広井王子率いるREDカンパニーがSEGAと組んだ、恋愛あり、メカ戦あり、超能力あり魔術あり、モンスターだって登場と、とにかくテンコ盛りでお送りするドラマチックアドベンチャー、サターンに登場。
まず、藤島康介氏(代表作「ああっ女神様」など)に戦隊ものの女の子キャラ・コスチュームデザインを発注した時点で、「半分勝ったも同然」である。
舞台が大正の東京(風)ってところも、いいとこ狙ったって感じだ。
光武というロボットのデザインはなかなかよく、3DCGのモデルも良くできている。しかし、キャラクターはセル風であるので。違和感バリバリである。
かなり金もかかったと思うし、それ自体のデキもいいのだが、3DCGは無い方がよかったろう。実際あまり話題になってないし、評価もされてないようだし。
音楽は田中公平氏(代表作「勇者王ガオガイガー」など)が担当しており、個人的に無条件に良し。
オープニングなんか、ダサかっこよくて、物凄く耳に残る。
シナリオは、まぁ2流だ、あかほりさとるだし。ただ、ゲームのシナリオのほとんどは3流4流なので、相対的には1流といってもいいかもしれない。なんだかんだいってもプロの作家だし、「お約束」を外さないサービス精神は偉い。
アドベンチャーパートでは、非常に丁寧に台詞と字幕と口パクを合わせてある。これは驚異的といってもいい。他にも、各話、壁紙やアイキャッチにあたるグラフィックが異なったり、キャラクターの表情も多く用意されていたり、丁寧な仕事がなされている。
また、ゲーム的にはLIPSというシステムが導入されている。
これは、クイズゲームではお馴染みの、選択肢を選ぶ場合に時間制限があるシステムである。だらだらしがちなアドベンチャーゲームに、それなりの緊張感を与える役に立っている。
また、探索回数に限りがあることが多いので、LIPSと相まって、ストーリーが、だーっと流れていく。引っ掛かる部分は全くない。
一話の構成は、ドラマがあり、戦闘があり、エピローグがあって、次回予告もある。全体もほぼ1クール分という物凄くTVアニメを意識した構成である。
この構成は非常に分かりやすく、ゲーム全体にいいテンポをつくり出している。
戦闘パートはシミュレーション風にできているが、これがバカ簡単で、戦術も何もあったもんではない。タクティカルゲームを期待してはいけない。
ほとんど、意中の女の子を庇いまくって評価をあげるために存在しているといっても過言では無い。
とにかく、ゲームをクリアするのに直接関係のない部分に力を注いであり、むしろそこがメインと言ってもいいかもしれない。
要は、キャラクターグッズ的な作りなわけである。SEGAはどうも「魔法騎士レイアース」で、このあたりのコツを掴んだっぽい。
ゲーム機用のソフトだからといっても、ゲームである必要も無いのであるから、このような方向性もアリだろう。
そこで結論。
「悪いゲームだが、良くできたソフトである」
2001-01-04