ロングレビュー マップタイル編

今度はマップ関連最終回、付属のタイル画像についてのレビューを行います。

げ…現代ならば

背景画像(マップタイル)の全体的な話

 話を始めるにあたり、簡単に用語を説明しておく。

 公式で書かれている用語に準じ、標準で収録されている素材を「収録素材」と書く。
 また、収録素材を元にして(僕が)描き換えたものを「改変素材」と書く。

 オートタイルには大まかに2種類あり、次のように書き分ける。
 草と土の境界など任意の形に配置できるものを「フルオートタイル」とし。
 壁など四角に配置することを想定しているものを「四角オートタイル」と書く。
 細かくいうと滝オートタイルなどもあるが、今回は特に取り上げないので。
 フルオートタイルは通常のタイル6枚分、四角オートタイルは4枚分が必要である。
 そしてタイル画像を組み合わせることで、フルオートタイルは48パターン、四角オートタイルは16パターンを生成する。

 前回までに引き続き、RPGツクールMVは単に「MV」、MVユーザーを「ツクラー」、MV本体の開発者を「ツクール開発部」と書く。
 マップの最小単位はVXではマップチップと呼ばれていたが、MVではタイルと呼んでいるので「タイル」に統一する。

 RTP(RunTime Package)というのは共通の素材をあらかじめダウンロードしておくことで、本体の容量を最小限に抑える仕組みだ。
 ツクールwebの解説によればRPGツクール2000から前作まで採用されている。
 ゲームを初めてプレイする際には、ゲーム本体以外にRTPをダウンロードする必要があって煩雑だった。
 そのシステムがMVでは廃止されていて、ゲームと素材はまるっと一緒に配布する方式に変わってシンプルになった。
 容量も場合によっては減ることになるので、ほとんど全面的にいいことだと思う。
 苦労して切り詰めた画像サイズなど、一曲でご破算になるぐらい曲のファイルサイズがでかいので、画像素材のサイズとかどうでもいい気持ちになるが…。

 ちなみに、MVの機能紹介などでやたらと従来のツクールとの差について自慢げに語っている印象を受けた。
 MVから入った僕にとってはどうでもいいことで、内容を知っても「そんな大層なことか?」という機能だったので、実にRTPという言葉の印象は悪い。
 そういうの「既存のツクールユーザ様へ、変更された機能のご紹介」とかでまとめといて。
 ツクール広報部は、人間(ひと)はツクールユーザとして生まれ育つぐらいに考えてるのか、既存のツクールユーザの方を向き過ぎているきらいがある。
 初めてMacに対応したのは外向きに広報を変えるきっかけになったろうに、逆にその内弁慶っぽ(ドメスティック)さを印象付ける結果となってしまった。

VXからMVへ

 まずは、前作からの変化を見てみよう。
 丸っと掲載するのは引用にしてもちょっと問題があるので、大きさを半分にしている。分かりにくいかもしれないが悪しからず。
 以下たくさんある画像ファイルの中から、よく使われてそうなファイルを引用。

VX・VXAce・MVのタイル

 VXの時点でほぼ一緒だがVXAceに至っては、ほっとんど一緒!
 VX・VXAceの32×32から、48×48に解像度が上がっているのでMVはクオリティが上がっている、と単純なスペックでは言える。
 基本的にVXAceのタイルを拡大してMVのタイルに合わせて修正という手法がとられてるようで、ちょっと問題が見える。
 簡単に言えば、画像が見た目にも情報的にもボヤけていて、シャキッとしていない。
 背景の場合は描き込みがしっかりしているとキャラが埋もれてしまう問題もあるので、絶対ぼかしちゃダメとは言えない。
 だがぼかしには色数を多く使うため、かなりファイルサイズが大きくなっているのは問題だ。

 聞くところによると、VXからVXAceの時点でタイル数は大幅に拡充されているらしい。
 よく見るとVXの方はフィールドに配置する街も入っていて、VXAceでそれを別のファイルに出した分が補充されていることがわかるだろう。
 さらにMVではSF現代もので使えるタイルが追加されているのは素晴らしい。
 異世界と現代を行き来する二ノ国方式のRPGだってツクれちゃう!!

 なんだかんだで高解像度とフルカラーは嬉しい面も大きく、全体としてはグレードアップしていると言っていいだろう。
 基本的なクオリティも高いし、伝統あるプロダクトだけあってタイルに必要な基本要件がわかってるのも良いところ。
 概ね使いやすいタイルといえる。

RTP廃止により変更してほしかったこと

 MVではRTPが廃止されたのだから、ツクール開発部が素材を厳選する必要は無くなった。
 そこで変わるべきだったことを考えてみる。

 色味が鮮やかなのは良いのだが、必ずしもその雰囲気が合うゲームばかりとも限らない。
 イベントコマンドで色調を変えられるとはいえ、常にその設定を当てるのも制作が面倒であるし、動作中に不要な処理(オーバーヘッド)が発生するのも嫌な感じだ。
 軽くセピア調、パステル調、みたいな色調補正済みタイルのバリエーションを最初から用意しておいても良かったろうが、そんな素材は用意されてなかった。
 かつて公式の新規素材やユーザ制作素材の配布などをやっていた週間ツクール(-)では、カラーバリエーションなど紹介していたので、ツクール開発部に発想自体はあったかもしれない。
 が…ツクール開発部とツクール広報部が連携取れてないだけ説が僕の中では濃厚だ。

