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前作「新・鬼ヶ島」から10年、同様の日本の昔話をベースにしたアドベンチャーゲーム。
前作はディスクシステムで、本作はニンテンドーパワーと、書き換えメディアによるリリースがなされたシリーズでもある。
ただ、ニンテンドーパワーはディスクシステムほど普及せず、後で通常のロムカートリッジとして再発売された。
正確には、ニンテンドーパワーよりさらにマイナーなサテラビューによって配信されたものを、単体の商品として再構成したものが本作。
この流れは同社の「マーヴェラス -もうひとつの宝島-」と同じだ。
なお、本作は前後編として作られているが、ここでは前後編をまとめてレビューする。
システムの基本は前作を踏襲して、コマンドを「動詞」「名詞」の順に選択して進行する。
本作でもコマンド・メッセージは縦書きで、スーパーファミコンらしく漢字が採用されている。
大きく異なる点は移動方法で、トップビューのPRG風に十字キーで移動するか、移動場所を示したコマンドで移動する。
前作では方角で指示する方式だったが、新・鬼ヶ島には全然マッチしていなかったシステムなので、これは大正解。
もう一つ、大きいのは[ひとかえる]コマンドがなくなり、シンプルになっている。
続編であれば、このシステムをより洗練させて欲しいところだが、外伝的な作品であるので、この変更もやむなしと言うところか。
最後に、これも大きな違いで、随所にリアルタイム性と言うよりアクション性のあるミニゲームが組み込まれている。
これは正直止して欲しかった。
アクションゲームとしてみるとさほどの難易度ではないが、割と難しく作られていて、アクション苦手でアドベンチャーゲームが好きな人が、まず絶望。
何度も繰り返し同じルールのゲームが出てくるわけでも、スコアがつくわけでもないので、アクション好きが、ヤリコミ感のない中途半端な作りのゲームに失望。
更には、統一感が崩れて、本来没入できるアクションにより、コマンド選択の没入をキャンセルして冷めさせる。
良いところなんかひとつもない、と言っちゃっても過言ではないと思うのだが。
前作に比べると、キャラの入れ替えのシステムも無く、非常にマイルドな難易度となっている。
とは言え、前述のアクションがアドベンチャーゲームと異なる難易度を作っていて、素直に簡単とも言い辛い。
犬・猿・雉が前作の主人公と合流するまでの外伝的な話と、前作の主人公たちの前日譚、最終章は前作のリメイクという作り。
つまり、メインのところがすっぽり無いのだ。
前作をプレイしていない人にとっては、何というスカスカ感。
「平成 新・鬼ヶ島」をクリアすると前作の移植版がプレイできるようにはなっている。
しかし、これは前作・本作の順にプレイした方が絶対面白いと思う。
最終章と言わず、丸ごとリメイクして欲しかった。
そこで結論。
「前作が好きなら外せない外伝、という以上のものでもない」
2012-04-24