RPGツクールMV ロングレビュー マップエディタ編
前回に引き続きマップ関連ですが、今回はエディタのマップに関する部分についてレビューします。
エディタ
やっとマップの仕様の確認は終わって、エディタのレビューだ。
すでに幾らかは操作の良し悪しについて語っているが、ここからはより本格的にUIを中心に見ていく。
RPGツクールMVのダメさ加減が凝縮された[マップ]機能
まず最初に代表的なダメUIとして[マップ]を上げておこう。
メインウィンドウの編集時には[マップ][イベント]のモード切り替えボタンがあって、マップモードのツールとして[鉛筆]などがある。
じゃねーよ![マップ]ボタン意味ねぇ!!
ワンステップで! [鉛筆]とか!! 選ばせて!!!
呆れることに、この全く重要でないどころか消えて欲しい機能No1を恣にしている[マップ]なのだが…、メニューを見ていただこう。
[モード]メニューに[マップ]と[イベント]が並んでいる。たった二つのメニュー項目のためにメニューの大項目作ります?
前述のように[マップ]って実質必要ないメニューだから、メニューの大項目[モード]の下に[イベント]って項目一つだけあるメニューですよこれ! 常人の発想じゃない!! 素人以下!!!
さて問題の[マップ]なんだけど、それに加えて(うわー加わるんだ)、ショートカットキーにF5を割り当ててる。
ばーーかーーなーーのぉーーーーっ!?
F5と言えば開発環境ではRUN(実行)が鎮座するとMSXの古から決まってる超重要キーですよ。
ツクールってMSX2出身じゃなかった? 故郷の掟忘れちゃった?
それを! よりによって!! 消えて欲しい機能オブザイヤー2年連続受賞(僕調べ)の[マップ]に割り当てるとかっ!!!
加えて(まだ加わるのか)[テストプレイ]実行時の再試行はF5なのだ。
これはブラウザで「F5連打」なんてワードが共通の符号として人口に膾炙するほど当たり前の仕様でなんら問題ない。
エディタに戻ってきて「また実行しよー」となった時にF5を押したら[マップ]…。ズコーッ!!
一貫性よろしく!!
そんでもって、エディタの[テストプレイ]のショートカットは何かというとCmd+Rなのだ。
ちょっとRをどこから持ってきたのか判然としない。ロマンスじゃないとは思うが…。
もし英語版の[テストプレイ]の名称が[test Run]だったら、このショートカットの割り当は許す!
そして、[テストプレイ]実行時のリロードにCmd+Rは割り当てられてない…ここはブラウザと合わせないんかい!
僕の見解としてはファンクションキーは滅びて欲しいUI十選にランクインしているぐらいなので、どちらかというと[テストプレイ]実行時のCmd+Rでリロードできない方が問題だ。
しかし多くの開発環境がF5を実行に割り当てているならば、それには一応従っておくのが世の習い。
何でファンクションキー嫌いかはこのロングレビューをずっと読んでる物好きの諸氏なら予想できると思うが、数字で管理しようとすんな! 覚えきれんのじゃ!! ということだ。
加えてファンクションキーはホームポジションから遠いし、キーボードによって位置がまちまちすぎる。なので見ずに押そうとしてもだいたい誤爆する。
それにしてもなんでF5に[マップ]を割り当てたんだ? 全くわからん。
というわけで[マップ]という機能は、ショートカットキーの割り当てが不適切、メニューの配置がおかしい。そして一番重要なことがそもそも必要ないってことだ!
メインメニュー
メインメニューにあるマップエディット機能は、[編集]メニューの[元に戻す]、[モード]メニューの[マップ][イベント]、[描画]メニューの[鉛筆][四角形][楕円][塗りつぶし][影ペン]、[スケール]メニューの[拡大][縮小][原寸]がある。
えっ、[編集]メニューの[コピー][貼り付け]とか忘れてない? って思う人、それはまったく正常な反応だ。
ただしRPGツクールMVは正常ではないので、なんとマップ編集中に[コピー][貼り付け]使わないのだ。
なんでこんなヘンテコなUIに自信持ってるんだか、謎オブ謎。
左下のマップリストのほうでは、[編集]メニューの[元に戻す][コピー][貼り付け][検索][次を検索][前を検索]がちゃんと動作する。
あと、コレ細かいことだけど(細かくない話はあんまりしてない気もするが)、MacはCmd+V機能を伝統的に[ペースト]と書いてて[貼り付け]とは書かない。
まぁしょうがないかなと流してもいい程度なんだけど、公式の紹介で「Macの操作にも完全対応!」みたいに書いてあるの見たことあるんで、JAROに言いつけてやろうか、ぐらいの憤りはある。
Macの標準的開発環境であるXCodeで作れば自動的に[ペースト]の表記になるので、[貼り付け]と書いてあるアプリケーションを見ると「あークロスプラットフォーム用の開発環境で作ってんなー」と分かる。
ただこれMVが使ってる開発環境のQt(公式ページ・Wikipedia)がちゃんとMac用に書き換えないのがよくない、という気はする。
Mac対応に関しては後でまとめて語るかもしれない。簡単に言っておくと、酷い。
大した数でもないのに[鉛筆][四角形][楕円][塗りつぶし][影ペン]にショートカットキーが割り当てられてないのもキツい。
ボタンかメニューで選ぶしかない。先の一旦意味のない[マップ]を選ぶ必要あることに加えてコレ、作業効率ガタ落ち。
なにかスムースに操作させたくない理由でもあるのか、操作速すぎるとアプリ落ちちゃうのか?
内容がスカスカな割にメニューの大項目の数があるの、一度に見れるメニュー項目の数が少なく一覧性が悪い。
[モード]と[描画]は[ツール]に、今の[ツール]は[ウィンドウ]にまとめていい。[ゲーム]は[ファイル]に統合していいだろう。
そもそもこの規模のアプリケーションで[ウィンドウ]メニューがないのはなんなのか。
Windowsでは若干違うけど、まともなアプリなら[アプリケーション](この場合[RPGツクールMV])[ファイル][編集][表示][ウィンドウ][ヘルプ]までは無条件につくもんじゃないの?
