LIMBO+
- 対応機種・周辺機器
- Xbox360 / PlayStation3 / Windows / Mac / Linax /PlayStationVita / iOS / PlayStation4 / Android / Switch
- ジャンル
- ジャンプアクション
- 著作・制作
- ©Playdead
基本情報
デンマークのPlaydeadが開発した、サイドビューのジャンプアクション。
2010年の多くのゲーム賞を受賞している。
多くのプラットフォームに移植されているが、このレビューでプレイしたのはApple ArcadeのMac版。
LIMBO+と最後に+が付いているが、他のプラットフォームでプレイしていないので、何が+されているのかよくわからなかった。
なお、は最初のXbox360版が出た年で、+のリリース日はなので、最終版と思ってもらって構わなそうだ。
グラフィック
画面はモノクロームで、影絵のような雰囲気。
白黒の世界はAppleHyperCardを思い出す。
とはいえ解像度は上がっていて霧がかったグラデーションのある絵作りで、物理エンジンであるBox2Dをベースにしているらしくオブジェクトは滑らかに動く。
AdobeFlashで見たような印象を持つ人の方が多いかもしれない。
絵的には心理的な怖さのあるホラーの雰囲気だが、どちらかというとスプラッタ要素が強く、プレイヤーは無惨な最後を遂げるゲームオーバーシーンが多い。
これをカラーのリアルなグラフィックでやられたら、Xレートでも出せないんじゃないかというくらいの残虐度だ。
これモノクロでやるしかないな…と開始5分もすれば誰もが納得すると思う。
ゲームシステム
ほぼ左右しか移動せず、あまり大きく飛ばないジャンプと、物を掴む、スイッチを入れる程度のシンプルな操作だ。
敵は登場するが攻撃操作はないし、話しかけられるキャラもいないので、白黒の画面も相まって実に心許ない。
隠しアイテムやトロフィー集めをやらないなら、さほど高度なアクションは要求されない。
また要所で挿入されるパズルも、ほぼ一画面で完結するシンプルなものが多い。
そんなので面白いかと言われると、これがバカにされたと思うほど簡単でもなく放棄するほど難しくもない絶妙な難易度。
初見殺しでびっくりさせるがリスタート地点は近く、慎重に周囲を観察すると解法が見えてくるという、挑戦心を掻き立てる作りだ。
かなり凝った仕掛けも、あまり繰り返し使われず、毎回新鮮さがある。
背景も白黒ながら、森から始まって工場っぽい場所やホテルらしき建物など、飽きさせない。
そして次は何かなと進んでいるうちに数時間でクリアできる。
これらを総合すると「非常に人に勧めやすく、口コミで広がりやすいゲーム」ということが見えてくる。
まとめ
サイドビューのジャンプアクションというジャンルだが、しばらく移動してパズルやチャレンジがあってクリアするとまた移動して、というリズムで進む。
出てくるギミックをさらに組み合わせれば、もっと多くのパズルが用意できると思うが、出し惜しみせず次々とアイディアを繰り出して、仕組みが大体わかったところで次のギミックが提供される。
いわば、ちょっとだけ料理が乗ってる皿が次々やってくるフルコース式だ。
同じキャラで別のゲームを次々投入するセガミスター・ボーンズと同じジャンルと言えるかもしれない。
ただしLIMBOの方がゲームとしての統一感があって洗練されている。
ストーリーらしいストーリーはなく「雰囲気で感じてくれ」というタイプ。
無駄な部分が削ぎ落とされた、シャープな体験を提供してくれる傑作と言えるだろう。
ただMac版はフルスクリーン操作やパッドなど、微妙に対応が良くなかったのは残念。
参考
そこで結論。
1回の体験を贅沢に提供する、時代の分水嶺的作品