トゥームレイダー4 ラストレベレーション

対応機種・周辺機器
ドリームキャスト
ジャンル
アクションアドベンチャー
著作・制作
(c)CORE DESIGN | EIDOS 1999-2000 | CAPCOM

 3D空間を縦横無尽にアクションする、ララ・クロフトの冒険。
 今回は基本に立ち返って遺跡探索、舞台はエジプト。

 基本的な良い部分悪い部分は、ともにシリーズから引き継いでいる。
 例えば、律儀にララの首が回る範囲しか見回すことができない。これはひどいストレスの原因になる、360度見回せるようにしてほしい。
 インタフェース関連では、アイテムがかなり増えたにもかかわらず、メニューでは左右の一次元方向でしか選択できない。なぜアイテムを二次元的に配置して選択できるようにしないのか疑問。
 ちなみに、武器の種類は無駄に多い気がする。似たような役割の武器が幾つもあるのだ。

 もともとアクションの豊富なシリーズだが、本作ではしゃがんで這い回ったり、ダッシュしたり、ロープにつかまったり、さらに多彩なアクションが楽しめる。
 これらのアクションがスムースに行えるように、いい感じにボタンも割り振ってあり、操作は快適。
 ただ、3Dアクションでアナログ操作を移動に使えないのは今時辛い。PCが展開の中心となっているシリーズなのでしょうがない面もあるが。
 また、欧米人の感覚なのか、方向キー左右の割り当てに疑問があるのも相変わらず。特に本作ではロープにぶら下がった時の左右の回転が、感覚と逆で違和感がある。

 さて、グラフィックはプラットフォームがDCになったこともあって、サターンやPSに比べて断然見やすく美しい。
 コンシューママシンが、このゲームシステムに必要な解像度をやっと手に入れたと言えるだろう。
 ただ、2のレビューで指摘した画面の暗さは、遺跡の雰囲気は出るとは言え、見にくい印象が先に立つ。画面の明るさの設定が欲しかったところ。

 舞台がエジプトなもんだから、とにかくひたすら画面が茶色で変化に乏しい。もちろん、列車の上や町中など舞台を変えて、プレイヤーが退屈しないように工夫されているが、茶色なのには変わりがない。

 いつでもセーブが可能であるのに加え、ステージ間を移動する時に体力が満タンになる仕様が追加され、ますますプレイが荒くなってしまった。特にステージの境付近ではダメージを度外視して敵に突っ込んでしまう。
 謎は、基本的にさほど難しいものではない。ただし、幾つものステージを行き来して謎をクリアするようになっていて、とにかくマップが広い。結果的に難易度はかなり高いものとなっている。
 怪しげな仕掛けを見つけても、その謎を解く必要が出てきた時には、完全に失念している。3Dなので正確なマップは描けないものの、メモは必須と言えるだろう。
 しかし、弾薬やメディパック(回復アイテム)は、かなり余る。つまり、戦闘はぬるま湯難度で、日本向けの難易度調整に失敗していると言える。

 難易度と言えば、このシリーズは、しょっぱなからかなり高いレベルのアクションが要求されるのだが、後半はアイテムが十分あることやアクションに慣れていることもあって、楽になる傾向にある。これも、シリーズを通して改善してほしい部分である。

 ストーリーは、相変わらずたいしたもんではないが、今回は敵役がハッキリしているので、なかなかの盛り上がりを見せた。
 ララ・クロフトファン的には、16歳のまだ幼さの残るララがレクチャーステージでプレイできるのもポイント高い。

 ゲーム界最高峰の3Dマップデザインを誇る本シリーズだが、本作は一部に透明の壁(見た目進めるのにどうしても進めない部分)が露骨に存在したのが非常に残念。
 ちょっと大胆すぎるショートカットもあるし、マップが広くなった分多少マップデザインに荒さも見える。
 他に、タイトルデモで流れるマップやアクションなどが、本編に全く登場しないのが謎。プレイヤーを混乱させるので、こういうことはしないでほしい。
 また、今回の最も大きな改悪と言えるのが、クリアしたルートの再チャレンジができないこと。一度シークレットをとり損ねたまま進めると、もう取り返しがつかない。コンプリートする気、完全消失。

 なんだかボロクソに言ってる感じもするが、ゲームはグラフィック・音楽・謎解き・アクション、全てにおいて一級品であることは保証できる。

 そこで結論。

「面白いんだけど、そろそろ明らかな問題点は改善してほしい」


2003-09-11