ライトスタッフ製作のパソコン版(PC-98)の移植であり、SFRPGでアニメチックなノリが全編に横溢している。
「SF」そして「アニメのノリ」この二つによってかなりユーザーを限定している。メーカーとしてはちょっと危険な賭けである。
「300年前...
「しまった!これはクソゲーの予感がする!」オープニングで上記の台詞が流れ始めたとき、私はかなりの確信をもってそう思った(べつだんゲームに限らず、冒頭に延々と物語の背景の説明を始めるものに、大体ロクなものはない)
さらには、固有名詞が乱舞し「あっ」と言う間にプレイヤーがついていけなくなること請合い。
シナリオや台詞回しが、生まれて初めて物語を書いた人の様に素人クサい(売り物を作ったからプロだというだけで、事実上素人かもしれない)
ではプログラム的にはどうだろう。
ゲーム中いきなり「重く」なった。驚くべきことに、コマンド式RPGにもかかわらず画面上にキャラクターが増えてくるとスクロールスピードが落ちたのである。いわゆる「処理落ち」である。
さらに、どうでも良いところでやたらとCDをアクセスしに行くわ、インターフェースの作りは悪いわ、音色は悪いし効果音はうるさいわ、声にノイズは乗ってるわと、かなり「ロクでもない」感じである。
ビクターが、そこら辺のにーちゃんさらって来て、プログラム作らせたクサい。
「豪華声優陣で演出するビジュアルシーン&アニメシーン!」と、パッケージにはある。「確かに「日高のりこ」はしゃべってんだけどさぁ」という感じで、絵はショボイわ、テンポはわるいわで、かなり悲しい出来といわざるをえない。
もう一つ言っておくとマニュアルは白黒で、字が小さくびっしりと書いてあり、キャラクターのイラストすら描いてない実に地味な作りで、誤植も豊富にある。
とても1994年に出たゲームとは思えない。ほとんど同人ゲームのノリである。
面白いアイディアも有ったりはするモノの、かなり厳しいゲームであった。
「エメラルドドラゴン」の木村氏の絵に騙されてはいけない。
そこで結論。
「やってはいけません、時間と気力を消費するだけです」
1997-11-11 1998-03-19