シャイニングシリーズは、一作目のシャイニング&ザ・ダクネスは3Dロールプレイングゲームだったのが、以後シミュレーションロールプレイングゲームとしてブレイクし数作を出す。
そして、サターン参入一作目のシャイニング・ウィズダムはアクションロールプレイングゲームであった。
というわけで、本作はひさしぶりのシャイニング&ザ・ダクネスの直系の新作となる3Dロールプレイングゲームであり、ソニックの単一レーベルによる初の作品である(たしか)。
シリーズでお馴染みのアイコンベースの洗練されたインタフェースや、魔法などが継承されていて、シリーズをプレイしている場合はすんなり入っていけるだろう。
マップのデータ構造が、基本的に第一作と同じ升目状のもので、進歩が無い。
トゥームレイダーのように直線的で無い構造のマップが採用されている時期に、ちょっと辛いものがある。
技術力が無いのかと言えば、そういうわけでは無く、データの読み込みや展開の速さ、ポリゴンの使い方、どれをとってもなかなかにプログラムレベルが高い。
ただ問題は、「凄い技術が凄く見えない」ということで、レンダリングCGによるキャラクターも今一つあか抜けないし、マップのテクスチャーもどうにもダサい。
ストーリーとしては、特筆すべきことは無いが、テキストがちょっと良く無い。説明的な台詞が多すぎるので、雰囲気ぶちこわしと言っても言い過ぎでは無いだろう。
特に導入部の出来のまずさは致命的である。
強力な攻撃魔法は集団に効果があるものしか無いのだが、困ったことに敵はほとんどの場合1体、多くて3体が普通で、滅多にそれ以上の数が一度に出現することが無い。逆に戦士系の直接攻撃はMPも消費しない上に一体あたりの攻撃力が高いので、結果、直接攻撃ばかりの戦闘となってしまう。
単体攻撃の強力な魔法を用意すべきだった。
戦闘直前に敵が出現した方向に合わせて妖精を飛ばすと、先制ダメージや金や経験値の増加などの特典があるというシステムがあり、全システム中そこだけリアルタイム性がある。
適当な緊張感を与えてくれて、悪く無いシステムではあるのだが、操作体系からも浮いていて妖精の選択はスムーズで無いし、おまけの雰囲気バリバリである。
グラフィックも何故かドット打ちのものだし、もう少し他のシステムとの擦り合わせが必要だった。
全体的なシステムが一昔前であるので、分かりやすい面もあるが、古いシステムに新しい皮(ポリゴンとレンダリングCG)をかぶせたところで終わってしまった点は残念である。
ダンジョンが一ケ所では無いので、ゲーム全体として変化を出せたのは良かったと思うし、展開もテンポがよく、操作系にもストレスとなる部分が無いのは良く遊びやすい。
そこで結論。
「チグハグな印象があり、凡作止まり」
2000-02-26