりして、ますます分かりづらい。

 前作はボス登場時に弱点を表示するという親切さがあったのに…ヒット演出に関してはほとんど全面的にダメになっている。

その他

 演出に凝って画面内にオブジェクトを大量に出すため、処理落ちが頻繁に発生する。
 メガドライブミニ2版は演出外の処理落ちがない[ハイスピードモード]が用意されているが、何だか引っかかりがなくなって物足りなく感じた。あと当たり前だが速いので難しい。
 この辺は好み。

 新装備のフリーウェイはかなり使い勝手が良く、フリーウェイが使えない時に他の武装でしのぐ、みたいなプレイになりがちで、武装の種類を多くする意味がなくなってる感もある。
 ただ前述のようにミスした時は、装備中の武装がなくなるので、そこでフリーウェイしか使わないプレイを避けるバランスが取られているとも言える。
 ちなみにこのフリーウェイは、次回作のⅤでフリーレンジに進化した。

 各種武器やシールドといったパワーアップはバランスよく配置され、前述のようにミス時のペナルティも軽減されたので、1ミスで詰んでしまうということはなく、続けてプレイする意欲がわく。
 とは言え、当時の「シューティングは難しい」という印象を覆すほどのものではなく、実際難しい。

まとめ

 残念ながら当時はシューティングゲーム斜陽の時代であり、素晴らしいゲームは多く出ていたものの、RPGなどに押され、売上的には振るわなかった。
 本作もそんな「知る人ぞ知る」ゲームとなっているが、決して内容が悪かったからではない。
 実は前作まで開発していたメンバーの多くが退職していたという話もあるが、そういうことを感じさせない正当進化系の円熟味を感じる出来となっている。

 ただ、根本的な難易度の高さや全体のプレイ時間の長さもあって、メガドライブミニ2のセーブ機能があって、ちょうどプレイしやすい、という感じだ。

参考

 そこで結論。

横スクロールシューティングの到達点のひとつ!