 素材の画像ファイルは空白部分が1/3ぐらいあった方が、改変や新規あるいは他ユーザ制作のタイルの追加ができて使いやすい。
 しかし実際のMVは律儀に全部のタイルを埋めている。無理に埋めるより改変の際に使いやすいプレーンなタイルが大事だ。
 これは店の看板など、そこそこ用意されているが、全ての容器や看板・台座などに改変用ベースタイルとそれに対する装飾タイルを完備、というほどの徹底がないのは残念。
 例えば額縁など少し半透明で汚しや影が入っているような、顔画像を縮小してはめたらいい感じになるやつを用意しておいてよかったのでは?
 タイルサイズが48×48になって自作のハードルが上がったのは間違い無いので、「ドットを打つ」から「素材を組み合わせる」に舵を切るタイミングだったように思う。
 いわば「イラストを描く時代から、いらすとやを活用する時代」へのパラダイムシフトである。

 それはツクール開発部も自覚しているようで、タイル組み合わせツールSAKANというのを別売している。
 だが根本的な問題として「機能が足りないから作りづらい」のではなく、そもそも本体が「使いづらいから作りづらい」ということに気づいて欲しい。
 使いづらい本体に使いづらいツールを足したらどうなるのか、答えは簡単で余計使いづらくなるのだ。
 僕はSAKAN使ったことないから、絶対とは言わないが。たぶん付属の素材を抜きだしたらもう存在理由がなくなっちゃう商品な気がする。
 新ツールのRPGツクールMZが発表された時に「SAKANの機能が本体につく!」みたいな話題してる人、誰も見かけないことで証明終了(Q.E.D.)とする。

 さてはて、だがしかしMVのプロジェクトの仕組みは、最初に全収録素材をプロジェクトにコピーするという富豪にすぎる仕様で、この仕組みのままならばあまり気軽に収録素材は増やせない。
 システムとしてのRTPを廃止したものの、「ツクラーはみんな同じ素材を使ってゲーム作るもの」というRTP的発想がツクール開発部の意識から廃止されてなかったようだ。

素材追加に関する改善要望あるいは改善予定だったのに立ち消えた何か

 現在のように、[プロジェクトの新規作成]でタイトルと保存場所だけ聞いて、あとはダーっと要不要気にせず全部素材入れちゃう、というのも分かりやすくはある。
 しかし、プロジェクト作ってまず最初にやることが不要なファイルの削除、というのも不毛な話だ。
 プロジェクトを作る時に最小限のプロジェクトに加え、コピーする素材を選択できる仕組みが必要だったろう。
 そしてプロジェクトを作った後も、[素材の追加・変更]的なメニューで細かく追加したり入れ替えたりできると良かった。

 また、タイル素材は基本サイズの整数倍なら任意のサイズが使えるようになっていると配布もしやすいし、一旦そうなったら将来の拡張も容易で良い。
 ただツクール開発部は兎に角ガッチガチに数字を固定にしたがる癖があり、将来のバージョンでも容易に導入されなさそうな空気を感じる。

 前回語ったように、マップは「タイル画像ファイル・タイルセット設定・サンプルマップの3点セット」で配布されると便利だ。
 しかし、ファイルを手作業でプロジェクトに組み込むとなると、ちょっとハードルが高くなってしまうのも否定できない。
 利用規約(ライセンス)と解説文も加えてzipにして配布でき、そのままプロジェクトにインストールできるようになれば気軽だ。
 利用規約の書き方は共通化して、自動で利用規約一覧としてゲームのタイトル画面に追加されるとファイル的には万全と言えるだろう。
 ついでに言えばツクール素材マーケット(仮)で購入したものを直接プロジェクトに追加できて、やっと最近の(モダンな)ソフトと言えるかと思う。

 ツクール素材マーケット(仮)というのはMVリリース後2017年ぐらいに公式から発表されたサイトで、ツクール(RPG他ADVやACTも含めて)の素材をダウンロードしユーザが作った素材をアップロードできるという、Unityなんかでは今やおなじみとなったゲーム開発環境には必須と言ってもいいぐらいのサイトだ。
 なんだけど、今だになんにも進捗を聞かない…まぁ…立ち消えですね。
 そんな無理しないで、ニコニコ静画に専用タグとそれに付随する利用規約を用意するだけでも、やらないよりずっとよかったのに…。
 そうすればRPGアツマールに投稿した時も、素材へのリンクが簡単だったのに。

不要な素材を削除する機能

 [ファイル]-[デプロイメント]でゲームをMV本体なしでプレイできるように出力する際、[未使用ファイルを含まない]というオプションがついている。
 これにより、最初にガバッとコピーしてきた素材が配布用のデータに入って、ファイルサイズが肥大することを防げる。
 ただこの機能はプラグインなどで使用している素材まで消してしまう不具合があって、アップデートで対応されたもののプラグイン側でも個別に対応する必要があり、いまだに「MVの信用できない機能」の筆頭となっている。

 ところで、カジュアルツールでいきなり[デプロイメント]って名前のメニュー作っちゃう、ツクール開発部の言語センスはちょっといただけない。
 ちょこちょこ「それ開発者でないとわかんないでしょ」とか「従来のユーザでないとわかんないでしょ」みたいな用語を平気でブッ込んでくる。
 [配布用に出力]とかじゃないの? [デプロイメント]より百倍いいでしょ。

 不要な素材を削除する機能としては上記の[未使用ファイルを含まない]以外にも、マップで使用していないタイルを削除してファイルを圧縮、するような機能があっていいと思うのだが、なぜかMVは画像や音声ファイルを直接編集するような機能がひとつもない…なぜ?
 前々回に書いたように、タイルをソートする機能などを実装しておけば、この不要なタイルを削除して圧縮する機能まであと一歩という感じだと思う。
 しかしツクール開発部は並んだものの順番を変更することを偏執狂的に毛嫌いする傾向がある。
 それがツクラーに多大な負担をかけていることに気づき、大いに反省していただきたい。

