アクションの問題(1)

さて、今回は

 今や、Flashの機能の中核を成すに至ったアクションスクリプト。
 その入力のためのインタフェースを、数回に分けて検証する。

 今回は、アクションパネルのデザインについて。

フォーカス不鮮明

 大抵アクションパネルは、ステージのあるウインドウの上に、大きく重ねて使っていると思うが、上に大きく重なっている時点で、そのパネルにフォーカスがあると認識するのが普通だと思う。
 だが、アクションバネルはあくまでもパネルであって、ウインドウではないので、メインのウインドウの上に重なっていても、フォーカスがアクションバネルに合っているとは限らない。
 そこで、アクションパネルに対して操作をしたつもりが、ステージに操作してしまうと言う、非常にイライラする事態を招いている。
 アクションをペーストしようとして、ステージにやたらと長いテキストフィールドを作ってしまった経験は誰しもあると思う。
 これは、ユーザーがうかつなのが問題なのではない、インタフェースが力一杯間違っているのが問題。

 何より、cmd+wで閉じたい。
 これができないため、アクションパネルを閉じようとして、flaファイル全体を閉じてしまうことが、ままある。

パネル問題

 アクションは、パネルではなくウインドウとして開きたい。
 複数枚開いて、ウインドウ間でコピー操作も行いたいし、スクリプトの比較も行いたい。

 画鋲のアイコンで[スクリプトの固定]になっているが、ウインドウを複数枚表示できるようにしてくれれば片がつくこと。
 ウソをウソで塗り固めるように、特殊なインタフェースの問題を特殊なインタフェースの導入で解決しようとしないで、なじみのあるインタフェースで問題を解決するように努力して欲しい。

 また、パネルはステージの後ろに配置できないので、ステージやタイムラインの編集中に邪魔になる。
 逆に多くのパネルは、ステージの描画のために存在するから、アクションの編集中に邪魔になる。

 スクリプト書く時は、絵を描いたりアニメーションしたりとは、かなり違う頭を使っているので、基本的には別のアプリケーションのような状態にしてくれた方が分りやすい。メニューはスクリプト用のものに切替え、描画関連のものは消して良い。パネルも同様。

ジャンプメニュー

 タイトルバー直下にあるポップアップメニュー(ジャンプメニュー)で、スクリプトを選択できるようになっている。
 正直、ここに書かれている情報を見ても、どこに書いてあるスクリプトなんだか、さっぱり分らない。
 スクリプトで使う場所表記と全く異なるところが、分りにくい理由だ。
 ドットシンタックスで、「_root.instance1(frame 20)」という感じに書いてもらえると分りやすいんだが、「フレームアクション:20 レイヤー名:レイヤー1」とか書かれてもなぁ…。
 ActionScriptでレイヤー名なんか、全く意味持たないし、フレームアクションかどうかは、左端のアイコンで分る。それに「フレームアクション:20」とか書かれると、20の意味があやふやになる。せめて「フレーム:20」とは書けなかったのか?

 ジャンプメニューは階層が移動できないので、結局は一旦ステージに戻って、インスタンスを指定する事になり、大して役に立たない。

 スクリプトの一覧機能は、ムービーエクスプローラーにも存在するが、あちらはあちらで問題がある。
 基本的には、タイムラインやステージ上で、スクリプトを簡単に検索できる機能が付いているべきだろう。
 オブジェクトの選択は、極力同じインタフェースを採用するべき。
 ユーザーは怠惰であるので、同じ事をするのに2種類の方法など覚えたくはないのだ。

ツールボタン

 余計なインタフェースを増やさない意味でも、機能を分散させない意味でも、[表示オプション]ボタンは不要。ハッキリと悪だと言える。オプションメニューで十分。

 その他、色々とツールアイコンが並んでいるが、特殊なインタフェースを作るより、メインメニューをアクションを書く時のために切り換えた方がいい。
 メインメニューを変えずに、オプションメニューに押し込んでいるのに無理がある。
 特に、キーボードショートカットが、分りにくくなっている。

 それから、ボタンが使用できない状態なのに、グレーにならないのは手抜き。

さてさて

 メニューがウインドウの上部に存在するWinを使っていると感覚が麻痺して、ツールバーなどのインタフェースがなぜ悪いのか分らなくなってくるかもしれないが、きちんと役割分担させる事によって、インタフェースは一貫性を持ち理解しやすくなる。
 だらだらっと、しまり無く機能を並べてはいけない。

 アクションの場合は、折角あるメニューバーが「ほとんど何の役にも立っていない」。この事に、マクロメディアは危機感を感じるべきだ。

 今日はここまで。


2004-03-22