ロングレビュー その他

古参のツクラーは知っている

いよいよ長かったレビューも最終回

 残りはデータベースだけでも、アクター・職業・スキル・アイテム・武器・防具・敵キャラ・敵グループ・ステート・コモンイベント・システム・タイプ・用語とたくさん残っているのに、何で最終回?
 今まで詳細にレビューやってきたペースだとあと20回ぐらいやるでしょ!
 だが愚直にゲーム始めてから必要になる部分を順に理解して、ひとまずマップとキャラの部分を改良していたら2年経った、というのが現在。
 だからそれ以外の部分が、イマイチ良く分かってない。

 アニメーションに関しては以前Flashを使っていた経験から、あまりに酷いことが分かり、ツッコミを入れずにはいられなかった、ので詳細にレビューした。

 アニメーションがそうであったように他の箇所もMV特有のダメUIが一通りある感じなので、ひたすら同じような指摘に終始して、書くのも読むのも面白くないだろうというのもある。

 では、良く分かってない残りの部分を、がーーーっと片付けちゃいましょう!

基本コンセプトがぶれている

 標準の機能として「装備は1種類」「スキルなし」「TPなし」「アイテム・武器・防具・たいせつの区別なし」などなど、なしなしの簡易的なシステムを用意すべきだ。
 そしてオプションやプラグインによって、より高度な機能が使えるように誘導すべきだろう。

 今の仕様では一部オプションで変更できるが、むしろ高度なオプションが最初からONになっているようなところがあり、自身の「誰でもゲームが作れる」という最重要コンセプトを完全に忘れている。
 初期は二本柱として「誰でも」「市販ゲームのような」というコンセプトだったかもしれないが、今や市販ゲームは開発に何十億も投入するのが当たり前な市場だ。
 無理に「市販ゲームのような」を追うのはやめて「スーファミの頃の市販ゲームのような」にコンセプトを変え、かつ「誰でも」の方を再重要視すべきだ。
 スーファミの頃の市販ゲームだって何億も突っ込んでたのでは? という話もありはするが……。

 いまやゲーム開発環境は百花繚乱、欲張りは身を滅ぼす。ツクラーも過剰な機能はノーサンキューだ。
 例えるなら、食べ切れないほどのまずい料理を「どうぞどうぞ」とお腹痛くなっても出し続けられてるようなもの。
 しっかりしたコンセプトを持って「美味しくて腹八分ぐらいの料理」を出すことを心がけて欲しい。

 その上で、勝手に帰りにソフトクリームを買って食べる、みたいなことは禁止しなければいいのだ。
 つまり「シンプルに、とはいえ拡張性は忘れずに」ってこと。

音について

 戦闘背景画像が1枚大きくて500KB(デカイ)ぐらいに対して、音は1曲3MB(バカデカイ)ぐらい当たり前と、やたら容量食う上に ogg と m4a の2種類のファイル(つまり倍の6MB)を用意しなきゃいけないのは、技術的なことは置いておいて、ちょっとありえない選択だ。
 技術的にはSafariがoggを再生しないせいなので、如何ともしがたい面はある。
 2種類のフォーマットが必要なら、最低限データコンバータをつけるのが義務だと思うのだが、それもない。
 絵と違って音のコンバートは完全再現できないでノイズが乗ったりしがちなのも難点。
 さらに音素材の規約でコンバートできなかったりすることもある。
 これはMVのレビューなので、特に救いにはならないが……素晴らしいことに、如何ともしがたいものを技術で押し切ったらしく、MZではoggのみで良くなった模様。

 だが、そんな大容量を使っても絶対必要、というほどに音が大事だと思ってるなら、なにあの初期の音量の大きさ。
 まさかあんなデカイ音が鳴るとは……。若干トラウマ気味だ。
 せっかく容量を費やしたんだから、もっと丁寧にVIP扱いしてしかるべきだと思うのに、なんとも雑な音の扱い。

 ちなみに動画を再生する場合も webm と mp4 を用意しないといけないが、こちらはほとんど使う人がいないので、さほど問題になっていない。
 ターゲットにしているゲームとムービーの組み合わせが合わないし、下手するとムービーの制作のほうがゲーム本体よりコストかかったりする。
 こう考えると動画再生機能自体が不要では? という気はする。