MVのマップ画像に物申す(抄)

 マップタイル画像そのものについては、前にMVのマップ画像に物申すで語った。
 ざっと以下のようなことを書いている。

  • 壁が厚すぎる
  • 壁と家具が離れてて気持ち悪い
  • 雪のタイルが同じ[タイルセット]に入ってるのはおかしい、[タイルセット]切り替えで季節を変えられるべき
  • 階段などの複数の[タイルセット]に共通なタイルの画像の位置は揃えて欲しい、切り替えで別のに化けてしまう
  • 城タイルの胸壁が雑すぎる
  • 城タイルの塔の作りがチャチ
  • 木のタイルがウンコっぽくてやだ
  • 壁タイプの木がカクカクしすぎ
  • 崖のタイルが垂直すぎる
  • 道が斜めにもスムースに繋がって欲しい
  • 屋根の特に上部の平たい部分が不自然
  • 屋根の軒と破風が欲しい
  • 扉が正方形で扉に見えない

 このへんのことについては、極力突っ込まないで進めていくことにする。

フィールド

 このレビューで何回か書いているが、あんまりフィールド分かってないので、ざっと行く。
 [モード]の設定が[フィールド]なのにファイル名がWorld_XX.pngってのがツクールクオリティ。揃えなさい、揃えなさい。

World_A1.png

 A1は水関係で、MVのタイル全般に言えることだが上手い!
 水と陸の境界が直角の境界しか用意されてないのに、かなり自然で斜めのタイルも欲しいという気にならなかった。
 水面の表現も上手い。ドラゴンクエストⅢあたりで確立したスタイルをアニメーションさせた発展形って感じで「RPGやってる感」あって良い。
 自分で作るとループ境界が不自然になったり、アニメがうるさくなったり、水らしさが無くなって固形っぽくなっちゃったり、なかなか難しいのだ。
 あと、雲の上用タイルが用意してあるのが、ファンタジーって感じでいいね。

 海洋冒険物を作るにはいささか心許ないが、このタイルは作るコストが高いので致し方ないというところ。

World_A2.png

 A2は、山のバリエーションが色変えただけ(ではないがそう感じる)な感じ強めなので、もうちょっと変化が欲しいか。
 使ったことないんで、利点も欠点もよくわからない(笑)

World_B.png、World_C.png

 橋なんかはバリバリのイベント発生ポイントなので、マップタイル(tileset)より、キャラ(characters)の方においた方が良かったかもしれない。
 あと、街などの拠点関係もcharactersの方が良い気もするが、MVの仕様的に2タイル4タイルのような複数タイルサイズでも判定領域は1タイルのままなので、現状の仕様だと持て余してしまうだろう。

外観

 Outside というより Exterior のような気がするんだけど、自分の英語感覚はあんまりあてにならないので、墓穴を掘る前に個別レビューへ行こう(笑)

Outside_A1.png

 A1に関しては、特に言うことない。自分で作ってこれ以上になる気がしない。素晴らしい。
 あえていうと、マップタイルではなくcharactersの方に波アニメーション付きの岩など、水マップに変化をつける画像が欲しかった。

Outside_A2.png

 左端の列は草・土・砂・雪の地面が縦に並んでいるが、フルオートタイルなのに全部同じパターンが描画される。ここに置く意味がない。
 草と土の境界線タイルが隣にあるから、ここに草のみ土のみタイルがないと迷うかもしれない、とかいう親切心な気がする。
 他の不親切をほったらかしにして、余計なところで親切心出すの止めるべき。
 パターンが変わらないタイルをここに置かれると、オートタイルという概念を学習する妨げにしかならない。
 これならA5にあるので十分だし、ここには置くべきでない。

 とはいえ、地面に同じパターンを並べると間が持たないのでA2右側にその上に乗せられる草が用意してある。
 困ったことに、48×48の高解像度は、それでも間が持たないのだ! 自然な感じのマップ作るの大変!!
 加えて右側の草には[茂み]設定がしてあり、前々回書いたようにエンカウント率が上がるという隠し機能がある。
 なんということでしょう、自然な雰囲気づくりに置いた草によって、エンカウント率が急上昇して大混乱に陥るツクラーの姿が見えるではありませんか。
 ツクール開発部はツクラーを混乱させることに、ほの暗い楽しみでも見出しているのではないか?

 A5に少しずつ違う草のパターンを4つぐらい用意して、それをランダムに配置してやっと48×48で間が持つ草原の絵が作れる気がする。
 できればオートタイルのように28×28に分割したものを組み合わせてランダム化する機能として実装し、自然さを担保してほしい。
 とりあえずA2左端にある草や土のフルオートタイル。少しは違うパターン組み込んで!!

 草原の境界もなかなか難しいんだけど、ちょっと境界がカクッと曲がりすぎ、直線部分が直線すぎで記号感強い。
 わりと広い面積に敷き詰めることの多いタイルだけに、間が持たない。
 そこで直線感を弱くし、丸っぽい境界のフルオートタイルを追加したものを作ってみた。

左が収録素材HY?、右が改変素材MV!

