CLAMPのマンガを原作にした人気テレビアニメが、アクションRPGとしてサターンに登場。
流石はセガがスポンサーをやっているアニメのゲーム化、声優陣はそのまま、作画も歌もそのまま、ゴーカな出来映えの一本となっている。
3人の現代の女子中学生が魔法世界にとばされて、伝説の騎士として世界を救うという、どうしようもないストーリー。
主人公の3人は熱血・高飛車・知的(メガネ)というコテコテで、敵のキャラ作りも恐ろしい程コテコテ。さらには、剣と魔法のついでに、ロボットまでつけちゃおうという、実に何と言うかいやらしい作りである。
このどうしようもないところを、テレずに真正面からやっちゃうところがCLAMPの偉いところだ。
アクションロールプレイングとしては、ダッシュ切りもジャンプ切りも無いと言うシンプルさで、敵も弱く、パズルも簡単で、MPは止まっていると回復し、3人のHPが0になってもゲームオーバーにもならないというぬるま湯ぶりである。
とにかく、これでもかとヒントが出され、主人公達が書く絵日記を読めばこれから何をするべきなのかすぐ分ると言う親切ぶり。ゲームが苦手な原作ファンが、ちゃんとクリアできる程度の難易度と言える。
とにかく、処理落ちも顧みず高解像度でグラフィックを描いているのが素晴らしい。会話の時の、キャラのバストアップのグラフィックの種類やクオリティは尋常じゃない。
強制イベントが多く、しかも長いのはゲームとしてみると必ずしも褒められたものでは無いが、原作ものとしては正しい選択と言えるだろう。
その他細かいところでも、原作付きのゲームで、どこに力を入れなければいけないのか、制作者が良く分かっている。
アクション部分やパズルは弱いが、クリアに関係のない集めることが目的のアイテムが用意されていて、これを全収集するのは、かなり困難になっているので、ゲームおたくも楽しめるようになっている。
日記がかなりこまめに記録されるので、ストーリーを進める求心力となっていて、キャラクターをたてる役にもたっているのも、このゲームの新アイディアと言う訳では無いが、大きな成功をおさめている。
ただ、けっこうバグがあり。いきなり停止したり、キャラクターの重ね合わせ処理が狂ったりする。
住人がこまめなセーブを勧めるのは、自虐ギャグなのかもしれない。
それと、画面端に見えない壁があって進めなくなっている部分が多いのは良く無い。きちんとマップ上のグラフィックで進めない理由を作ってやるべき。
そこで結論。
「原作を上手く消化した良作」
1999-09-24