 細かいことだけど、イベントコマンドではBGMやMEなんかの曲は「演奏」と表記して、BGSやSEなんかの効果音は「再生」と書くべきじゃないかな。あるいは両方「再生」か。

音楽について

 せっかくゲームなんだから状況で音楽が変化(インタラクティブミュージック)しないと意味ないだろ、という思いはずっと前からある。
 MVの場合は出来合いのBGMをそのまま流す形式しかなく、残念。
 容量とは別の問題としても、リアルタイムに生成するタイプの音楽機能は欲しかった。

効果音について

 ちょっと癖がありすぎて使いづらいものが多すぎる。
 コマンドの選択と決定の音からして、癖ありすぎでキツい。音量もデカいので余計キツい。
 HyperCardの'boing'みたいに、癖は強いが使い勝手のいいやつはいいんだが。

 基本的に使いやすい効果音は非常に地味だ。
 MVでは'Crossbow'が抜群に使い勝手がいい、MVは音量だけでなく音程(ピッチ)の変更が可能なので、足音から打撃音まで幅広く使える。
 このレベルで使い勝手がよくて使用シーンが被らない効果音があとふたつぐらいあれば、それで十分なぐらいだ。

 基本的には餅は餅屋で、あまり手を広げるのは無駄に労力を使った挙句にアニメーションツールみたいな酷いものつけることになっちゃうので避けてほしい。
 だが先ほどのコンバータとともに録音ツールはつけて欲しかったとは思う。
 自分が出した音や声がボタン押すと再生されるというのは単純に楽しいのだ。

イベントコマンドについて

 実行内容で使われるイベントコマンドについては割と語れると思うのだが、逆にちょっと語れすぎて本が書けてしまう勢いなので、軽くいくつか書いておくにとどめる。

エディタについて全体的に

 Lego MindstormsScratchといった優れたビジュアルプログラミング環境はいくつもあるのに、なんも参考にしてない!!
 他にもゲームコンストラクションツールメイドイン俺スーパーマリオメーカー、サンドボックスのマインクラフトテラリアそういうゲームと開発ツールの中間のソフトと同じ土俵にいる自覚に欠けてる。
 RPGツクールはその先頭を走っていたはずなのに、今や周回遅れもいいところで5週ぐらい遅れてる感じだ。

 同時にUnityとは別の土俵じゃないかなー、あんまりそっちに行かない方がいいと思うなー、と思ったりもする。
 あくまでも趣味で作って楽しむこと(ホビーユース)がメインの開発環境であり、商品を作るため(ビジネスユース)の開発環境ではないことを忘れないで欲しい。

 ただそのー、RPGツクールMV Trinityでログインボーナスで素材などが追加される仕組み、上記のホビー系のソフトを参考にしたのではないかという気がする。
 溢れかえるバグを置いておいてもダダ滑りしていたので、ツクール開発部、根本的に人を楽しませることが得意でないという気はしている。

コマンドの分類

 まず実行内容でコマンドを入力しようとすると、コマンド分類タブが[1][2][3]なのがずっこける。
 これではラベルがなくても機能は変わらないだろう、ラベルがラベルの役を果たしてない。
 なにもウィンドウ面積を全部埋めるようにキッチリとボタンを詰め込む必要はないのだ。
 タブを6つぐらいに分けてしまえば適切に分類できるだろう。

 さらにタブの中も区切られてラベル分けしてある。
 これはちゃんと意味のある文字でラベルが書かれてある……のだが分類が適切とは思えないのだ。
 例えば[戦闘の処理]がバトルのカテゴリに入ってないの、トラップ過ぎる。
 コアプログラム的視点から見ると分かるんだけど、ツクラーにその視点を期待するのは間違い。

