サンソフトがギャラクシーファイトに続き、ネオジオ参入第二弾として発表したのが、このわくわく7である。
ギャラクシーファイトで作ったキャラクターやシステムを(ポーナス君とフォントを除き)捨てちゃってるのが潔いというか勿体無いというか。
しかしながら、相変わらずビジュアルセンスがとても良い。
プレイヤーキャラクターが、なんで7人かというと「キャラマン(キャラクターを作る人)が7人しかいなかったから」という実に分かりやすい理由らしい。
そのおかげで各キャラ間の個性が際立つ結果となったようだ。また、地味なキャラクターにも、お供をつけたりして印象を強めるという念の入れようも感心する。
技の当るタイミング、当り食らいの判定、効果音、実に良く格闘ゲームを研究した結果であろう気持ちいい。また、システムには多くの要素を組み込んでいるが、非常に良く整理されており、出来がよい。他にも細かい部分まで丁寧な作りである。
ただ、これらの結果として、基本的に新しいアイディアは一切ないゲームとなっている。
キャラクターや技の対戦におけるバランスは、はっきりいってとれてない。というより最初から、ある程度以上は取らないという方向性をきちんと持って作られた風である。
というのも、どう考えても当らない技や、動きが面白いだけで役に立たない技が結構用意されているからで、これはもう「アピール用に使え」ってことである。
おかげて、非常に良くキャラが立ったゲームになっている。勝ち負け以前にキャラクターを動かすこと自体が楽しいのである。
これは、ガチガチの対戦バランス主義に一石を投じ、ゲームとは何が面白いのかを別の角度から捉え直した一作であるといえる。格闘ゲームもネオジオも第二弾ということで、色々と余裕が出てきたのが良い結果となったのであろう。
移植度としては、時々やたらと重くなる(処理落ち)ことがあるのは困ったもの。
拡張RAMが必須の割には、そんなに読み込みも速く無い(遅くも無いが)
とはいえ、オプションの項目も必要なものはきちんと揃っているし、コンピュータの難易度も手ごろという感じで、ギャラクシーファイトの移植で悪かった部分は、全て払拭されているといって良い。
レイアウトが素人っぽいところがあるものの、基本的なマニュアルの出来は良く。特種入力技まで解説してあるのは親切である。というよりそこまで書くのが当たり前で、他のゲームがあまりに傲慢な態度であると言える。基本的な技を調べるのは発見の面白さなど無く、単なる作業であるからだ。
全体的に格闘ゲーム初心者向けの作りであるが、十分に複雑なシステムまで網羅しているし、なにより楽しく気持ちよく分かりやすいので、格闘ゲームをはじめるのに最適なゲームと言える。
ちなみに、オープニングのわくわくカレンダーは季節によって絵が変わるので、時々何となく立ち上げてしまうゲームである。
そこで結論。
「楽しい対戦ゲームを再定義する快作」
2000-02-04