戦国BASARA2
- 対応機種・周辺機器
- PS2/PS3/Wii
- ジャンル
- スタイリッシュ英雄アクション
- 著作・制作
- ©カプコン
基本情報
本作をざっくり説明すると「日本の戦国時代をモチーフにした面クリア型の3Dアクションゲーム」である。
前作戦国BASARAから、わずか1年後のに発売されたのが本作戦国BASARA2。
さらに一年少し後に発売されたデータ追加作である戦国BASARA2 英雄外伝(以下、英雄外伝)も本記事で扱う。
本記事はに発売されたPS3版の戦国BASARA HD Collectionの戦国BASARA2と戦国BASARA2 英雄外伝部分をプレイしての感想になるが、キャラや背景のモデルが上等になったことや、読み込みが早くなった以外の基本的な内容は同じようだ。
あ、テーマ曲のHIGH and MIGHTY COLORDIVE into YOURSELFが理由はよくわからないが、abingdon boys school(西川貴教)のWE aREに差し替えられている。
コーエー戦国無双との類似性については前作のレビューで語ったので、そちらを参照してほしい。
ちなみに戦国無双2では、戦国BASARAから取り入れたような要素も見られ、本作の時点で本格的なライバル関係となっている。発売当時は会社同士よりプレイヤーの方が熱くなって衝突していたような印象もあるが。
ボリュームアップ
プレイアブルキャラクターが16人から22人、戦場マップが18から48へと大幅に増え、キャラ毎のストーリーモードがついた。
その他アイテムや雑魚敵の種類など、よくぞ一年でここまでというぐらい軒並みボリュームアップした。
前作のボリュームが「作ってる途中で出した」みたいな所があったので、本作で当初の完成にこぎつけたという見方が正しいのかもしれない。
とはいえ、前作のヒットを考えると出したタイミングが間違っていたとも言い難いのが、難しいというか面白いところだ。
新規武将としては、プレイアブルに昇格した長曾我部元親、毛利元就、新規追加された前田慶次、豊臣秀吉、竹中半兵衛。
さらに宮本武蔵が追加されているがプレイアブルで唯一ストーリーモードが用意されておらず、1998年から続く漫画バガボンド、2003年の大河ドラマ武蔵 MUSASHIにあやかっただけな気がする。
そしてプレイアブルではない武将では片倉小十郎、浅井長政、お市、風魔小太郎、本願寺顕如が追加された。
英雄外伝では片倉小十郎、浅井長政、お市、風魔小太郎にストーリーが付き、前作から含めて全武将キャラが(天下統一などのストーリー以外のモードで)プレイアブルとなっている。
追加された松永久秀(CV藤原啓治)が抜群のキャラ起ちをしているが、プレイアブルではない。信長、秀吉、久秀みたいなボス扱いの並びで説明書に載ってるのに⋯。
このように、2と英雄外伝ではオリジナルキャラはひとつも追加されていない。流石に前作のオリジナルキャラ比率はおかしかったと自覚があったようだ。
戦場マップはちょっとした変更のものもあるが計64の大ボリュームとなっている。
なお戦国BASARA2のデータから戦国BASARA2 英雄外伝へのデータへコンバートが可能で、Wii版の戦国BASARA2 ダブルパック、PS3版の戦国BASARA HD Collectionではコンバートなしで両者を行き来できる。
歴史物として
本作は「史実に沿って作ろうと言う気がさらさらない」ところが大きな特徴だ。
史実に沿った方向だとコーエーが歴史シミュレーション時代から積み上げた知識・経験に絶対負けるので、差別化する意味でも史実から離れざるを得ないところがある。
とはいえ、斬新な解釈というより「モノを知らないだけなのでは?」という疑惑が付きまとうのは否めない。
例えば家康のキャラデザインなど、戦国時代の知識が少しでもある人に見せたら十中八九は秀吉と思われるんじゃないか、といった「解釈違いというより単なる間違いではないか?」みたいな部分が散見される。
ちなみに本作で追加された秀吉の「猿というよりゴリラ」方向のキャラデザインは史実で巨漢の息子がいることを考えるとアリかもという気もするが。
史実の無視っぷりはストーリーモードでも見られ、普通の作劇なら「誰もが知っている歴史の裏の真実」みたいなアプローチを取るが、本作は初手から歴史に沿う気がない。
史実通りの場所と相手による戦だけで構成されたストーリーはひとつもない気がする。
付属の「町の図書館に行って調べてきました」みたいな豆知識には「本作の内容とは一切関係ありません」といった注釈が付いているぐらいだ。
前作からプレイ中に兵士たちが色々と喋る音声が付いているが、多くのセリフがガンダムやジョジョネタなどの現代オタクネタで興醒めだ。
武将に関するセリフも戦国ネタというより本作のキャラネタで感覚が現代的に過ぎて、薄っぺらさがすごい。
システム
基本的なシステムは前作を踏襲しているが、戦極ドライブという一時的に様々な能力をパワーアップさせる機能があり、コンボ数が大きくなると発生するバサラフィーバーではコンボ数が加算されたり能力がアップする他、敵を攻撃するたびに小判が画面に煌めきみるみる金が溜まっていくという派手なシステムがある。
それに伴い特に新規のマップはフィーバーを発生させやすい敵の行動やレイアウトになっている。
敵の数はもちろん体力ゲージが高いと「たくさん斬ってフィーバーできる!」という気持ちになって、難易度上昇時に発生しがちなイライラを相殺する仕掛けともなっていて、非常に良くできたシステムと言える。
英雄外伝では戦極ドライブやバサラフィーバーに加え刻印というシステムが加わり、コンボの仕組みが調整されているが「どっちが良いかは好み」ぐらいの範囲かと思う。
バサラ屋でアイテムが購入できたり、装着できるアイテムスロットが増えたり、防具が個別に装備できるようになったり、カスタマイズの幅が広がっているのも良い。
本作では前作で20が上限だったレベルが100になったので、みるみる強くなって痛快!となるかと思いきや、レベルが上がっても強くなったような気がせず、と言ってレベル上げに意味がないわけでもないという、この改変で作業感が上がっただけというオチだった。
幸い戦国BASARA HD Collectionでは全てのキャラのレベルを無条件で99に解放できる機能がついているので「レベル上げの苦痛に耐えられぬ時のむがいい(北斗の拳ネタ)」
まとめ
ゲームとしてはキャラの選定などかなり歪でボリュームも不足していた前作の欠点をほぼ全て払拭した。
欠点としてはほとんど静止画をつなげたようなムービーがちらほらしていたり、英雄外伝のアニメムービーが金かかってないTVシリーズみたいな雰囲気だったり、松永さんが使えなかったりするといった所があるが、続編として文句なしと言って良いだろう。
ちなみに英雄外伝では2人プレイ可能なモードもあるが、対戦が同キャラでないと性能が違いすぎて成立しないバランスだったりと、おまけの域。
参考
- 戦国BASARAシリーズ | カプコン 公式サイト
- 戦国BASARA - Wikipedia
- Amazon | 戦国BASARA2 | プレイステーション2
- Amazon | 戦国BASARA 英雄外伝 | プレイステーション2
- Amazon | 戦国BASARA2 英雄外伝(HEROES) ダブルパック | Wii
- Amazon | 戦国BASARA ダブルパック(スペシャル映像DVD同梱) | プレイステーション2
- Amazon | 戦国BASARA HD Collection - PS3 | プレイステーション3
- Amazon | 戦国BASARA トリプルパック - PS3 | プレイステーション3
そこで結論。
気軽に遊べる爽快アクションとして完成を見た