[隊列メンバー]について

 全体的にドラクエのようなゾロゾロキャラが歩くタイプのシステムを想定してない箇所が目につく。

 [移動ルートの指定]などで[隊列メンバー]を指定できない。
 なのでいちいち[隊列メンバー]を消して、同じ歩行キャラ画像の[イベント]を用意しなければいけなくて、非常に面倒くさい。
 それだけでなく、隊列メンバーを追加したときに出現位置を指定できないので、[イベント]から[隊列メンバー]に入れ替えたときに居場所が飛ぶ。
 そこでキャラ飛びを防ぐために、何かやるたびに[隊列メンバーの集合]コマンドを実行する必要があり、面倒だし不自然。

 これに対しては TF_CharEx.js というプラグインを作って対応しました!
 [隊列メンバー]にも移動ルートの設定(と同様の指定)ができるし、プレイヤーからの相対位置の設定もできるんで、(ゲーム的な意味での)イベントと移動シーンのつながりをスムースにできます!

キャラ・イベント

 イベントコマンドでキャラの[画像の変更]するときに、キャラの向きとパターンまで選択できないの納得いかない。
 向きは後で変えられはするものの面倒。
 パターンに至っては、スクリプトでも使わない限り変える手段がないのはキツイ。

 おそらくそのせいで宝箱や扉などのキャラパターンが同じものが3つ並んでいるんだと思う。
 初心者は同じパターンが3つ並ぶ意味がわからないし、なんなら僕も憶測でしかわからない。
 同じ画像を並べるより、パターン指定できるコマンドを作った方が良いし楽な気がするんだが。

 これも TF_CharEx.js プラグインで解消できます!

メッセージ

 行間がめちゃめちゃ近くて読みづらい!
 どうもデザイナーは絵を描くだけしかしてなくて、レイアウトはプログラマがやってるっぽい。
 プログラマにレイアウトやらせたらダメ。とにかくなんでもきっちり詰め込みたがるから。
 あと深く考えずに、とりあえずセンタリングするから。
 つまりエディタのレイアウトはプログラマがやってると容易に想像できる。

 ないよりマシだけどプレビューの作りはイマイチだ。
 ゲーム中に表示される状態そのままで入力できて然るべき。
 せめてプレビューの状態で入力できるようにして欲しい。

 コンテクストメニューから開ける[アイコンセットビューア]は、表示ボタンもなくメインメニューにもないので気づきづらい機能だ。
 その他、下図のツールチップのヘルプに表示される制御文字も同様の入力補助が必要だったろう。
 他の部分では隠蔽しようと躍起になっているのに、いきなりプログラムが剥き出しになってる感じだ。
 ビジュアル入力を基本として、制御文字入力へも切り替えできます、というのがツールの方向性としては正しい。

画像
ボタンとして表示してクリックで入力できるようにして欲しかった

 またMVの発売時点でも、立ち絵として扱えるような大きな画像への対応と、名前を表示する機能の定型化は必要な機能だったとは思う。
 これらメッセージ機能は、かなりMZで改善されているらしい。

 各言語用の台詞文(リソース)が別になってるものだと思ってたのだが、メッセージはがっつりマップデータに埋め込まれていて、ローカライズが大変面倒臭いことになっている。

 なお、これらの問題をいくらか解消するプラグインとしては TF_VectorWindow.js を作りました。

プラグインコマンド

 プラグインにコマンド形式で指示を出せる機能だ。
 このプラグインコマンドの作り方は以前プラグインコマンドについて調べてみたで書いた。
 今から書くのはツクラーが使う場合の話だが…

操作可能面積は全画面でたったこれだけになってしまう!

 あまりにシンプルで不安にならないのかこれ。なんか開発の足しになる機能つけようという発想はなかったのか。
 その追加すべき機能の筆頭は、この時コンテクストメニューから選択できるヘルプだ。
 にしてもツクール開発部は、安直にダイアログを出しすぎる。

ヘルプを開くとコマンド入力できなくなるのは嫌な制限だ

 プラグインにヘルプがあるなら、もう一歩踏み込んでコマンドの雛形(コードスニペット)が出るようにして欲しかった。
 ヘルプからコピペはできるだが、今時の開発環境としては文字を打ち込むとインクリメンタルサーチしてコマンド候補出すまでやって欲しい。
 ツクラーから必死に隠蔽しようとしている「プログラム」の方がよほど親切なのはどうかと思う。

