スーパーマリオサンシャイン

対応機種・周辺機器
ゲームキューブ
ジャンル
アクションアドベンチャー
著作・制作
(c)任天堂 2002

 前作スーパーマリオ64がニンテンドー64を代表するタイトルなら、当然ゲームキューブにもマリオ。
 今度は南の島でバカンスだ、と思ったらやっぱり事件。

 グラフィックは本当に良くできていて、日差しが明るく鮮やか。そして水の表現がたまらん奇麗。
 円弧状に表示される台詞は、読みやすさやキャラクタとの一体感の点で多少どうかとも思うが、なかなかオシャレで演出としてはいい感じ。

 今回の目玉は、マリオの背中に背負ったポンプ。
 水を噴き出すことによって、空を飛んだり、敵を吹き飛ばしたり、汚れを落としたり。
 ジェットパック+銃という、普通ならSFアクションにしてしまいそうな道具を、うまい具合にマリオに合うようにアレンジしたと言える。
 しかも、このポンプはしゃべるのでナビゲーション役にもなっている。
 ちなみに、放水というとザ・ファイヤーメンバーニングレンジャーのように消火に結びつけがちだが、主な使用法が汚れを落とすという事で、南国の爽やかさを維持している。

 目的は、島に描かれた落書きや汚れを洗い流し奇麗にすること(落書きが目的のセガジェットセットラジオを意識したんではないかと思う目的だな)。これが思った以上に楽しい。
 水の放出がアナログボタンであるRに割り当てられているので、細かい調節もでき、思い通りに操ることができる。
 水をかけると、さーっと汚れた部分が奇麗になっていく。水の撒き方もいろいろとバリエーションがあって、華麗なアクションを決めつつ水を撒ける。…字で書くと間抜けだが。
 ポンプの導入によって「攻撃ボタン」が無くなったのも、ゲームの向上につながっているだろう。

 カメラワークについては、前作に比べて劇的に改善されている訳ではないが、建物の陰に入ったときにマリオをシルエット表示にすることや、近くに壁がある場合は壁を透明にするなど、カメラワークだけに頼らない見やすさを導入してあり、かなり快適。
 また、視点変更がアナログであるCスティックに割り当ててあることも、前作に比べて快適な理由の一つと言える。

 ガイドブック(地図)の表示はZボタンだが、何の機能も割り当ててない十字ボタンを使うようにしたら良かったんじゃなかろうか。もうこのころは、十字ボタン=マップはGCでは定番化していたような気がするんだが。

 ストーリーの進行に伴い声の入ったムービーが挿入されるのだが、ムービーそのもののクオリティは高いものの、なんだか余計なものって感じが強い。
 ムービー見るよりアクションしたいんですよ、アクションが面白いんだから。
 それに、英語をしゃべるのもなんだかねぇ。

 逆に、いまだに昔ながらの残機制をとるのは納得いかない。
 もうこのタイプのゲームでは残機制を取る意味は無いだろう、ライフ+残機より、ライフのみが分かりやすい。というより、もはや残機の意味が分からない。無理矢理1UPキノコ出したいだけか?

 また、透明の壁が多いのも気になる。絵としては明らかに先に進めるように見えるが、いきなり進めなくなる場所だ。
 私は、これがホントーに嫌い。大抵の人も嫌いだろうし、このゲームのプロデューサーの宮本氏も嫌いなはずなのだが、なんでこういうことになったのか?
 前作では、少なくとも露骨な透明な壁はなかったのに。

 基本的なルールは、前作とほぼ同じで、コースごとの条件をクリアしてシャインを集め、シャインが集まると先のコースへ進めるようになる。
 ルールは、いろいろな仕掛けも含めてスーパーマリオ64テイスト全開である。
 新しいアクションにしても、ターゲットを水で撃つことやホバリングは、他のゲームで体験済みの人も多いかと思う。
 水まきで汚れが落ちていく気持ちよさを除けば、「面白いけど、もう見たよ」って感じがするのは否めない。ゲームとしての進化はグラフィックの進化ほどは感じられないのが残念。

 それにムービーでの解説・誘導や透明の壁など、全体にレールの上に乗っている感が強く、前作のいい意味での、いい加減さが少ない気がする。
 他の会社が出していたら手放しでほめてたような気もするので、私が任天堂に過剰に期待しすぎな感じもするが、前作が出てから6年、期待しても良いだろうとも思う。
 ちなみに、前作のスターは全部集めたんだが、シャイン集めは9割ほどで挫折。
 遊んだ当時の感覚としては前作の方が面白かったが、本作の操作の快適さやグラフィックを体験してしまうと、もう前に戻れないという気持ちもある(戻るけど)

 そこで結論。

明るい、楽しい、気持ちいい傑作

夏に遊んだ方が、水まきが涼しげで良いと思う