コマンドの場所

メニューのコマンド、どう置くべきなのか

人はこうしてコタツムリになる
コマンド配置は適切に、ショートカットもあると万全

コマンドの位置

 今回は、コマンド位置を中心にその他のメニューの作りを考察してみる。

 コマンドがどういう位置にあると使いやすいのか?
 単に素早く選択できるという事だけではなく、覚えやすい、感覚的に分かりやすい納得できる。そんなことも考えに入れておく。

ヘルプとしての機能

 まずは、位置の前に、コマンドを用意するかしないかの問題。
 メニューは、行動を選択するためのインタフェースであると同時に、そのゲームで「できる事」の一覧でもある。
 ゲームの説明書、ゲームのルールそのものといっても過言では無い。

 例えば、「はなす」コマンドがボタンに割り振ってあるならば、メニューの「はなす」はいらないように思える。しかし、メニューの中の「はなす」コマンドは、「はなす」という選択肢があることを、プレイヤーに示す役割を持っている。
 メニューが機能の一覧であるならば、キャンセルボタンでキャンセルが可能な場合でも、メニューには「キャンセル」という項目がある意味があるわけである。

 メニューに表示されるコマンドが、ゲームでできる事を表すならば、現在できない行動(コマンド)は表示するべきではない、という事になる。
 しかし、存在するコマンドが表示されないと、一覧としての機能が低くなる。
 そこで、存在しているが現在使用不可能なコマンドは、グレー表示等をすることで、現在使用不能だがコマンドが存在する、という事をプレイヤーに理解させる事ができる。
 この辺は、パソコンのOSでお馴染みであろう。

デフォルトコマンド

 メニューを開いた時に、最初にカーソルが合うコマンド(デフォルト)は重要である。
 例えば、メニューを開くボタンと決定ボタンが同じで、メニューが開いた時にカーソルが合っているコマンドが同じなら、そのコマンドは「決定ボタン2回」つまりダブルクリックで選択できる。

確認ダイアログ

 あまりに便利であるため、勢いで選択してしまう事もままある。そこでデフォルトのコマンドは「使用頻度が高くかつ、間違って選択しても問題が無いもの」である事が望ましい。そう意味では、ここにキャンセルコマンドを置いておくのも一つの手である。
 特に重要な操作の前の確認の「決定・キャンセル」操作は、キャンセルの方にカーソルが合っているべきである。もちろんその際、キャンセルを押しても一つ前に戻るだけで、やり直しが可能である事が前提である。例えば、ファイルの上書きの確認、あたりに使うべき方法である。

 スクウェアファイナルファンタジーシリーズのいくつかの作品では、アイテム選択後、別のアイテムに移動してもう一度選択すると入れ替え、そのまま同じアイテムを選択(つまりダブルクリックのような操作)するとアイテムを使用する。
 非常に使いやすく優れているが、操作方法に気付かない(マニュアル読まない)と自分が何やってんだかよく分からないインタフェースでもあった。

デフォルト周辺

 そしてデフォルトコマンドの周辺、例えば下のコマンドならば、「決定-下-決定」と連続で押せばよい。ほとんど対戦格闘ゲームのコマンドのような感じである。
 このくらいまでなら、ほとんど瞬時に入力できるので、その利便性は高い。
 忘れがちだが、メニューの上下左右はつながっている事が多いので、一番下に配置されているコマンドも使用頻度の高いモノを置く方が良い。
 しかし、操作感としては見た目と操作法が違うイレギュラーなものになるし、一番下というコマンド位置も、通常のコマンドでは無い雰囲気を持つ。そこで、システム設定や保存といった、他のゲームに直接関わるコマンドとは違うが、比較的使用頻度の高いものを置くのが無難だろう。

操作回数とコマンド位置

 以上の事から、主要コマンドが「方向キー1回+決定」で選択できるようになっている事が操作上望ましい。
 それを突き詰めて行くと、セガシャイニングシリーズに使われている、十字キーの各方向にコマンドが配置されているという方式となる。
 方向キーとコマンドが対応しているというこの方式は、素早く選択できるという点で非常に優れている。
 制作者としては、コマンド数が十字キーの方向の数に限定されてしまうため、使いにくい方式である。

変動するデフォルト

 デフォルトのカーソルは基本的には、左上のコマンドに合っている方が良い。
 横書きが普通のゲームにおいては、スタートは本と同じく左上が自然であるからだ。

 しかし、アドベンチャーゲームの様に、前回使ったコマンドをまた使う事が多いものは、前に使ったコマンドを記憶しておいて、それにカーソルをあわせておくのが良い。
 アドベンチャーゲームでなくとも、セーブデータがないときは「はじめから」、あるときは「つづきから」を選んでおくようにして欲しい。

 連続して選ぶ事の多いコマンドならば、コマンドを選んだら次のコマンドにカーソルが合う、というように、プレイヤーの行動に合った位置にカーソルを移動させる工夫もある。
 ただ、この方式を押し進めて行くと、極端な話、デフォルトのコマンドさえ選んでおけば、ゲームが進行するという事になる。それは、もはやゲームであるとは言いがたい。
 ゲームであるためには、ある程度の「不自由さ」も必要で、それが面白さにもつながるという事は、覚えておく必要があるだろう。

一貫性のある作り

 例えば、RPGで魔法の配列が、フィールドで開くメニューと、戦闘で開くメニューで全く異なっているというのでは困る。
 極力同じモノの選択には、場面に変わりなく同じ配列を採用し、同じ操作で選択できるようにすべきである。
 プレイヤーは基本的に怠惰なものであり、同じモノを選ぶのに、複数の方法を覚えたくはないのである。

 コマンドが縦または横一列に並んでいるレイアウトは、「はい・いいえ」の選択から、タイトル画面での「ゲームスタート・オプション」の選択まで、ほとんどあらゆる場面で利用される。
 それだけに、ゲーム中で安直に使われる傾向が大きく、同じゲームの中で、配列や枠・カーソルなどのデザインや、操作方や操作感がバラバラだったりする事も多い。
 その場面場面に適切な方法を選択しているならともかく、各部署の連携が取れてないというか「取る気がない」ようなゲームも少なくない。
 操作感の違いが細かいストレスとなってゲームの質を落とす。制作者の方々には注意していただきたい。

コマンドやカーソルがそこにあるのには、意味がある