ヘルプはプラグインコマンド入力欄と一緒に開くべき

 もうひとつ言うなら、プラグインにコマンドのフォーマットを記述しておけば、ヘルプと並んで入力用のGUIが出てきて欲しい。
 ほぼ、プラグインパラメータの入力欄の使い回しでできるはずだ。
 噂では、このへんもMZでは改善されるらしい。

スイッチと変数

 スイッチの管理ダイアログはそれ単体で呼び出す方法が用意されてない(よね)。
 いちいちどっかのスイッチ入力ボタンを使わないと呼び出せない。
 メインメニューに[スイッチの管理]とかあって呼び出せた方がいい。
 変数も同様だ。

 なお、スイッチという名前はフラグの方が良かったと思う。
 これはゲーム用語としてフラグという言葉は良く使われているので、それと衝突して良くないと考える人もいるかもしれないがさにあらず。
 このスイッチという仕組みはまさにそのゲーム用語(かつプログラム用語)で使われるフラグそのものなのだ、なぜ同じものに別の名前をつける必要があるのか、ちょっと僕には分からない。
 変数はそのまま変数って名前使ってるのに。

 また、スイッチと変数は例によって数字で管理されているので、順番を変える(数字を変える)ことができない。スイッチや変数の数が10個ぐらいを超えたあたりから、かなり厳しい状況になる。
「スイッチを5000個設定可能!」とか言ってるが、そんな数、順番変えて整理できないのに、人間が管理できるわけない! 別に表計算ソフト(スプレッドシート)とかでスイッチと変数管理用のファイル作っておくのは必須だ。

 なので、名前で変数とスイッチを指定できるプラグイン作りました。TF_Condition.js です。
 名前で変数を指定できるので、後から順番を変更しても問題ない。
 全て TF_Condition.js を通して名前で操作していたらだけど。

スクリプト

 JavaScriptを直接書けるギーク専用コマンド、ある意味ツクールの敗北宣言でもある。
 でも用意してくれてありがとう。僕はギークです。
 12行まで入力できるが、これは制限ゆるすぎで、かなり立派な関数が書けてしまう。
 プログラム補助機能もないただのテキスト入力欄にそんな量を書かせるのは、親切ではなく虐待に近い。

 あと、return で値を返せば適当な変数に値が代入される仕様がよかった。
 今の仕様だと、値を返すのに次のようなコードを書く必要があり、冗長だし、ツクラーがこれを自力で発見するの無理でしょ。

$gameVariables.setValue( 1, '変数 1 に返す値' );

 まぁ…returnにしたところで、ヘルプに書いたり、スクリプト入力欄に説明書いたりしないと分からないは分からないのではあるが、次のような書き方の方が圧倒的に楽だろう。

return '規定の変数に返す値';

 実行内容に表示されているスクリプトの2行目以降を選択中に[編集]を選べないのは地味にイラっとくる。
 こういう周辺部分を整備できないなら、むしろ一行制限(ワンライナー)の方が使い勝手がいい。
 なおスクリプト以外でも、複数行表示になるコマンドは同様に2行目以降[編集]を選べない。とほーっ!

移動コマンド

 ツッコミどころは多いが、とにかく以下のボタンの並びを見て欲しい。

ナンデ…ツクール、ナンデ!!

 そう、上と下の位置が逆なのだ。
「おいマーティ、ツクール開発部の住んでる星は重力の方向が逆なのか?」とかバックトゥザ・フューチャーのドクみたいな疑問もっちゃうでしょ!! これだけ上下逆を徹底していると!!!
 そもそも向き通りに矢印ボタン置いて欲しい。

移動
↖︎↑↗︎
←・→
↙︎↓↘︎

 あと移動を1タイル単位でしか指定できないので、右へ5タイル移動するだけで[右へ移動][右へ移動][右へ移動][右へ移動][右へ移動]みたいなことになってしまって、見づらいこと甚だしい。

 このへんも TF_CharEx.js で解消できます!