その際、[スケール]は[表示]に入れるべきだろう。
それから[ファイル]メニューに[ウィンドウを閉じる ⌘W]がない。メニューがないどころかアプリケーション全体でCmd+Wでウィンドウを閉じるという機能がない。
ウィンドウベースアプリケーション開発入門とかあったら、最初に実装方法書いてあるような基本機能だし、なんなら開発環境で[新規プロジェクト]を選んだ時点で組み込まれてるメニューとショートカットキーだ。
ちょっと信じられない。ウィンドウには閉じるボタンついてるし機能するのに、なんでメニュー項目削っちゃったの???
ついでに言うと[フルスクリーンにする ^⌘F]も[しまう ⌘M]もない…ウィンドウにボタンあるし機能するのに。ホワーイ?
こんなひどいショートカット割り当てなのだが、カスタマイズもできないのだ。
チュンソフトの中村さんが「キーコンフィグがないのは手抜きです」って言っても「またまたぁ、めちゃめちゃ練られたUIじゃないすか、時間かけて調整して、最高のものを提供したって自信あるんでしょ」って思う。
しかし、もしツクール開発部が「ショートカットキー変更機能がないのは手抜きです」とか言ったら「手抜きすんな!!」としか言えない。
あと他には、メニューに書いてしかるべき機能がコンテクストメニューにしかないのが大問題だ。
というのも、メインメニューというのは操作のために存在するだけでなく、そのアプリケーションの機能の一覧表としても働くからだ。
コンテクストメニューは、事前にどこで働くか分からないので、ヘルプを読まない場合、雑巾掛けでメニューを開いて調べなければいけない。
ヘルプ読めよという意見もわかるが、ヘルプ読んだだけじゃ脳には定着しないのだ! しつこく情報を与える必要がある。
それには、メインメニューの一覧性が最適だ。MVはそれを捨ててる。
ツールバー
カジュアル向けであっても[新規][セーブ][ロード][カット][コピー][ペースト][アンドゥ]のアイコンが並んでるツールバーは必要ない。
こんなたまにしか使わない機能、逆にめちゃめちゃ常用する機能が、常に画面の面積占有する必要ない。
たまにしか使わないものはメニューから選んで十分だし、常用する機能はショートカットキーで使うべき。
ツールバーに必要なのは、現在選択されている情報が区別されなければいけないもののみ。
MVだと[マップ][イベント]、[鉛筆][四角形][楕円][塗りつぶし][影ペン]がそれにあたる。
ツールバーはもそもそ情報を表示するためのもので操作機能は必須ではないが、せっかくあるなら押して切り替えた方が直感的、という立ち位置だ。
あと、メニューバーつけるなら絶対入れておいたほうがいいのは検索フィールドだ。
現在の検索対象を表示するという機能も便利だし、検索はいまやUIの基本であり常に表示されてしかるべきものだ。
はいどうもありがとうございました。MVにはありません。撤収!
RPGツクールMVはカジュアル向けと言ってもソフトウェア開発環境だ。
初見のわかりやすそうな雰囲気も大事かもしれない。個人的にはツールバーにそんな効果ないと思うが。
ツクールという商品は夢を売るのがメインで、購入したあとは積んどくだけで幸せになれる、というのも一面の真理ではある。
しかし最も大切にしなければいけないのは、長時間使う際のストレスが最小となるUIだ。
そうすればエターナル世界から帰還した勇者が続々と作品を発表し、作られる作品のクオリティは爆上がりだ。
その様子を見れば、積みツクラーの夢もさらに大きくなる、ツールバーに変なボタン置くより格段に!!
あとコレはレビューというより提案なんだけど、現在MVには、プロジェクト内の指定した音声をループ再生する機能として[ツール]-[サウンドテスト]がある。
コレを拡張して、指定した(プロジェクト外も含む)フォルダの音声を連続で再生し、ツールバーに再生中のファイル名を表示する機能つけて欲しい。
音選ぶの結構時間かかって手間なんだけど、他の作業と同時にできるという特殊な作業でもある。
あと作業BGMとして、そのゲーム用に選曲したものを連続して聞きたい。これ、iTunesとかでやるの結構手間なのだ。
既にプロジェクト内にプレイリスト作ってるんだから、それを連続再生するのワケないでしょ。
ちなみに絶対ツールバーでないといけない機能ではなくて、レイアウトの収まりがいいならパネルでもいい。
前回も書いたけど「なんで消しゴムツールないの?」
ステータスバー
メインウィンドウ下の枠には、いろいろな情報が表示される。
わりと見過ごされがちなので、できれば情報パネルを別に用意したほうがいい。
マップモードではステータスバー右にマウスオーバーしたタイルの座標が出るがイベント名は表示されない。
イベントモードになると[イベント]を選択した時だけ座標とイベント名が出る。
似たような機能が、状況で微妙に変わるのやめて欲しい。
どっちのモードでも、マウスオーバーした時に座標もイベント名も出せばいいじゃない。
拡大率が表示されるのに、ここに虫眼鏡ボタンがないのおかしい。なんでツールバーに置いちゃったのか。
あと、ツールバーの虫眼鏡アイコン、普通左が - で右が + じゃないのかな。
左から右に文字を読む環境だと、数を増やすほうが右というのが定石だろう。
まず他のツールを参考にするという当たり前の仕事してないのが問題だが、1/2の確率でもダメな方を引くあたりがツクール! って感じだ。
もっと拡大して作業したいのだが、最大で1.5倍にしかならない。
僕の場合、ゲーム画面は2倍に拡大しているので実画面より編集画面の方が小さいという間抜けな状況が発生する。
ちなみにCmd+マウスホイールで拡大縮小が可能だ。当てるならFirefoxよりPhotoshopに合わせてOptじゃないかなーという気はするが、そこまで共通認識はないと思うのでヨシ!