 MVのエディタでは2種類のフルオートタイルを組み合わせるのは非常に面倒くさく、あまり現実的ではない。
 ただ直線感を減らすことは単体でもできるので、収録素材はもうちょっと草らしさを出して欲しかった。

 改変したものは地面タイルセットからどーぞ。

 自分が田舎者なこともあって、地面のバリエーションも少ないと感じる。
 ツクールで作ったマップで「お、これ玄武岩ですか?」「ということは…」「昔あの山が噴火した?」「正解です」みたいなブラタモリごっこできると楽しいのに。
 とはいえ、不自然さを消すのに制作時間がみるみる溶けて行くので、ほどほどで割り切るべきではある。

 A2右側の柵が非常に使いづらい。
 上下方向に近づけないのは前々回書いたが、左右方向もかなり柵から離れたところまでしか近づけない。
 仕様を把握してなかった最初の頃は「あれバグ?通行判定おかしい」と、結構真剣に思った。

 南側はタイルの際に配置されるのに東西方向はタイルの真ん中、北は際とは逆に配置されるというのもモヤる点だ。
 柵とはそもそも境界を規定するために設置するのだから、境界部分に置かれないと不自然。
 なのだが、これを解消しようとするとタイルの作り自体を根本から変える(か大量にタイルを消費する)必要がある。
 タイル4分割されていたら、東西南北全てでタイルの中心に置くことで、自然な配置ができたと思うのだが。
 48×48は単位が大きすぎて、絵は細かいのに配置は逆に雑になってしまう。
 この辺の雑さがMV特有の「絵は綺麗なのにハリボテ感があるマップ」の原因の一つだ。

 横方向の杭や柱の間が狭すぎるし、木の柵の表と裏が別に欲しい。
 と思って作ろうとしたけど、パーツ数と設置の手間がバカにならなかったので止めた(笑)
 そもそも、ツクラーに表裏を意識して柵を配置させようというのは過剰だ。

左が収録素材これ以上近づけない、右がプラグイン+改変素材

 と言いつつ、ある程度問題を解消する素材を作った。
 HalfMove.jsを適用した上でTF_Undulation.jsTF_LayeredMap.js を組み合わせ、階段セットの中の柵を設置して適切に属性を設定する必要がある。
 柵の周りを自然に歩きたいというだけのことに、かなり大がかり(笑)

 左側半分のうち、右下のタイルがヘルプには「カーペット」と出るが、行商の人が下に敷いて使うって感じだろうか。
 前々回に書いた通り、フルオートタイルを敷物に使うのはもったいない。

 A2右側は使い勝手が非常に良いのに範囲が狭すぎる。なのに柵に使いすぎだ。
 前述の草むらを筆頭に、縁石、苔やひび割れ、穴、煤けなどのオールマイティに使える装飾は非常に便利。
 本当は影ペン自体を強化して欲しいが、木漏れ日みたいな、影ペンを強化するタイルとかあってもよかった。
 そもそも、A2右側レイヤーの性質を持ったタイルをもっと多く使えれば、境界用の草を右に置いておけるので境界タイルを地面の種類ごとに用意する必要もない。

Outside_A3.png

 情報バーのヘルプに「屋根C(藍瓦)」とか出るけど、色じゃなくて材質書いて。
 色は見たらわかるんで、ヘルプに書く意味がない。

 ただし、屋根素材作った人が割と上手いので、材質もある程度は想像できる。
 青い屋根はスレートですよね。「屋根A(赤瓦)」は赤レンガかな? 「屋根G(カーキ瓦)」は木板葺きかな。
 逆に下手に作ると、城壁が石ではなく紙に描いた絵に見えちゃうようなことが容易に起きる。

 これも48×48に高解像度フルカラー化した弊害のひとつ。
 素材を作るにも、ある程度は現実の材質や工法、建築様式を下敷きにしないと嘘が見えてしまう。
 そこで素材製作者が「おおっ、これで社会風俗・建築・地学・歴史の知識が存分に活かせるぞ」とはならないよねフツー。
 もう、ただただ面倒臭いというのが多くのツクラー感覚ではないだろうか。

 家の壁についても同様で、世界の建築の授業に使えるんじゃないかこれレベルになってきてる。
 ちゃんとコーナーストーンが配置されてる壁もあって、実に凝ってる。
 壁に関しては48×48の綺麗に割り切れる規格が、石組みや煉瓦に存分に活かされていると言っていい。

 ただ逆に家壁の煉瓦の積み方が長手積み一辺倒なのが気になって。「壁紙ちゃうんこれ」みたいな。
 ファミコン・スーパーファミコンぐらいまでは、そういう記号的な処理でいけたと思うけど、MVぐらいだと厳しい。
 しかし迂闊に正確に描かれても「別の様式が同じ街で混在しているの、もしかして昔この都市って向こうの国に占領されてた?」とか余計なこと考えてしまうプレイヤーが出てくるかもしれない。
 僕程度の半端な知識だからなんとかゲームを完成まで持って行けたけど、コナンくんや右京さんがツクール始めたら気になって気になってエターナルまっしぐらだよ!!
 ここで煉瓦のイギリス積みとフランス積みの違いの解説とか始めるとキリがないので、そういうところが気になっちゃう解像度なんだなー、というぐらいの理解でよしなに。

 なお内装もこの素材が指定されているが、屋根の部分が活用されないので、少々もったいない気がする。
 ますます内装用に屋根の代わりに敷物をおけばいいのに。

Outside_A4.png

 城壁にすごい言いたいことがあったので、MVのマップ画像に物申す読んで!
 といいつつも、全部読んでもらうのもアレなので、簡単に。

収録素材は正体不明の正方形の出っ張りに乗れちゃう、改変素材は凹の胸壁、狭間から矢が撃てる!