ゲーム中のメニューの作り

 エディタのUIが良くないので、出力されたゲーム中のUIも必然的に良くない。
 これはツクラーが被害を被るだけでなく、ツクール製のゲームのプレイヤーにも被害が及ぶので、より罪深いと言える。

無駄に深い階層

 色々と悪い部分はあるが、特に乞われるままに高機能にした弊害として、ゲーム中のメニューの階層が無駄に深いのが実に良くない。
 ツクール開発部は「やった! 1回ボタンを押すのを減らしたぞ! 1秒短縮したぞ!」って事に命捧げてる、さくまあきら先生に謝って欲しい!
 任天堂の宮本さんなんか「他社のゲームエンジンは冒頭にロゴ表示しなきゃいけなくなるから不採用」とか言っちゃうんだよ!!
 というか、まともな開発者なら「1秒待ち時間を減らし、1回操作を減らすこと」を最優先に気にしなさいよ!!!
 そんなんだからエディタでも頻出操作にショートカットキーを当てないし、事あるごとにダイアログ出すようなUI作るんだよ!!
 ほら! そこのボーッとしてるツクラー!! アンタもだよ!!! (突然の全方位攻撃)

分かりづらい選択肢カーソル

 選択カーソルの表示方法が背景の色変えなんだけど、この方法は特に2つしか選択肢がない場合に、どっちを選択しているのか分からなくなりがちだからよくない。
 はっきりわかるポインタを表示すべき。

[はい] (いいえ) だとどっちが選択してる側かわからない(括弧の形が変わってます)
>はい いいえ  としたほうがいい。

 割と大手のゲームメーカーもやりがちなミスではあるのだが、こういう基本をツクラー側に対処させないで欲しい。

 これを解消するプラグインは…僕は作ってないけど誰か作ってるので探してね(笑)

マウス・スマホでの操作について

 一応、マウスやタッチパネルに対応しているが、僕の感想としては「使い物にならない」の一歩手前、という感じ。
 スマホで操作するには各UI部品が小さすぎて、誤操作連発だ。
 これを解消する意味でも、ソフトウェアパッドは欲しかった。
 RPGアツマールに投稿するとフソトウェアパッド機能がつくんだけど、じゃあなんで標準でつかないのか謎ゾナー。

 スマホのキャンセルが2本指タップというのも摩訶不思議だ。
 スマホでは「知らなくても困らない」操作にしか使われてないと思うんだけど、なんでこれでOKだと思ったのか。
 スマホプレイの時、操作がわからずゲームに詰まるレベル。
 ちなみにマウスだと右クリックで、これは分かる。

 戦闘シーンはキーボード・パッドだと決定連打で行けるが、マウス・スマホだと[攻撃]選択後に敵を選ぶコマンドの位置がずれるので、連打で行けずかなりのストレス。
 そもそも、敵を選ぶときに敵グラフィックをタップして選べないの、直感に反することおびただしい。
 敵の名前をタップすることに気づかずゲームやめるレベル。

 タッチした場所に移動という操作のゲームがあってもいいと思う。
 ただPCとスマホで操作系が変わりすぎて、ツクラーとしては2倍(以上)の操作調整コストがかかる。
 実際、PCとスマホで[イベント]の反応が変わってしまう場面もある。
 そしてコストをかけてできあがるものは、どっちの操作も十分でないもの。とても帳尻があわない。
 僕の場合、スマホでプレイしている人には悪いが、スマホは存在しないつもりで作っている。

 なお、MZではスマホ操作については大幅な改善が見られるようだ。

サポート

 素材周り中心に、サポート体制を見る。

追加素材

 まず、登録してしばらくの間にダウンロードしないと入手できない素材がある。
 取り損ねは絶対発生するし、本当よくない。突然顧客に対して、こんなインターネットリテラシーテストする意味がわからない。
 どれがこの時入手した素材なんだか分からないんだけど、プラグインとかだったかな?