ただしマップの画像の左上が固定されているのはいただけない。マウスカーソル位置を真ん中に置いて拡大箇所がずれないようにして欲しい。
あと、個人的にはホイールの回転方向と拡大縮小が逆の方がいいので、[環境設定]で変えられるようにしてほしい。
マウスホイールで上下左右にスクロールできるのはいい。ただしホイールが横に動かせない環境用にShift+ホイール上下で横にスクロールして欲しかった。
ついでに、spaceキー押しながらドラッグでグラバー(手のひらカーソル)によるスクロールもできると、多くのグラフィックツールと同じ感覚で使えて快適だと思う。
全体で表示されている範囲がどこにあるか示すナビゲーターパネルが用意してあると、さらに良かった。
あと、表示範囲が実際のゲームで表示される範囲と同じモードも選べるようにして欲しい。
「ラダトームから竜王の城が画面ギリギリに見える」的なレイアウトをするときに、タイル数を数えたり、一旦テストプレイしたりするの、なかなかに億劫。
マップの名前・拡大率・座標・(イベント名)って並ぶのちょっと変だ。間に拡大率が入っているので、右側の座標の意味がよくわからなくなっている。
左端にマップの名前・座標・イベント名、右端に拡大率フィールドと虫眼鏡アイコン- + (かセレクタ)という配置が一般的だと思うのだが。
なお、拡大率と虫眼鏡アイコンは、レイアウトの収まりが良ければ、ツールバーでもステータスバーでもどっちに置いても構わない。
前回書いたように、タイルパレットをマウスオーバーすると、タイルの名前が表示される。
前述のように見落とされがちなので良くない。
3ペインとキーボードとパッド
ウィンドウの区切られた領域のことをペインと呼ぶが、MVには左上のタイルパレット、左下のマップリスト、右側のマップビューの3ペインがある。
左側の2つのペインは閉じたり場所移動したりタブにして重ねたりできずガッチリ固定で、ペイン間の分割線を調節できるだけ、融通が利かないこと著しい。
タイルパレットとマップリストは矢印キーで選択項目の移動ができる。
マップビューは、イベントモードだと動かせるのだが、マップモードでは移動できない…実に中途半端な作り。
そしてこの3ペインはキーボードで行き来する手段がない(よね)
MVは全体にキーボード操作を軽視している。
個人的な理想を言えば、パッドで(文字入力を除く)一通りの操作ができてほしい。
ツクール開発部はフルキーボードオペレーションすら念頭にないのだから、パッド操作など望むべくもない。
でもRPGツクールMV Trinityができてるんだから、できて良くない?
そして、ツクールオフィシャルコントローラ発売するぐらいやってよくない?
タイルパレット
ではまずは上のタイルパレットだ。
tilesetフォルダにある画像素材のサイズは768×768で正方形。
それがエディタのタイルパレットや[データベース]-[タイルセット]設定画面だと真ん中から分割して縦につなげた形になる。
つまり素材の真ん中あたりに何枚か繋げて使うようなタイルを配置したら、エディタ画面で真ん中から分割されちゃうのだ。
アバーーーッ!! ナンデ!! ツクールナンデ!!
気づいてないツクラーもいるかもしれないが、このタイルパレットはドラッグして複数同時にタイルを選択できる。
そして、そのまま右側のマップエディタに配置できるのだ。これはなかなか気が利いてる。
[鉛筆]では選択範囲がそのまま配置され、[四角形][楕円][塗りつぶし]は指定領域に繰り返しパターンとして描画される。
タイルを選択した時に詳細を表示する、タイル詳細パネルを追加して欲しい。
パレットに並んでるの見ただけでは、どんな設定になっているか分からない。
ここで出るタイル詳細パネルでタイルの属性設定ができれば、[データベース]の[タイルセット]での属性設定は必要なくなる。
そうすれば[データベース]の[タイルセット]は、純粋にタイルセットの設定だけできればいい。
また前回書いたようにオートタイルを選択した場合は、オートタイルが生成する全タイルパターンを表示し、そこから選択できるようにもして欲しい。
アコーディオンUIを採用して、選択したオートタイルの下に展開したタイルが挿入される形も良いかと思う
で、前回下にタブがあるとタブと認識できないから止めてくれって書いたけど、エクセルもそうだったということを思い出した。
エクセルに複数のページが存在するって気づいてない人、多分エクセルユーザの過半数を超えてると思う(突然エクセルに飛び火するレビュー)
マップリスト
左下に表示される、マップの一覧の操作性が呆れるほど悪い。
いくつかのマップをグループ化して階層を作れるが、フォルダにあたる部分にもマップデータが置けて混乱する。純粋なフォルダにして欲しい。
マップの配置が自由にできず、上の階層に置くと最後に配置される仕様を使って、延々上の階層にドロップしていくしか配置替えの方法がない。
ウソでしょ!? ユーザを虚無に叩き込んで殺す気か?
といって自動並べ替えができるわけでもない。
ツクール開発部は、MacならFinder、Windowsならエクスプローラ使ったことないのかな。
もしかしてファイル操作は全部コマンドラインでやってんのかな?
