Z.O.E -ZONE OF THE ENDERS-
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基本情報
コナミメタルギアソリッドの小島秀夫プロデュースによるプレイステーション2初作品かつロボットものということで、かなり注目を集めた作品である。
PS2版にはメタルギアソリッド2の体験版が同梱されていて、メタルギアシリーズの外伝みたいなやつなの? みたいな雰囲気もあるし、もしかしてグラディウスシリーズの同じ世界? とか思わせたりもしたが、ふたを開けて見ると特にそんなことはなかった。
ほぼ同時期にアニメ作品としてOVAおよびテレビシリーズが作られ、メディアミックス展開を行っており、当時のコナミの力の入れ具合が見て取れる。
システム
画面に自機が表示される3Dシューティングゲームということで、ざっくり言うとTPSに分類されるものだ。
ただ、左アナログスティックで水平面の移動を行って、スティックを離すと向いている方向にカメラが動く、常に浮いていて△と×ボタンで上下移動ができる、という操作系なので、移動感は独特なものがある。
右スティックで視点(照準)を動かすこともできるが、視点移動は遅く、戦闘中はあまり役に立たない。
戦闘中は、ロックオン対象を切り替えることで、視点変更を行うことになる。
とはいえ、公式のジャンルでは「ロボットアニメ・シミュレータ」を謳っているので、あまりTPS的な視点で見てもしょうがないだろう。
ダッシュや、ガード、通常・サブ武器およびの遠距離攻撃が用意され、近距離では斬りと掴みからの投げ、さらにダッシュ攻撃と多彩な攻防の手段が用意されており、サブ武器は10種程の中から選べる。
アクションの動きやエフェクトも良くできており、近距離でのハイスピードなアクションは気持ちいい。
4〜8時間程度でクリアできるボリュームかと思うのだが、ちょっとその時間では全武器の特性を掴むどころか、基本システムを把握するのも難しい。
過剰に要素を盛り込んでしまっている感は否めず、結局何をしたい(させたい)ゲームなのかボンヤリしてしまっている。
クリアまでのプレイ時間が短いのは構わないが、それに見合ったシステムの量にして欲しいところだ。
繰り返しプレイするタイプにしては4時間は逆に長過ぎる。
グラフィック
気になるロボットのデザインだが、これはメタルギアソリッドシリーズと同じ新川洋司が担当しており、かなりカッコいい。
スクウェアクルーズチェイサー ブラスティー(ホビージャパン版)を思わせる足先の処理もスタイリッシュ。
木星付近の宇宙コロニーが舞台なのだが、とにかく背景が暗い、自分がどこに向かって進んでんだか分からなくなる。
背景が暗くて情報量が少ないから、酔いにくいという利点はあるが、戦闘モードだけ背景の輝度を落とすとか、そういう工夫はできなかったものか。
テクスチャもいろいろ用意してあるみたいだが、暗いので大して背景に変化があるように思えず、単調さに耐えられず、一度はプレイ数時間で投げ出してしまった。
特に全体の移動シーンがほとんど真っ黒な背景にマーカーがぽつぽつ置いてあるだけで、ナムコスターラスターかタイトーミッドナイトランディングが始まったかと思うほどの地味さだ。
スターラスターやミッドナイトランディングは傑作だけどね。
折角キャラクタデザインに機動新世紀ガンダムXの西村誠芳を迎えたのに、ムービーシーンではセル調ではなく3D表現されていて、キャラの魅力半減。
そもそも、メカニックとキャラクタの世界観がズレてる印象が強く、発注を間違えてしまった感がある。
コックピットに女子と二人きりのシチュエーションが長いのに、女の子の絵は出てこず、ひたすらコックピットの計器を見せながらの音声によるイベントシーンが続くのは、一体何をやりたいのか。
本当に女子が乗ってるのかどうか不安になるが、会話コマンドもなく寂しいことこの上ない。
ロボットにはADA(エイダ)という女声のAIが搭載されているのは、SPTレイズナーのレイみたいでステキだが、2001年当時としてもホログラムの妖精的な容姿があっても良かったんではないか。
その他、通信相手の顔も出ず、とにかく地味だ。いっそ人間なんか出さなきゃ良かったのに!!
その他
システムは凝ってるけど、バランス調整らしいことをあんまりやってない雰囲気。
例えば、敵を倒してレベルアップするシステムも、敵を捜すのが面倒だったりしてさほど楽しくなく、後付け感の溢れるバランスとなっている。
戦闘区域の端がモロに見えない壁なのも、ガッカリ感が高い、折角コロニーという人工物の中なんだから、レーザー壁みたいなもんつけといたっていいのに。
ゲーム界のガンダムになってやろうという位の意気込みの設定がありそうだけど、実際のゲームに出てきたストーリーは、コロニー内だけという舞台の狭さ、登場人物の少なさと厚みのなさで、残念なでき。
なおクリア後に追加される対戦モードは、オマケにしては良くできているので、対戦モードを中心にして、セガバーチャロンのようなゲームにする企画だったのかも。
そこで結論。
テスト版を売っちゃいました、という印象