神宮寺三郎が、前作から、6年の年月を経てサターンに復活。
ゲームファンの間では肺ガンで死んだというジョークも流れた程時間が経っている。なにせ、人気ゲームだったのにスーパーファミコンに一つも出ていないのだから。
動詞を選択したまま名詞を次々と選択できるようになり、コマンドを連続して選択することが容易になった。
名詞は画面上にマークがでて示されるようになり、分りやすくなった。ただ、指定できるものが多いと、マークが多過ぎて画面がうるさくなる。
手帳に今までの捜査状況が自動的に書き込まれるので、ストーリーを把握しやすくなった。このあたり、「ヘラクレスの栄光IV」などの日記システムを作ったデータイーストの面目躍如といったところ。
全体的に、遊びやすさは向上していると言える。
正直なところ、グラフィックは前作がファミコン版だったにも関わらず落ちている。
オープニングなど、少々大目に見たとしてもスーパーファミコン並みである。
ゲーム中はセルアニメ風キャラクターデザインで、寺田克也の絵とはぜんぜん違う。パッケージで買った人はがっくりすること間違い無し。
ムービーは3DCGの上にのキャラクターが乗っているが、ひどくチープ。
通常の背景が実写を加工したものであることもあり、探索・追跡のシーンと合わせて統一感のないこと甚だしい。
音楽・効果音・声優がハマっているのが救い。
リアルタイム3DのRPG風の探索・追跡のシーンがあるのだが、これがどれをとっても失敗。
あまりに失敗しているので、いちいち失敗点を取り上げるのもはばかられる。
第一作での失敗にこりていなかったようだ。
今回は大きな変更点として、ザッピングというプレイヤーキャラクターをストーリーの区切りごとに切り替えるシステムが採用されている。
3作目から神宮寺と御苑の視点が切り替わるシステムを採用していたが、プレイヤーにキャラクターの選択権はなかった。本作では任意にキャラクターを選択できる点で、システムを押し進めた形となっている。
ただ、どのルートをプレイしたのか分からないこと、セーブデータを選択した時に表示される情報が少ないことなどが重なって快適ではない。
ロード時に確認できるようにするか、チェックシートを用意してくれると有難かった。
今回はお馴染みの3人の他に、与野というジャーナリストの視点が加わったため、ストーリーに深みがでている。
また、テーマも社会派のものとなっていて、このゲームの担うべき位置としてとても良いとおもう。
ちなみに、おまけのショートストーリー「謎の事件簿」は、1分で描いたような絵がおまけらしくていい。
そこで結論。
「システムやグラフィックが不出来で傑作になれなかった」
2002-04-06