マップリストをエディットする以外にも、いくつかマップに関連する機能がついているので、ここでまとめてレビューしよう。
なお、[編集]で開かれるダイアログについては後述。
[編集][新規]
マップリストでダブルクリックした場合、マップがすでにある箇所は編集、空の行は新規が働いてほしい。
MVの実装はどうなっているかというと、あー文で説明するのが大変なので、マップリスト、マップ上での[イベント]、実行内容での[イベントコマンド]の扱いを表にした。
とにかく見ていただきたい。
マップリスト | [イベント] | 実行内容 | |
---|---|---|---|
項目をダブルクリック | 階層なら開閉 | [編集] | [新規] |
空白をダブルクリック | 反応なし | [新規] | [新規] |
選択してspaceキー | [編集] | 反応なし | [編集] |
空白でspaceキー | 空白選択不可 | 反応なし | 反応なし |
選択してenterキー | [新規] | [編集] | [新規] |
空白でenterキー | 空白選択不可 | [新規] | [新規] |
「うちゅうのほうそくがみだれる!!」
乱れすぎだろ!連携とって!! ほう・れん・そう!! バラバラに開発しないで!!
もしかして1人で開発してるのに健忘症? ちゃんとメモとって!!
ツクール開発部の皆さんには、ショートカットキー一覧を作ることをお勧めしますよ。作ってる途中で気分悪くなること請け合い。
統一感の! 一貫性の大切さを身に刻みつけて欲しい!!
以下、僕だったらこうするという表。スッキリしてますね!
共通 | |
---|---|
項目をダブルクリック | [編集] |
空白をダブルクリック | [新規] |
選択してenterキー | [編集] |
空白でenterキー | [新規] |
Cmd+N | [新規] |
滅多に使うことのないどころか1回しか使わない人も珍しくない気がする[プロジェクトの新規作成]にCmd+Nを割り当てる必要はないと思うので、[新規(マップ・イベント・コマンド)]に使えばいいと思う。
そしてマップリスト選択時には Shift+Cmd+N を[新規フォルダ]に当てて、フォルダはシングルクリックで開閉して欲しい。
新規の項目を増やす方法として、これらとは別に[最大数の変更]という斜め上な方法が用意されている箇所もあるが、これは[データベース]の方で語る。
ちなみに、アニメーションの新規の項目を増やす場合はCmd+Nだったりする…らーらーらーららーらー ことーばにー できなーいー♪
もし「最悪なUIのサンプルとして仕様を考えてください」と依頼があっても、僕はこれほどひどい仕様は思いつけないと思う。
[ロード]
サンプルマップが結構豊富に用意されてるのは偉い。
偉いのだが、マップリスト上でコンテクストメニューで開かないといけないというのでは、ツクラーの80%は存在に気づかない。
しかも、そのメニュー名が[ロード]って…なんでもないようなことですが、この名前ではサンプルマップとは結びつかないと思う。
セーブしてないのにロード試すわけないでしょ。
断然メニューには[サンプルマップ]って書くべきだったし、そもそもコンテクストメニューしかアクセスの方法がないというのが大間違い。
フツーにメインメニューの[ファイル]に置いて!!
ついでに言うと、ここ自分で作ったマップをスニペット的に登録できるとありがたい。
スニペットとは断片という意味で、よく使うパターンを記録し再利用する場合に使う言葉だ。
アニメ的にいうとバンクシステムだ。
そうなるとメニュー名も変更の必要があるが[マップ倉庫]あたりどうだろう。
タイル素材の提供時に、タイル画像ファイル・タイルセット設定(マウスオーバーヘルプも含む)・サンプルマップの3点セットを配布できると素晴らしく捗るのは想像に難くない。
[検索]
マップリスト上で検索を選ぶと、[マップ一覧を検索]ウィンドウが開く、前回書いたが開く場所ごとに別の検索ウィンドウ開く意味ない。
どこでも同じ検索ウィンドウ開いて、有無を言わさず全部の名前検索すればいい!
ちなみにこの検索ウィンドウもCmd+Wで閉じられないぞ! アンビリーバブル!!
追記: ここのウィンドウ名が[マップ一覧を検索]だったから、このペインの名前はマップ一覧だと思っていたが、ヘルプには[マップリスト]と書いてあり、そちらに合わせることにした。ウィンドウ名もしっかり合わせて欲しい
まず常にCmd+Fで検索ウィンドウが開くという信頼感を持たせるべきで、その信頼感がないと検索機能を使おうという発想がなくなっていく。
「えーとあれどこかな」と思った時に無意識にCmd+F押すぐらいまでユーザを慣れさせていただきたい。
[シフト]
[シフト]というマップ全体をずらせる機能を自慢げに推しているが、コマンドの座標は追随しないので、便利さはさほどでもない。
[場所移動]は座標指定ではなく、マップにマーカーを置く仕様がよかったんじゃなかろうか。
そして例によってアンドゥは効かないし、メインメニューにも置いてない。誰もお前を愛さない。
移動量を数字で入力させるというのも前時代的だ。
いまどきメイン画面をドラッグしてシフトさせるのが当たり前のGUIでは?
せめてカーソルキーで動かせるようにして欲しい。
[ダンジョン生成]
この機能、使える!!
壁と床だけとはいえ、初期の不思議のダンジョンぐらいのダンジョンを生成してくれる。
[キャラクター生成]もそうだが、とりあえず改造元にできるデータが存在することはすごく大事。
先ほどのサンプルマップもそうだけど、この辺の作りはかなりしっかりしてて、流石という感じだ。
壁に設定できるのがA4(壁)の領域のどれかというのはわかるが、床に設定できるのがA5の3・5・7行というのは、どういう理屈かよくわからない。
A5全部指定できて良くない?
でもアンドゥは効かない。とほほーっ。新規にマップ作って、プロジェクトを保存した後に実行しよう。
アンドゥ機能の実装って、なかなか大変なのは知ってますよ。
同時に最適な解法も出揃ってる状況でもあるわけで。
頑張って全工程でアンドゥ使えるようにして、リドゥも使えるようにして欲しい。
[ダンジョン生成]もメインメニューに置いて構わないのに、なぜかマップリストの上でコンテクストメニュー開かないと使えない。
この機能の存在に気づかなくてマップの自動生成の要望あげてる人、ちょいちょい見かけますよ! ツクール開発部さん!!