 改変素材はお城タイルセットからどうぞ。

 MVのマップ画像に物申すでは木がカクカクすぎると書いてるけど、よく考えたら宮殿の庭のよく手入れされた植え込み、に使えばいいのだった。
 だとしても、下の方にある木の幹は端も黒くて板に絵を貼った感がすごい。

右の改変素材はA4の周囲にB〜Eのタイルを置いて馴染ませている

 改変素材はとても「簡単にツクれる」とは言えないほど配置が面倒。とはいえ、にしても収録素材の雑さは酷い。
 他の箇所のクオリティが割と高いので、悪目立ちもいいところだ。
 なお、サンプルで使った改変素材は樹木タイルセットです。

 基本的にはA3の家壁と同じなんだけど、ひとつのマップにこんな壁のバリエーションいらないよね。
 外観は特に贅沢にファイルを使って、都会・田舎・砂漠の町・山の街・南国ぐらい細かく分けた方が良かったと思う。
 先に書いたように別にタイル画像を全部埋める必要ないし、もっと欲しいぐらい思わせていい。
 量はそこそこでいいけど使いやすさと絵的・考証的な質は高い方がいい。
 本体が「こんなもんか」という程度なら、追加素材のクオリティもたかが知れてると思って買わない。

 しつこく書いているが、四角オートタイルは壁だけではなく、他の絨毯などの敷物や階段・橋など、長方形以外の形が必要ないタイルにも活用した方がいい。
 階段はA5、橋はA5とBにタイルがある。吊り橋に四角オートタイルを使えば、橋のたわみなんかも表現できてとても良い。
 というわけで、TF_LayeredMap.jsと改変素材の橋・階段の四角オートタイル を活用して、快適ツクールライフを!

 タイルの使い方は、ポンと渡されてもなかなか分からない。
 サンプルマップに加えて、かなり丁寧で詳細なマニュアルが必要なのは間違いない。
 もちろんツクール開発部が想定した使い方ではない自由な使い方はしていいし、した方がいい。
 しかし、元々の使い方が分からないままというのは実に頼りない状態だ。
 もう分かったと思うが、MVにはそんな詳細なタイルの使い方マニュアルはない。とほほー。
 箱物行政ですよ! サービス・メンテナンス軽視!!

 例えばこの Outside_A4.png に、おそらく中東風の建物に活用することを想定したタイルがあるが、[タイルセット]の設定的に「A4(壁)」のところにあるから、素直な人は家として活用する発想が全く湧かないのではないだろうか。
 使い方を説明してないと、木が四角すぎると文句を言う僕みたいな悪質クレーマーも出てくるし(笑)

Outside_A5.png

 ここには1タイルの地面が主に用意してある。重ね合わせのないファミコンRPGの初期の雰囲気だ。
 特に複雑な機能もなく単純で使いやすい、基礎かつ必須のタイルと言える。
 ツクールはMVに至って機能が複雑化しすぎて、とてもではないが初見でゲームとか作れない。
 そこで、このタイルだけの初心者用プロジェクトを生成する機能が欲しい。
 そして初心者用プロジェクトによる、プラグインなし改変素材なしパーティーなしTPなしサイドビューなし、初代ドラゴンクエストの1/5ぐらいの規模のコンテストとか開いて欲しい。
 このプロジェクト形式をファミコンスタイル略してファミスタとかどうだろう(確実に各方面から怒られる)

 左上には黒と透明の通行不可のタイルがある。これらは仕様頻度が非常に高いタイルだ。
 仕様頻度が高すぎてタイルセットの中に画像として存在する意味がない。どうせ絶対改変しないからだ。
 というか僕は迂闊に改変して、あとで頭を抱えた。ここ変えちゃダメじゃーん!!
 黒・白・透明の通行可[○]・通行不可[×]、選択したタブにかかわらず、常にタイルセットに表示して選択できるようにして欲しい。
 透明に関しては消しゴムツールとして実装した方が、直感的に理解でき、使い勝手が良いかもしれない。
 また低層・高層[☆]に関しては、選択したレイヤーによって変更されるような仕組みが素直な実装かと思う。

これらは常にあって然るべきではないだろうか

 その黒と透明のタイルのすぐ横にある金網の使い所がよくわからない。
 地面タイルで透明に抜けているので、遠景が表示される前提だとは思うが、どういう箇所に使う想定なのか。ファンタジーっぽくもないし。

 ここに配置されている橋と階段に関しては、先に書いたようにA3・A4の四角オートタイルに配置した方がいい。

 石畳と階段には同じ種類の壊れたものが用意されている。
 廃村や遺跡のような古い施設、戦争などの破壊の爪痕の表現など使い勝手の良いタイルだ。
 大きく破壊されたものでなく一枚だけの微妙な破損があると、住宅展示場的な管理されたよそよそしい雰囲気から、生活空間らしい実在感がでてくる。

 また、ここには畑の(うね)も用意してある。
 地味で特徴がないので、マウスオーバーでのヘルプがなかったら、何のタイルだかわからなかったところだ。
 ここにはBにある農作物を乗せることで、より畑らしいマップに仕上げることができる。
 こういう組み合わせができるタイルは楽しくていい。

収録素材だけだと境界が直線すぎる、改変素材は周囲にフルオートタイルの境界を配置している

 ただ、作物を植える位置と畝の終端のズレが気になるし、縦方向しか用意されてないのも残念。
 畑と周囲の別の土タイルあるいは草タイルとの境界が用意されていないため、直線的な境界しか作れないのもかなり不自然だ。
 個人的には単列の畝より、2列の畝が馴染みがあるので広い畝が欲しいし、色も濃い方が地味がありそうで良い。
 また、畝の幅がタイルぶんあれば、四角オートタイルとして作ることができ、縦横配置自由にできる。
 ということで畑セットです。

 また花壇も用意してあり畑と同様にBタイルの花を置ける。楽しい。
 ただこれが残念なことにタイル1枚しかない。雪が積もってるの合わせても2枚だ。花壇も、四角オートタイルに欲しかった。
 返す返すも、A3・A4の使い方が家・壁と限定的すぎるのが勿体ない。