 女の子の立ち絵が大量に追加されるんだが、ボツったソシャゲのデータを放り込んだ感じで、歩行キャラがついているわけでもなく、すごい使いづらい。
 コラボのやつは、しょうがないっちゃしょうがないんだけど、データが歩行キャラのみとか、立ち絵だけとか使いづらいのばっかりで、全然嬉しくない。
 こういう、まとまりのない行き当たりばったり感のある素材提供は、困ったもの。

 追加素材で良いものもあるが導線が悪く、気づいてない人も多いのではないだろうか。
 船のタイルセットはむしろ最初からつけてないのなんで、ぐらいに有用なのに。

ダウンロードコンテンツ(DLC)

 そしてアップデートでの追加素材がダウンロードされても、どこにあるかわからない。
 例えば、追加のデータベースがどこにあるかわからず(気づかず)、余計な苦労をしたり挫折してしまったりした人も多いように思う。
 初期のデータベースの中身が少ないのは、先に書いたようにむしろ良いことだと思うのだが、追加素材が隠れキャラみたいな扱いでは、最初から大きなデータベースを置いてた方がまだよかったろう。

 Steam版の場合[素材管理]ツールを開いて[DLC]ボタンを押すと表示されるのだが、素材管理ツールが使えなさすぎて存在を忘れる。
 素材管理ツールもすごく言いたいことあるが「関連フォルダを開くだけの機能だったら、まだ使い勝手良かった」と言うに止めておこう。

 たまたま見つけて、追加されてる素材のReadmeファイル読んでも何かよくわかんなかったりする。
 それどころかReadmeファイルがそもそもなかったりもするので、素材をどう使っていいのか規約がよくわからない。
 大手出版社とは思えない著作物管理の雑さだ。
 今までのレビューでも出版部門の関与は一切感じられなかったので、ことMVに関してはKADOKAWAを大手出版社だと思わない方が良いようだ。

サンプルプロジェクト

 追加プラグインや画像・音素材は、サンプルプロジェクトからコピってくださいという雑なサポート。
 そこに入っている素材をまとめたっぽい素材集(パッケージキャラ)が別に販売されてるようで、これも意味不明。
 あと、素材利用不可のサンプルプロジェクトが一本だけ入っているのも紛らわしいから止して欲しかった。

追記
 海外版のパッケージには、サンプルプロジェクトがついてないらしく、パッケージキャラ素材を手に入れるには素材集を購入するしかルートがないらしい。
 その素材集を単純に日本でも展開しているので、追加内容がほとんどないようだ。

有料素材

 シーズンパスという商品があるようだが、なんかすでに同じ素材が手元にある。
 定期的に新作素材が届きそうな名前だが、そういうことではないらしい。
 どうにもMVはあらゆる領域で言語感覚が変だ。
 ちなみにシーズンパスを含めた本体セットをバンドル版という名前で出しているが、これも内容を想像できない。
 商品解説を読んですら商品内容がよく分からないのだからすごい。

ツクール素材マーケット(仮)は何処へ

 ロングレビュー マップタイル編で語ったように、ユーザが素材を登録できるツクール素材マーケット(仮)を開設する、とか言ってたがその気配すらないうちに、次のバージョンの開発がアナウンスされた。
 そりゃ計画が頓挫することもあるだろう。でもユーザに進捗状況や計画中止のお知らせや、そういうのあってよくない?
 これじゃ、悪質なクラウドファンディングみたいなものではないか。

制作サポートが弱い

 どこにあるか分かりづらいとか、よく止まるとか、途中でUIがウィンドウに隠れて使えなくなるとか、問題はたくさんあるが、チュートリアルそのものは割とよくできている。

 ただ、チュートリアルが終わった後の次のステップへの導線がなく、みんなどうやってあんなゲーム作ってるの?っていうのが分からず途方にくれる。
 チュートリアルやヘルプ読んでも、全然作れる気がしないんですけど……みたいな切ない気持ちになる。
 オフィシャルな解説書が出てないのもつらい。
 唯一の関連本がツクラーのインタビュー集だったりする。
 そういう本もあった方がいいんだけど、1冊しかない本がそれっていうのは開発環境として如何なものか。

 またヘルプはWebにも同じやつ置いといた方がいいのだが、公式ページにあるのは新機能紹介とかしかない。
 Webに基礎的な制作情報があると、各種サイトやブログ・SNSなどから該当箇所をリンクで指示できて超便利なのに。

