ガーディアンヒーローズ

対応機種・周辺機器
Saturn マルチターミナル対応
ジャンル
格闘ロールプレイングゲーム
著作・制作
(C)SEGA トレジャー 1996

 ガンスターヒーローズのキャラクターと幽遊白書-魔強統一戦-の多人数バトルが合体したトレジャーファン待望のゲーム。
 横スクロール格闘と対戦格闘が用意されていて、一本で二度美味しい。さらにRPGの要素とファンタジーの風味で、楽しさ抜群。

 移動ボタンで画面横方向に引かれた3つのラインを移動するようになっており、基本的には一次元+ジャンプとなっているので、操作や当たり判定が判りやすくなっている(ようするに多くの対戦格闘と同じ)
 必殺技は比較的簡単にだせるので、2D対戦格闘初心者でもガンガン必殺技を使えるだろう。
 また、魔法はコマンド入力とメニュー選択方式と用意されているが、テンポが悪くなるので、コマンド入力のみで良かったと思う。そこまでアクションが苦手な人のことを考えてやる必要は無いだろうに。
 逆にアンデッドヒーローへの命令はそう頻繁にやるものでもないので、ポーズをかけた後に選択できるようにした方が良かった。

 大量に大きなキャラクターが出るわりにはパターンが多く、後で述べる対戦モードで雑魚や通行人も含め全てのキャラクターが使えるだけあって、どのキャラも良く動く。
 またプレイヤーキャラクターの性格付けが上手く、非常に魅力のあるものに仕上がっている(ちなみに、エドとランディって「エドワードランディ」とどう言う関係が...?)

 ストーリーモード(横スクロール)では2人同時プレイまでしかできない、パーティー(協力)プレイの楽しさを満喫するには3人は欲しかったところではある。
 戦士+魔法使い+僧侶と組めればかなり楽しかったと思う。アンデッドヒーローを抜いてでも入れる事はできなかったのだろうか。
 アンデッドヒーローは大雑把な「守れ」「戦え」などの命令を与えておくと、適当に戦ってくれるのだが、アンデッド(不死)だけに死なないので、全編こいつに任せっぱなしで殆ど戦わずにすます事ができる、余程ぬるい人で無い限りクリアは難しく無いようになっている。
 はまると一気に死んでしまう事があったり、画面上に大量のキャラクターが出るので、キャラに埋もれて知らないうちにダメージを食らってしまう事も多く、わりと大味なところがある。
 敵以外のトラップは無いし基本的にアイテムも無いので、多少単調さがあるが、全体としてみると豪快で判りやすくなっているので、これはこれで良いと思う。

 マルチシナリオ方式をとっていて、ステージの途中で選んだ選択肢でどんどん分岐していく。30ステージ(多分)用意されているので、ルートマップを自分で紙に書きながら遊ぶのが良いだろう。
 ゲームのパッケージに、クリアしたステージを書き込むシートを付属させれば、ついでに中古市場に流れにくくなるという副作用付きで、良かったと思う。
 ストーリーは一つのルートだけでは薄いのだが、全部の分岐をやるとなかなか奥が深いものに仕上がっている。失敗しやすい分岐マルチエンディング方式としては、比較的成功していると言える。

 一応Rボタンを押しながらCボタンでメッセージを早くおくれるが、マニュアルに書いて無いので、気付かずに遊んでいると相当ストレスがたまる。ちなみに、早送りしてもちょっとうざったい。
 何度もプレイする事が前提になっているはずなのに、こういう部分で負担をかけるとやる気がしぼんでしまう。

 対戦では6人同時プレイが可能になっていて、これはかなり楽しい。
 キャラクターバランスは「まったく取ろうとして無い」ので無茶苦茶なのだが、弱いキャラクターもそれなりに楽しむ事ができるような工夫がしてある。
 しかし、1対1で真剣勝負などをやっても全然面白く無いので、普通の対戦格闘のような遊び方や評価は不適当と言える。
 オプション項目が充実しているので、色々と試してみる事をお薦めする。

 折角安直にポリゴンに走らず、サターンの得意なスプライトアクションにしたのだから、オープニングムービーは画竜点睛を欠くように思える。やるならスプライトを使った大画面アニメーションにしたほうが良かった。
 全体に、初心者むけに作り過ぎた感があり、マニアには物足りないところもあるが、その場合も対戦の楽しさが帳消しにしてくれるだろう。

 そこで結論。

「不器用さんも安心、爽快アクション」


1998-09-27 1998-09-28