 ここで初心者がつまづくのが、なんでA4にあった崖のタイルがここにもあるのか、ということかと思う。
 公式の講座では2段になった崖を作るときに必要という説明があるが、実はオートタイルのShift+ペーストを活用すれば必要ない。
 こういう付け焼き刃の対策をするより、前回書いたオートタイルを展開してタイルを個別に選択できるシステムを作るべき。
 そっちの方が応用が効くし、データ構造は特に変更ないのでゲームプレイに影響はないし、タイルの数も節約できるし、なによりツクラーが混乱せずにすむ。

Outside_B.png

 左上タイルを消しゴムがわりにする仕様は、MVの数多くのダメ仕様の中でも上位に君臨しているので、即刻バージョンアップして専用ツールつけていただきたい。
 大事なことなので、何回も言う。

 亀裂のタイルは非常に使い勝手が良く気軽に廃墟感が出せる。
 ただ組み合わせることでバリエーションが出せるように、複数のタイルと境界部分が綺麗につながるような作りにして欲しかった。

 つながりがイマイチといえば石組みのかまどの内側に、charactersにある焚き火が綺麗に配置されないのが隔靴掻痒。

 黒いタイルがいくつか並んでいて、出入り口に使うんだろうなとはヘルプの文字を見ても分かる。
 しかし、真ん中あたりの中途半端な高さの黒い四角のタイルの使い道が分からない。「入り口A(上半分A)S」ってヘルプに書いてあるけど…どういう意味?

 ドラクエ!って感じの階段がある。この形の階段はドラクエの発明の中でもかなり上位にすごいんではないかと思うし抜群に使いやすいので、存在すること自体は問題ではない。
 ないが、他の部分と比べるといきなりの記号感が強すぎる。絶対これ普段の生活で使えてないだろお前ら感というか。そもそも上り下り無理じゃね感というか。
 上(北)側に降りる階段はかなり難しいものの、左右の階段は生活で使えそうなのを作っておいて欲しかった。

 ので作りました。階段タイルセット
 階段設定したところは←→キーで上り下りできるようなプラグインも作りました。坂・階段・段差を表現する TF_Undulation.jsです。

 梯子の類の幅が、外に出てるタイプと穴から出てきたタイプで違うのが困る。
 接続して上り下り自在に配置したいのに、途中でガクッとサイズが変わるのヤメて。

 ここにある案山子はドットを完全に打ち直したっぽく、ぼやけた感じがなく急に出来がいい。ただ急に出来がいいのは他から浮いて困る。
 UIの時も統一感! 一貫性! って散々書いたが、絵の方でも一貫性に欠けるところがあるのは困ったもの。
 どの辺にクオリティを合わせるか決めないまま個々にクオリティを出していったため、単純にドッターの技量がそのまま素材に出てる感じがする。
 ただMVにはマップとキャラの統一感のなさが物凄いので、マップタイル内での統一感など全く気にならなくなるのだが(僕は気にしてますけど)

 先ほどのA5の金網もそうだが、金属の煙突とガス灯はいきなり文明レベルが違う。
 これに関しては使う使わないをツクラーの方で判断すればいいのかな、という感じもする。
 ただカジュアルな環境であると考えると、あまり多くをユーザに判断を委ねてしまうのは悪手で、本体収録素材はきっちり文明レベルを設定しておいて、追加素材の形で販売した方が良かったろう。

Outside_C.png

 先ほどの案山子よりさらに彫像の頭身がキャラと揃ってないのがやな感じだ。
 神代の時代は頭身の高い人々がいたが、今や呪いによって頭身は縮に縮み、ついにこんな差がついてしまったのだ。
 とか余計な物語をひねり出してしまう。

 三頭身に揃えたのも作ったので、女神の石像、三頭身バージョンからどーぞ。

 Outside_B.png の木と切り株、倒木、柵に使われる杭、そしてここの丸太は、ある程度太さや質感を揃えて欲しかった。
 自然のものなんで揃っているのは変という考え方もあるだろう。
 しかし流れとして見ると、周囲にこんな木が全くないのに木こりの作業場にはあったりする。
 これにはウルトラマンがお父さん役のおままごとぐらいの想像の飛躍や大らかさが必要だ。
 この不統一は48×48の解像度と僕が許さない(笑)

 平らな屋根の周りを斜めの屋根で囲むのはゼルダの伝説 夢を見る島あたりで使われた手法で、1タイル16×16のゲームボーイの低い能力に最適化されたものだ。
 それを一辺が3倍、面積にして9倍の48×48になってもまだ使うというMVのチグハグっぷりがすごい。
 作る方としては使いやすくはあるのだが。どこ様式でもないこの建築は、なんとも落ち着かない。

 また2Dマップにおける屋根はゲーム的意味を持たないので、無駄に屋根面積を増やす平たい部分がそもそも不要だ。
 MVのサンプルマップを見ると、特に工夫もなく屋根を置いて面積取ってる箇所が多い上に、A2の屋根の後ろは回り込めないので間延びしている。
 当然それを参考に作ったツクラーのマップも、無駄に広く退屈に感じるマップが作られがちだ。

収録素材でC屋根、A2屋根、右は改変素材

 人間の目は奥方向を圧縮されているものとして感じるので、映画セットは行き過ぎとしても思い切って奥を薄く作るべきだろう。
 ポケットモンスターの2Dシリーズは気をつけて見るとびっくりするぐらい建物が薄いが、プレイ中は気にならない。
 また2Dではないがどうぶつの森シリーズはドラム状の地面の上にマップを配置することで、奥行きを圧縮している。
 MVでマップを作る際も、南北方向は東西の倍の距離があると思って作った上で、さらに奥を圧縮するぐらいでいいかと思う。
 床も最初から奥を圧縮した絵にしてもらった方が良かったかもしれない。

追記
 ちなみに、ファミコン・スーファミ時代はドットが横長だったので、何もしなくても奥方向が圧縮された感じに表示されていた。
 ファミコンエミュレータのドット絵を見て違和感を覚えるのは、ドットが正方形になっているからというのも大きい。

内装

 内装は Inside じゃなくて Interior がそれっぽくないかな、と思いつつ自信ないのでレビューになだれ込む。

Inside_A1.png

 地下水道とかに使いやすそうないいタイルが揃ってます! 素晴らしい!