[画像として保存]
現在のマップを画像ファイルとして保存できる機能。
これもメインメニューの[ファイル]あたりに置いたほうがいいのに、コンテクストメニュー依存。
マップを[画像として保存]の後、標準のファイル選択ダイアログが出てこなくて、フォルダパスが変なダイアログが出てくるの困る。
しかも画像名を指定できない(よね)
[選択]ボタンを押すと標準のフォルダ選択ダイアログが出てくるという摩訶不思議なUI。
最初からOS標準の保存ダイアログ出してくんないかな。
マップの縮小率が選択できなくて一律50%なのも困ったもの。
100%で保存して遠景画像として使えれば、一枚絵マップ作るの、ものすごく捗るのに。
ついでに出力するレイヤーも低層・イベント・高層、できればより細かく指定できるといい。
一度合成した画像からタイルを切り出してA5タイルに設定すると、奥行きがさらに増やせたりして便利。
複数のタイルを合成して一枚のタイルとしてタイルセットに登録って機能は、そもそも標準でついてていいぐらいだと思うんだけどね。
画像から素材をパクられることを心配しているのかもしれないけど、そもそもPNGで素材がある時点で、無断使用・配布は防げない。
対症療法ではあるが、法務部にしっかりした体制を作って、悪質な違反者をビシバシ訴えるようにしていただきたい。
KADOKAWAなんか日本で一番優秀な法務部抱えてたっておかしくないぐらい大量のIP(知的財産)持ってる会社ですよ、たのんますよ!!
マップビュー
MVの機能の中でも中核となるマップビューについて。
異次元的なコピーとペーストの仕様
概要編でも語ったが、マップが右ボタンでコピー、左ボタンでペーストって仕様は異次元。
最初のころ[選択]ツールを見つけきれなくてなくて途方にくれた。「もしかしてツクールってコピー機能なくて、全部配置し直すしかないのか…」って。
さらに右ボタンを使うと知った後も、ドラッグした場所が丸っとコピーされているという仕様を理解するのに、かなりかかった記憶がある。
妙に初心者向けの顔しようとするのに、メインのマップエディタの操作方法が3DCGソフトみたいなマニアックさで牙を剥いてくるのやめて欲しい。
MVの操作に慣れきっているツクラーからは、単に冗長になっているように感じるかもしれないが、やはり[選択]ツールは必要だ。
初心者がマップ作りで早々に挫折、という状況は取り除くべき。
他でも散々言っているが、ヘルプを読まないとたどり着けない操作があるのは良くない。全ての機能はメインメニューから辿れることを基本とすべき。
と、今ちょっと気になってヘルプを確認してみたが、右ボタンでタイルをコピーできるって記述を見つけきれなかった…もしや、書いてないのでは? 酷すぎる。
また、[選択]ツールがあれば将来的に投げ縄選択などのバリエーションも視野に入れられる。
以下、現状の操作をそのまま残しつつも、他のツールと共用しても混乱しないUIを考えた。
要は普通のグラフィックツールの挙動だ。
- [選択]ツールを選んでドラッグで選択
- 選択状態でコピー(Cmd+C)して、移動先でペースト(Cmd+V)すると選択された状態でペーストされる
- 選択範囲をドラッグで移動(Ctrを押しながらだとコピー)
- 選択範囲は範囲外をクリックか選択解除(Cmd+D)されるまで維持
- [選択]ツール時でも[マップ]編集時でも、Opt+クリックにも現状の右ボタン選択機能を持たせることでスポイトとして使える
選択ツールと編集ツールを切り替えるのが手間という問題があるが、他のツールと同様のちゃんとしたキーボードショートカットをつければいい。
右ボタンの機能自体は残しておいて構わないだろう。
[鉛筆]ツール以外の[四角形][楕円]を選んでいると、左クリックだけでは複数のタイルがペーストされず、範囲を指定する必要がある。
机上の仕様としては理解できるが、実際に操作していると理解に苦しむ挙動だ。
移動枠複数タイルの大きさで出てるのにタイル1枚分しかペーストできないので、ちょいちょいツール壊れたかな? みたいに思ってしまう。
複数タイルをコピー中にその中の1タイルだけペーストしたい、って需要ある? ないよね。
範囲指定なしのクリックの場合[鉛筆]と同様に選択中の範囲をそのままペーストした方がいいだろう。
Shift+ペーストするとオートタイル効果なしでペーストできるという機能があるが、これもエディタを操作しているだけではたどり着けない隠し機能だ。
[ペーストにオートタイル機能を適用する]みたいなメニューがあってON・OFFできるべきで、これはON・OFFを確認しやすいツールバーにあるとより良い。
そして、Shiftキーを押すと逆の機能に切り替わる、というような実装が良いかと思う。
なお、デフォルトはオートタイルが働かない挙動にしてほしい。
特に2タイル以上を選択して、ペースト時にオートタイル適用してほしいだろうか?
