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リアルタイムシミュレーションと格闘アクションの融合「真・三國無双」の第二弾。
より爽快感アップしたアクションと、キャラやシナリオの豊富なバリエーションで、大幅パワーアップ。
さらに後から発売された「真・三國無双2 猛将伝」によって、魏呉蜀の三国以外の武将のシナリオが追加され、より充実した世界を構築した。
システムはほぼ同じなので、今回は2本をまとめてレビューする。
続編というからには、全面的に作り直してあるのだが、基本は前作と全く一緒。
前作の不備を地味に修正していって、完成度を高めたのが本作。ざっと改良点を列挙。
そんな感じで、前作でイマイチだった部分が、ことごとく改良されている。
なかなか、ここまで着実に改良して次回作を投入する、というのはできるものではない。
要約すると、画像・音声ともに豪華になり、作戦を立てやすくなり、プレイヤー武将の超人度とともに爽快感が増し、ボリュームが増えた。
という、お手本のような充実っぷりと言える。
更に「猛将伝」では、護衛兵の成長や装備などカスタマイズが可能になり、それぞれの兵に名前もついた。護衛兵と一緒に戦っている感アップ。
他もこまごまとした追加・改良が行われている。
これらの改良点は、「真・三國無双2 猛将伝」のディスクがあれば、「真・三國無双2」のシナリオにも適用できる。
上記の改良点を見ると弓兵が与し易くなったように思えるが、実は攻撃力が半端無い。
前作では「うるさい、邪魔」といった印象だった矢が、本作では完全に「怖い」というレベルになっている。
弓兵に対処できるようになったのではあるが、キッチリ対処していかないと、あっという間に射殺されるのだ。
ゲーム中に弓をひたすら意識するバランスは、良い悪いと言うより、独特な緊張感のある雰囲気を作り出している。
あと、呂布が尋常じゃなく強い。完全にガンダムレベル。
ムービーで「りょ…呂布だー!!」みたいなものが挿入され、より呂布怖いを演出してある。
このキャラの立ちっぷりは、ゲームの香辛料として良く作用している。
シナリオは、キャラが増えたこともあって、かなり好き勝手(褒め言葉)に作ってあって、楽しめる。
特に、早く死んだキャラやあまり史実として残ってないキャラは、後半にオールスター的展開が用意してあって盛り上がる。
主要キャラだと後半は有名武将も死んでしまっていて、けっこう寂しい状態にゲーム的にはなってしまう嫌いがある。
馬上の攻撃力が弱くなって、ほとんど単なる移動手段となってしまった。
また、馬に乗ったままアイテムが取れないので、乗ったり降りたりが面倒。
そもそも、馬の乗り降りがスムースでなく、特に馬に乗る際に乗れる位置が不明確なので、ピョンピョンと迂闊なジャンプを繰り返してしまう。
と、馬に関しては、かなり改良の余地がある。
各モードからメニューに戻るのが、[セレクト+スタート]というのが意味不明。
敵の体力ゲージ表示は、ボタンで切り替えるほど頻繁にやる必要のある操作だろうか?メニュー内でいいような…。個人的には出しっぱなしでプレイしている。
敵が沢山出てくると、一部の敵が表示されなくなり、透明人間に攻撃を受ける状態になってしまう。
あと、シツコイが、ガードはL2の方が良いと思う。
前作よりステージが増えたとはいえ、同じステージを繰り返す率は高く、キャラが増えてもやる事一緒で、不毛感がある。
これだけキャラが増えると、そろそろシナリオはキャラ毎ではなく国毎で作った方がいいのではないだろうか。
特に難易度「普通」までは、コンボがつながりすぎて、空中に浮いた敵をお手玉するゲームになっちゃってる。
これは「猛将伝」でコンボ評価が付く事で、多少改善されているが、根本的な改善ではない。
拠点の向こうには透明な壁が存在していて、プレイヤーは拠点の先へ行けないのだが、その向こう側に敵を吹っ飛ばして倒すと、出現したアイテムを回収できない。
これは、特にゲームが面白くなるルールでもないので、透明な壁は敵にも適用して欲しいところだ。
コーエーは昔から「パワーアップキット」などと言って、本編に追加するような形の商品を出す。
「真・三國無双」の場合は「猛将伝」がそれにあたる。
「似たような商品で、料金二重取りしやがって」という批判も有るが、同じシステムを使ってバリエーションを作るのは、純粋にファンとしては嬉しいし、そこまではいらないというプレイヤーは「追加分は買わない」という選択が可能な訳で、最初から2本分の値段で出されるより、ずっと良心的かと思う。
経営的にも、開発のコストおよび売れ行きが見積もりやすく、次回作に向けての細かな改良もできるなど、良い面が多い。
ただ、これが度を過ぎると、ファンからの集金システムと化してしまい、シリーズの衰退を招くので、ほどほどにして欲しいところだ。
そこで結論。
「2作目にして、ほとんど完成形となった傑作。ひたすら遊べ!」
2012-09-20