Inside_A2.png

 しつこいけど、フルオートタイルを敷物に使うのはもったいない。
 右から三番目の段差タイルは酒場の舞台的なところに使うんだろうけど、見た目には段差があるのに移動の動作上はツツーっとそのまま移動していくので、違和感があり使いづらい。
 「お姉さん! そういう時はTF_Undulation.js を使えばいいんだにゃ(ダミ声)」「すごい、ちゃんと段差で上下にキャラが動くわ!」

Inside_A4.png

 MVの仕様としてA4壁(上面)は歩けるようになっているため、歩けること前提の床っぽい絵になっている。
 しかし実際問題として上面を歩ける壁を置く場面はさほど多くない。特に屋内では。
 多分、上を歩かない想定で描いてあるのは外観では森のタイル、内装では魔王城タイルだけだと思うが、同様に中が黒くなっているタイプの壁(上面)は他の壁でも欲しい。
 むしろ内装は全部、壁上面部分は全部中が黒くなっているタイプにして欲しかった。
 上面を歩けるタイプが必要な時は、外観のタイルから持ってくるから。

 そもそも壁の厚みが1タイル分もいらない。ということで壁の上部に回り込める「隠すタイル」セットTF_LayeredMap.jsをどーぞ。

 ここに図書館用の本棚による壁があると良かったが、残念ながら無い。
 大図書館の本棚の上を歩くの、ど定番だと思っていたのだが。

Inside_A5.png

 ここに Inside_A4 の一枚バージョンが入っているのだが、上面は床に使うとして側面は何に使うのかさっぱりわからない。
 これが壊れた壁なら分かるが…謎だ。
 そうそう、内装のA5は外装に比べて崖のタイルがない分壊れた床がたくさんあって非常に使いでがある。

Inside_B.png

 だいたいの問題点はすでに語った中にある。できれば空の棚が欲しかったところ。
 タイルの絵自体は非常に良くできていて、窓は外観だと黒く内装だと白く描かれているのも気が利いている。
 ならばもうひと押し、さらに奥に進む黒の入り口だけでなく出口用の白っぽい枠も用意して欲しかった(ダンジョンにある)

 右下の檻のタイル、キャラ同士が近づけないんだけど、TF_LayeredMap.js を使えば解決するよ!!

Inside_C.png

 食事や本など、4方向ぶん作ってあるタイルがある。
 これらはtilesetではなく、charactersの方に置いてイベントにすることを主眼にするべき。
 というのもだいたいこの辺のやつは調べられるものだし、シーンが変わると片付けられがちだ。
 また配置する時もキャラと同じノリで向きを指定できるし、本なんかは調べた時にプレイヤーの方向に向かせることもできて実在感が出る。

 服や武器などがキャラの縮尺と合ってなくて、別種族の屋敷に入り込んでしまった空気が出てる。
 48×48の解像度があったら、十分縮尺合わせられただろうに。

ダンジョン

 ここは洞窟・緑・氷・炎・体内・異次元・魔王城ぐらいに分けて欲しかった。

Dungeon_A1.png、Dungeon_A2.png

 タイルセットの切り替えでダンジョンタイプを入れ替えられるように、別ファイルに分けた方が良かったろう。
 タイルは全て埋まっている必要はなく、スッカスカで構わない。
 贅沢を言えば、炎や体内ダンジョン用の床はここにおいてアニメーションしてほしかったが、それは少々欲張りすぎな気はする。

 床のオートタイルはノーマルなやつと、ちょっと暗いやつが用意されていて床の変化がつけやすい。
 しかしノーマルなのはOutside_A2.pngの左端と同じく、フルオートタイルなのに同じパターンという資源の無駄遣いなので、ノーマルはA5を使い、ノーマル・ちょっと暗いやつ・もっと暗いやつ、と3種類用意してもらえるとさらに良かった。
 暗い床に変化していくことで、自然にダンジョンの深部へ向かう道が暗示できる。

 ここにある穴はせっかくA2右側なのに透明部分がないの勿体無い。穴以外を透明にしておけば床描く必要ないだろう。

Dungeon_A4.png

 ここはダンジョン用の特殊な壁があるのでダンジョンの種類ごとにファイルを分けて、上面が描いてあるタイプと黒くなっているタイプがそれぞれ欲しかった。

Dungeon_A5.png

 問題はだいたいすでに書いていることと重なる。
 内装で壁の一枚タイルの意味がわからないと書いたが、ここでその位置にはは各種ダンジョン用の階段が入っている。
 特にアイディア思いつかなくて内装では壁を埋め草として置いただけでは? という疑惑がかなり確定的になった。
 必要ないものが入ると、それの使い方の謎解きに時間と頭使っちゃうんでやめてほしい。空でいいんやで。
 ひとつ「内装床C(工場)」というのか謎のタイル。側溝っぽいが同じタイプの床が用意されておらず、ちょっと持て余す。