僕はして欲しくないし、全然利用シーンが思い浮かばない。
ペーストしたらマップの形が変わるの、なんでなのか理解するのに手間取った。
素材パレットが欲しい
それから、マップのタイルをある程度組み合わせたものを取っておける、素材パレットみたいなの用意してくれてもいいんじゃないだろうか。
マルチクリップボードのマップタイル版というか。
今は、素材倉庫用マップを作ってそこに置く、とかやらないといけなくて冗長。
タイルセットのタブを切り替えるのも面倒臭いので、よく使うタイルは素材パレットにまとめておきたい。
このへん[ロード]の項に書いた[マップ倉庫]機能とからめた機能が欲しい。
わかりづらいレイヤー
現在選択しているマップのレイヤーの状況を表示してくれる情報パネルが欲しい。
そのタイルの通行設定などの属性がどうなっているかとか「暗記しておいてね!」って現在の仕様はちょっとありえない。
公称17才の僕ですが、痴呆の心配もすこしはするのです。てゆーか、すでにまったく覚えていられない。
できればその情報パネルの方でレイヤーの重ね合わせをドラッグで入れ替えたり、タイルの属性設定までできて欲しい。
レイヤー指定ができなくて、タイルの置き直しが極めて分かりづらい上に面倒臭いということは前回散々語った。
なので、ここでは「レイヤーパネルを追加して選択中のレイヤーを表示し、クリックだけでなく数字キー一発で選択させろ」というぐらいでやめておく。
モードごとの表示
マップモードの時は、マウスポインタの他にタイルの大きさを示す四角い枠が表示される。
イベントモードでは、エディット画面にグリッドが表示され、四角い枠はクリックされるまで表示されない。
マップモードでグリッドが欲しい時もあればその逆もあって、モードによってグリッドが出たり消えたりする意味がわからない。
四角い枠にしても、常に表示しておけばいいのでは? という気がする。
実は[環境設定]にも[マップグリッド]というグリッドを表示する設定がある。
これ、最小単位が2×2で、いちいち[環境設定]開かないとON・OFFできないという、実に使い勝手の悪い機能だ。
こういう機能こそツールバーに必要なのに。
それから、メニューの[環境設定]を選択すると[オプション]というウィンドウが開く、ほんとヤメて。表記を揃えて。
あと、イベントモードの時はリージョン設定の時みたいにマップの方を白っぽくしておいたほうがいいのでは?
リージョンの時は逆にマップの色暗くした方がよくないかな、リージョンの文字の色が白いんだから。
なお、マップに配置された[イベント]はマップモードの時は半透明、イベントモードの時は不透明(元々の色)で表示される、これは適切だと思う。
データベースウィンドウ一般について
さてメインウィンドウは終わったので、今度はデータベースについて見ていこう。
まずはマップに限らずデータベース全般に共通の部分を見てみる。
大きさ
MVは要求スペック1280×768なんで、このデータベースウィンドウは、それより一回り小さいサイズで作られている。
小さいディスプレイでも扱えるのはいいが、MV発売当時でも1920×1080程度は普通だったろうし、いまどき 3840×2160というディスプレイも珍しくない。
これだけディスプレイサイズに幅がある現状で、ウィンドウサイズもフォントサイズも変えられないとか、ちょっと正気じゃない。
そもそも狭いのに無駄な表記が圧迫
左上に例えば「タイルセット」って書いてあるんだけど、意味なくない? 無駄じゃない? タブ選んでるんだから、そこで分かるじゃない。
RPGゲームみたいな、かぶってますよ! Gとゲームかぶってますよー!! タブとタイトルかぶってますよー!!!
どうしても出したいなら、貴重な画面を圧迫しないようにウィンドウ枠の「データベース」って表示の後ろに「データベース / タイルセット」とか書くべきじゃないの?
[システム][タイプ][用語]にはこのタイトル部分ないので、実のところツクール開発部はこれが必要ないの自覚してる。
なのに削除しないのは、昔から伝わっている作法は意味不明でも悪習でも残す、というお役所的根性に支配されているからに相違ない。
ドラッグ不可の項目一覧
で、その下に項目一覧が並ぶレイアウトが[データベース]では多く採用されている。
ここで、ツクール開発部が用意してくれた、項目を入れ替える方法をご紹介しよう。
- 空の項目(E)を作業領域として準備
- 入れ替える項目(A)をコピー
- Eにペースト
- 入れ替え先の項目(B)をコピー
- Aが最初に有った位置にペースト
- Eに退避していた項目Aをコピー
- Bが最初に有った位置にペースト
- Eの項目をクリア
マップリストもひどかったが、なんとこっちは項目をドラッグすらできないのだ。
MVは[データベース]の一覧を始め、ドラッグできそうでできない箇所が多い。
そのため、ドラッグできる箇所も「どーせできないだろ」とずーーーっと気づかないことがある。
ツクラーの皆さん、実は[イベント]とか[プラグイン]とかドラッグできますよ、ご存知でしたか。
なんでこんなことになっているかと言えば、おったまげることに、そもそも入れ替えを想定していないのだ。
なぜならID(数字)で管理しているので、場所を入れ替えると、それまで指定してたものが入れ替わっちゃうのだ。
いや皆まで言うな、心のアスカ、心のルリ、心の加代、あるいは心のモンスリー女史に言わせておきなさい。ただ僕は言う「バカでしょ?」
もーっ、ユーザに数字を管理させるからそんなことになるんだよ! IDはユーザから隠しておいて。
ちなみに、[タイルセット]は入れ替えを想定していないためか、[クリア]をして[キャンセル]したら、クリアした状態がマップに反映されてしまうバグがある。
このくらいのバグいちいち指摘するのも面倒なぐらい、MVに慣れちまった悲しみに…
[マップ]ボタン以上に消えて欲しいUI登場
一覧の下には件の[最大数の変更]というボタンが……酷すぎて説明したく無い(笑)
さきほどマップ・イベント・イベントコマンドの新規追加方法が揃ってないというところで憤ってたが、こっちはそんなチャチなもんじゃねぇ!
[最大数の変更]というボタンを押すと数値入力ダイアログが表示されて、そこに数値を打ち込む。
この数字がボタンに書いてある通り、項目の最大数なのだ。新規項目を追加するにはこの数を増やすのだ!!………?????
コンテクストメニューから[新規項目]を選ぶでなく、enterやspaceといったキーを押すでなく、空白をダブルクリックするでなく、Cmd+Nでもなく、もっといい方法がたくさんあるのになぜ…
[マップ]ボタンの方が先に消えて欲しいと思っているのは個人的な仕様頻度の差でしかなく、単体での凶悪度から言えばこっちが断然上だ。
これ少なくともRPGツクール2000以降は確認できるUIで、下手したらRPGコンストラクションツール Danteからこの方式だ。
まーじーかー! 昭和の味を今に伝える伝統の技かー!! 消えてしまえそんな伝統!!!
