ビジュアルシーンバリバリで、有名声優の大盤振舞で喋りまくり、アニメのノリのお約束的ストーリーでノせて、CD再生のBGMで気分良くプレイする。
もっとも(良い意味で)PCエンジンらしいRPGであるといえる。
以前の機種では、まだキャラクターデザインの木村明広氏の絵柄が固まっていなかったこともあって、もう一つまとまりに欠ける感があったが、PCエンジン版では、カチッとした作りで安心して見れる。
また、声が付いているのも大きい。
こういうゲームをやると、ストーリー中心のRPGで声が付いていないモノが遊べなくなってしまう(遊ぶけど(笑))
本体のゲームの部分も、かなり良い出来で、オリジナルがPC88の時代に出ていたとは信じられない。
アトルシャン(プレイヤーキャラクター)以外は、戦闘での使用は出来ない、と言うところに賛否両論あるかも知れないが、こちらの思惑通りの動きをしたり、期待を裏切ったりというのを見ていると、そこにプレイヤー以外のキャラクターの存在感があり、本来の意味でのRPGをも感じることが出来るというと言い過ぎだろうか。
この辺が、ビジュアルシーンの出来とあわせて、キャラクターに感情移入しやすくなっている(エメドラの同人誌がドカドカ出るのもうなずける)
アクセスも快適でアーケードカード対応だが、スーパーカードで必要十分と言える。
あえて一つだけ苦言を言えば、世界観を見せる要素が希薄であること(スリングを装備している時に「矢をはなった」と言う表示が出てきたりと、そういう部分でのマニアックな作り込みは無い。世界観を押し出すということは、キャラクターを押し出す事と表裏一体の要素もあるので、しょうがないといえばしょうがないのだが)
そういえば、同じ年に「アルシャーク」が発売されているのだが、こうも出来が違うと呆れてしまう。
そこで結論。
「アニメ好きには大傑作(そうでない人にも傑作)」
1998-05-21