Dungeon_B.png

 このタイルは外観・内装とかなり被っているタイルがあり「そうそう、RTPないんだから、こういう贅沢な使い方していいんだよ」という気持ちのいっぽう、「まだ設定できるタブが空いてるんだから共通するタイルだけまとめたファイル作っとけよ」という気持ちが湧く。
 僕の主な気持ちは後者で、ツボとかタル、出入り口の白黒の切り抜き、ひび割れなどは完全に共通タイルに置くべき。SFとも共通でいい。

Dungeon_C.png

 こちらは内装と被っている部分が多いので内装と共通のファイルとした方がいいだろう。
 その上で残ったダンジョン専用のタイルを1枚にまとめ、それに全体に共通のファイルを加えたタイルセットの組み合わせでB〜Eは行けたのでは?
 個人的にはそのあたりのタイルの選定で今だに四苦八苦しているので、収録素材の時点でもうちょっと綺麗に整理しておいて欲しかった。

近未来外観

 MVの目玉のひとつ、現代・近未来SF用のタイルは、ファンタジーに比べるとこなれてない感じがする。
 また実際に現実生活で目にするものなので、見る目が厳しくなりがちなところもある。
 現代とSF的な世界までカバーしているので、それぞれが薄味となっている面もある。
 とはいえ、このタイルの導入は諸手を挙げて歓迎したい。
 基本的に、自然のタイルはファンタジーから転用できる…のだが既にSF_の中にそこそこ移植されてたりする。
 あんまり触ったこともないので、レビューもツッコミ少なめでいきたい。

SF_Outside_A3.png、SF_Outside_A4.png

 色変えによる水増し感もあるが、とにかく現代風である。
 もっとビルのバリエーションを入れて良かった気はする。
 アパート風とか、もう縮尺がわからない感じのタイルが入っている。
 街を歩くフィールド用のタイルと、学校などの実際にキャラと縮尺を合わせた建築物タイルが別になっているべきかもしれない。

 現代の知識がある(当たり前)からだろうが「たったこんだけ!?」って気持ちが意外なほど大きかった。いやー現代ものは大変だ!

SF_Outside_A5.png

 道や歩道を作るのが思いの外大変。
 僕も制作の勘所がわからないし、タイルを用意しているツクール開発部の方も何が必要なのかピンと来て無い感じがする。
 割と現代物のゲームって、女神転生シリーズをはじめとして思い切った割り切りで作られているので、ツクールのように汎用的なタイルが求められる場合の取捨選択が難しい。
 少なくともぼくのなつやすみみたいな田舎を作るのは厳しいし、日本以外の風景もかなり難しい。
 最初は「学園もの」ぐらい範囲をせばめたほうがよかったかもしれないというか、実際のところ用意されたキャラなどから、ほぼそんな空気はある。

SF_Outside_B.png、SF_Outside_C.png

 現代風の小物が沢山あるが、前述のように知識があるので「少なっ!」とも思ってしまうのだった。
 柵の表裏はいらないなーと言っていた口で、少なくともガードレールは表裏いるだろ! と言ってしまうのだ。

 ファンタジーでも使えんじゃないのってものから、マッドサイエンティスト御用達みたいなものまでカオス。
 使い方難しいので、まずはサンプルマップの改造からやっていくのが良さそうだ。

近未来内装

SF_Inside_A4.png

 この壁の種類で内装を作り込むの相当大変な気がする。
 一面ガラス張りの壁はあっても良かったのでは。遠景をパララックスマッピングするとかなり雰囲気出ると思うのだが。

SF_Inside_B.png、SF_Inside_C.png

 外観と被ってるのが多くて水増し感が強い。
 ダンジョンのところで語ったように、共通するタイルをあつめたファイルを作って、埋め切らないところは空けといた方がいい。

 特にインテリアはファンタジータイルを転用できる感じだし、逆にファンタジーに持って行けそうだなという感じのもちらほらある。
 それぞれ学校・病院・小売店・オフィスにしか置けないような応用の効きにくいタイルもあるが、逆に場所ごとの特徴を出すには絶対必要だし、まー現代物大変。

 骨格標本、三頭身バージョン(大人も子供も、おねーさんも。)

まとめ

 高解像度化に、レイアウト的あるいは考証的リアリティレベルが追いついてない。
 ファミコン時代の記号化されたタイルを写実的に描いただけで、構造そのものは記号的なままというタイルが非常に多い。
 一見よく描かれているようで実際にその役割を果たし得ない形をしているトマソン化したタイルとでも言うべきか。

 またRTPが廃止され、マップごとにタイルセットを切り替えれば、大量に画像が使えるようになった。
 にもかかわらずファイルの作りはRTP時代の感覚を引きずっている。つまり空のタイルを嫌っておりまた、共通化すべき部分が整理されていない。

 それから、システムもタイルを扱いやすく入れ替えたり属性をつけたりするようにできていない。
 例えばA2右側だったりA5だったりの性質を持ったタイルをもっと入れたくてもシステムの制限により追加できない。

 どの問題も過渡的な状態で発生しているように思え、実際画像ファイルの構成については過渡的な問題だし、ツクラー側で画像を整理して力技で解決できないこともない。
 しかし、システム的問題はずっと前からあったのに改善されていない問題であり、なかなか根深いように思う。

 これだけ複雑化したタイルだと、説明なしに使いこなすのは至難の技だ。
 マップの作り方、タイルの使い方に関する詳細なマニュアルは必須だったと言えるだろう。
 これは本体についてなくても、別売りの書籍で構わない。
 マニュアルというものは、付いてても読まない人は絶対読まないので、その分価格を安くしたほうがいい。

ロングレビュー キャラ編に、つづく!!!