あ、1990年なんでギリ平成でした、訂正してお詫びします。
あと多分、Danteは各項目の最大数は64とかで固定で、それが任意に増やせるようになって「どーだすごいだろー」的に導入したUIなんだと思う。
導入した時点で自慢にならない機能だと思うが、それをいまだに誇らしげに…「わしゃあ尋常小学校のかけっこで三等になったんじゃー」「よかったね…よかったねおじいちゃん(滂沱の涙)」
カシラ、カシラ、マルチウィンドウってご存知かしら
そもそもデータベースのタブごとの情報に、さほど関連性はないので、それぞれ独立したウィンドウで表示できるようにして欲しい。
イベントの編集やマップの編集と同じような作りというと、ツクラーの皆さんには分かりやすいかと思う。
その上で複数のフローティングウィンドウとして並べておけるようにして欲しい。
[データベース]のタブの間でコピーしたいデータや並べて確認しながら設定したいデータは少なく無い。
まずメニューで[データベース]を選んだ後、出てきたウィンドウからタブを選ぶという工程がもう面倒臭い。
ショートカットキーを全ての項目に設定して、目的のデータベースのタブをいきなり開けるようにして欲しい。
そもそもデータベースのショートカットキーF9ってなんなの! もーっ!! ファンクションキーやめて!!!
[タイルセット]の場合はメインメニューに置くのはもちろん、タイルパレット上でコンテクストメニューを表示した時にも出して欲しい。
マップリストのコンテクストメニューに[編集]があるのに、タイルパレットに[編集]が無いの変でしょ。
OKじゃねぇよ、お前はテリーか!
[OK]っていうボタンの名前自体がよくない。だいたいGUIの改善項目として最初に上がるもののひとつだ。
[OK]では何が実行されるのか分からない、Webサイトのリンクで[こちら]って書かれるようなものだ。
ここでは[OK]ではなく[適用して閉じる]あたりが適切だろう。
単一行の文字(数値)入力フィールドでenter押すと[OK]ボタン押したとみなされてウィンドウが閉じるのは「ん゛あ゛あ゛っ!!」って感じ。
enter押して閉じていいのはダイアログに文字入力欄ひとつしかない時だけ。ここで期待する動作はエクセルのように次の入力項目にフォーカスが移る、だ。
ちなみに、MVはCmd+enterを[OK]ボタンのショートカットキーとして割り当てているようで、これはいい。
ただし、例によって裏技的な実装で普通に使ってたら見つからない。メインメニューに[適用して閉じる]メニュー置いてショートカットキーも書いといて欲しい。
ここはアンドゥのない不毛の荒野
そもそも最近のアプリケーションなら入力したら即適用して、もし間違いがあったり、やっぱやーめたってなったらアンドゥできるべきだろう。
そうMVにはアンドゥがないのである!! 現実でコーヒーこぼした時に左手がCmd+Z押す動きをしてしまうぐらい慣れ親しんだアンドゥがないのだ。なんたるチア、サンタルチア!!
間違って[キャンセル]を押すと、何時間かけて入力していようが一瞬で消える。アンドゥはない。ツクラー死すべし。
問答無用ではなく、警告ダイアログが出て「保存してないけどいいですか」みたいに聞いてはくるんだが、酷い仕様なのは間違いない。
[キャンセル]はもっと恐ろしげな[入力内容を破棄]ぐらいのラベルにしたほうがいい。
で、MVユーザは復帰地点を自分で制御する必要があって、それが[適用]ボタンだ。
[適用]を押すと今まで入力した[データベース]の値がその名の通り適用される、ただしファイルに保存されるわけではない。
[キャンセル]を押した場合に[適用]した時点に戻るようになるという機能だ。
ちょっと今時、こんなシステム採用してるのMV以外知らない。1990年代で滅びたと思ってたのに世紀を超えていたとは…
おそらくというかほぼ間違いないんだけど、あまりに操作中に落ちることが多くて「自動保存してると自動保存中に落ちてデータが壊れる」恐れがあり、データ保存動作を手動にした、という経緯かと思う。
と言って特にツクール開発部に同情の余地はなく、他のアプリケーション並みに安定性あげて、としか…
[メモ]
プラグインがメタタグを書き込む場所として、思いの外活用されている。
これは非常に良い機能だったと言える。
メモとは別にデータベースにメタ値を追加してプラグインパラメータのような入力のインタフェースを用意してほしかったが、ここは次回作に期待でもいいだろう。
風の噂で聞くとウディタはデータベースに任意の値を追加できるらしい。Windowsのアプリケーションだから試せないが。
マウスホイールとドロップダウンリスト
[データベース]に限ったことではないが、ドロップダウンリストの上でマウスホイール動かすと値が変わってしまう。
マウスホイールで正確な値を設定するのが難しい上に、予期せず値を変更してバグを発生させることが良くある。
小さな親切大きなお世話、そんな言葉がよく似合う。
[データベース]-[タイルセット]
さて、[データベース]でマップ関連のタブは[タイルセット]のみだ。
詳細を見ていこう。
[基本設定]
さっき言ったタブとタイトルがかぶってるのと一緒で、ここに表示される名前も一覧とかぶってて、好きなUIではない。
一覧がスクロールしないと入りきれないほど大量になると名前がわからなくなるので、しょうがないかなという感じ。
ただ、直感的には一覧の方でもダブルクリックなりで名前を変えられるようにはしてほしい。
[モード]の[エリアタイプ]と[フィールドタイプ]の違いが分かりづらい。
[フィールドタイプ]は敵とのエンカウント時に地形に応じた戦闘背景画像が表示されるようだが、その対応表のような細かい仕様がヘルプにない(よね)。
[フィールドタイプ]はA2の仕様がさらにややこしくなって左側の偶数行と奇数行で、A2右側との重ね合わせ状態が変わる。
正直ピンと来なくて「よし、フィールド使うタイプのゲームは作らないことにしよう」と思って今に至る。
よって、[モード]についてはここまで。
[画像]
ここでタイルセットに設定する画像を指定するのだが、ここ選択中のA〜Eタブと連動して変わるべきじゃないかな。
UIはオブジェクトのまとまりで設計すべきで、オブジェクトの結びつきをユーザが理解しないと使えない、という仕様はよろしくない。
ここでは[画像]の部分に並んでいるBというラベルと、タブのBをユーザが結びつけなきゃいけない。
知ってる人はラベル書いてるからわかるでしょって思うだろう。
しかし初見のユーザとしてはBタブを選択してないのにBタブに結びついた要素(ファイル指定)が表示されてるの想像の埒外で、両者を結びつける理由は希薄だ。
上限がEまでと少ないので、タブは最初からEまで用意しておいていいだろう。
そしてタブを選択して[画像]のファイル指定が変化するなら、操作の順番として[画像]と[メモ]の位置は入れ替えた方がいい。
Aタブを選択した際は、A1・A2・A3・A4・A5の領域がわかるようなマークも必要だ。素直に境界線を入れるのが良いと思う。
現状のMVではAが5つに分割されていることを知ってても、その境界がどこにあるか瞬時にはわからない、というか僕は一度ファイル確認しないと分からない。
僕はAタイルの挙動を変えるプラグインとか、Aタイル画像とかの素材作ってるのに! いまだピンときてないんですよ! いわんや、そうでないひとをや!!
