ジャンルとしては戦略シミュレーションになるが、工画堂が言うには「シナリオ シミュレーション」だそうである。
ようするにイベントとイベントの間にシミュレーション部分があるというわけ。
ルール的にはゾックが非常に厳しく、敵に接触するとどちらかが倒れるまで離れることが出来ないし、中立国のまわり8マスは通れないなど見た目以上にマップが狭く感じる。
ただ、「亜空間移動」(ようするにワープ)を使用することによって、惑星までは一挙に移動出来てしまうので、惑星さえ確保してしまえば補給線が伸びようと平気だし、惑星が孤立することはない。逆に言えば敵の背後を衝く作戦が非常に有効であるとも言える。
シナリオ重視であるためなのだろうが、マップも少なく、戦略・戦術の自由度が少ない。
どちらかといえば「シミュレーションなんて...」と思っている、シミュレーション嫌いの人や、シミュレーションが下手な人向けのゲームと言える。
このあたりの作品ぐらいからPC-ENGINEは声優がウリの一つになってきているみたいで、マニュアルにしっかりキャストが書いてあったりする。
また、ビジュアルシーンは「工画堂」を名乗るだけあってなかなかのもので、特にメカニックのデザインや、その演出は現在の工画堂につながるものがある(もともと工画堂はSFメカニックが好きな会社ではある)
シナリオはもうひとつ盛り上がらず、少々プレイヤーを置き去りにした強引さで進行し、何となく終わってしまう。この辺はちょっといただけない。
シュバルツシルト等という非常にSF臭いタイトルだが、SF考証は適当なもで、バロックスペースオペラである。ここは、良い悪いというより、好みだろう。
そこで結論。
「お手軽なシミュレーション、まずまずの出来」
1998-02-16 1998-06-16