Wiki

 RPGツクールMVまとめwikiというのがあって、一応これオフィシャルなWikiなんですよ。
 作って放り出したらユーザが勝手に盛り上げてくれる、てな感じの典型的な箱物施策の匂いが立ち昇ってくる。
 結果、メンテナンスぜんぜんやってなくて閑散としてるし、SEOもやってないようで検索しても全然出てこない。

 以前は週間ツクールで、現在は公式ツイッターで制作お役立ち情報を出しているが、そういうのをまとめてWikiに登録するとかできないものか。
 制作情報が一期一会ではまずいだろう。

 せっかく簡単な登録で誰でも書き込めるWikiなので僕も関連情報ちょこちょこ書いたりしたんだが「これは消耗するだけで誰も見にこない!」という雰囲気を感じて積極的にいじるのはやめた。
 他に書き換えてる人いないし! 壁に向かって話しかけてる怖い人、みたいになってるやん僕! と思って。
 自分のサイト(つまりココ鳶嶋工房です)に置いた方が検索でも上に来るんで、ちょっとやる気でない。

Mac版について

 MVって初のMac版ツクールで、僕もそれで買いました。
 でも実際はMacには対応してないのだった。Macで動くけどMacのソフトじゃないのだ。
 それは二つの意味があって、Macの中にWindows作法のアプリケーションがあるという意味と、Windows版の機能がMacでは実行できないという意味がある。

 そもそもMac用に出力したゲームをダウンロードして、プレイできたことない。
 拡張子がexeじゃなくてappなんで、Mac用なんだろうなーとは思うのだがエラーが出て動かない。
 どーしてもプレイしたい場合、中に入っているHTMLを取り出してブラウザでプレイする、などというハッカーみたいなことをするはめになる。
 いや、マジか…マジなのか……市販ソフトで出力したものが、まともに動かないってどういうこと。

 deleteキーがenterに化けてメニューに書いてあるショートカットキーが実行できない。
 なんの勘違いなのか、deleteではなくBSに割り当ててあるようで、BSキーは基本的にMacのキーボードには存在しないキーなのだ。削除操作は頻出するのに、ひどすぎる。
(豆知識1 : Mac用キーボードでfnキーがあったら、fn + delete でBSキーになる)
(豆知識2 : MacにはWindows規格のキーボードも使えて、その場合はdeleteもBSも使える)

 プロジェクトファイルをダブルクリックしても開けない。
 アプリケーションとしての基本機能が動作しないというのは、リコール対象になるのではないかというレベルにひどい。
 プロジェクトを複数開けず、データの移し替えができないのもかなり厳しい不具合だ。

 細かいが大事なこととして、Mac用のソフトなのに[OK][キャンセル]のボタンの並びなのがひどい。Macは[キャンセル][OK]なのに。
 文字を入力するフィールドの一番上の行でさらに↑キーを入力した時に行頭に行かないの地味にイラっとする。
 一番下の行で↓で行末も同様に機能してない。

 Mac版はメニューからヘルプを選択すると Open url じゃなくてOpen file してるようで、テキストエディタでHTMLが開かれてしまう。

 また、Steamを起動しないと本体が起動できないのも煩わしい(これはWindowsのSteam版も?)
 ついついSteamにダウンロードしてる他のゲームで遊んじゃうじゃん!!(そこが問題ではない)

最後に

 他にもデータの作りなど色々と取り上げる個所はあるのだが、最初に書いたようにマップとキャラまでしか使い込んでない。
 スマホ用出力に関しては、初手も初手で訳がわからなくて挫折した。
 普通のスマホ開発環境でブラウザビューを持ったアプリを作って、そこで表示した方が簡単なのでは? と思うほどだ。
 そのへん詳細なレビューは無しで、最終回も終了とする。

 あ、そうそう。紹介したプラグイン、僕のはtonbijp/RPGMakerMV: Plugins for RPG Maker MVからダウンロードできます!

 そこで結論。

基本コンセプトよし、現コンセプトぶれぶれ。素材まあまあ、UI最悪!