タイル属性の編集
ここにはタイルパレットと同様のタイル一覧が並んでいて、その上に属性の状態に応じたマークが表示され、クリックで設定を変更する。
右のボタンを押すことで設定する属性の種類を変えられる。
属性のコピー&ペーストとか、範囲選択して一気に属性の変更ができるとかの機能がない。
なので、1タイルずつ地道に設定していかなくてはならず、1タイルが持っている属性も多いので、かなり滅入ってくる。
- 複数のタイルを選択して一気に変えたい
- タイルの名前を確認したい
- タイル上で4方向をセットするのミスが多いので大きくしたい
- [通行]と[通行(4方向)]の情報がわかりづらいので整理したい
- タイルに付加された情報を一度に確認したい
- 地形タグをクリックでカチカチ入力せず選択したい
- 現状の属性をタイルの上に重ねる表示を残したい
以上を考慮して、試しにモック的なUIを作ってみた。
そんなに難しい変更でもないと思うんだが。
それと前述の通り、このタイルの属性表示、むしろここよりマップエディット時のタイルパレット選択時に出して欲しい。
もちろん情報の表示だけでなく、その場で属性の変更もできるとなお良い。
[マップの設定]
最後はマップリストのコンテクストメニュー[編集]を選ぶと出てくる[マップの設定]だ。
……[マップの設定]メニューを選んで[マップの設定]ってウィンドウが出てくるべきじゃないかな。なんで名前を揃えないのかな。
それはそうと驚くべきことにこのウィンドウ、MVでは珍しくあまりツッコミどころがなくてちゃんとしてる。
ちゃんとしてることに驚くことに驚くが。
戦闘背景指定が、マップに1枚しか設定できないのはビックリ。
前述のように[タイルセット]の[モード]が[フィールド]だと、マップタイルによって背景が変わるらしいが、本来ここで指定できるようにすべきだろう。
MVの場合[エンカウント]が[リージョン]によって決まっているのだから、[リージョン]に対応した背景画像が指定できてしかるべきかと思う。
ダッシュの可不可がマップ単位でしか決められないのも驚きだ。
タイルの属性にあっても良さそうなぐらいなのに。
あと、[イベントコマンド]にも欲しい。
おんぶした状態でダッシュはできなくしたかったので作った初プラグイン、TF_DashControl.js を使えばダッシュ制御ができるぞ! やったね!
[遠景]については前回書いたように、ファイル名に「!」つけるみたいな付け焼き刃感たっぷりな仕様ではなく、ちゃんとここに視差オプションをつけて欲しい。
できれば背景の拡大率などもあれば、特に解像度の必要ない遠くの山に無駄なデータを使う必要もない。
ついでに言えば近景も欲しい。[ピクチャ]や[天候]でなんとかできないこともないけどめんどくさいんだよね。
横スクロールを基本にしたゲームを作った時に近景に茂みとか置いて、正しい意味でのパララックスマッピングしたいんだけど。
あとはやたら装飾に凝った枠をつけたり、パラメータ表示用の枠つくって昔のPCゲーっぽくするのもいいね。
[メモ]については[データベース]と同様の感想。
MVで作り始めて2年、マップとキャラの改善が「これ以上はエディタ本体を作らないと無理」に近いところまで来たんだけど、逆にいうと他のところはほぼ手付かず。
もし全体を使い込んでいたらこのレビューの回数、2桁は余裕だ。Flashを結構使ってた僕としてはアニメの部分だけで3回は行けそうな空気を感じる(笑)
そんなわけで敵との戦闘に関する[エンカウント]については、使ったことないので良いも悪いもあまり分からない。
多分いい作りですよ、最近のツクールのゲームはランダムエンカウント方式がほとんど採用されてないですけど、関係ないと思いますよ。はっはっはー。
今ちょっと見て見たら、リージョンID入力欄が3分割されているのは意味不明だな……そっ閉じ。
マップエディタのまとめ
とにかくUIが古い、独自、不統一の三拍子揃っており、バッドユーザインタフェースのショーケースとして全方面にオススメできる。
井の中の蛙という言葉がこれほど似合うアプリケーションが他にあるだろうか、せめてガラパゴスぐらい広いところに出てきて欲しい。
ロングレビュー マップタイル編に、つづく!!