『MacOS9.0を導入して色々使ってみましたが、どんなもんなんでしょ』
多少調査不足の面もあるが、そこら辺御容赦いただきたい。
さらにはMacをそれなりに使い込んでいる人でないとさっぱり判らない記述も多いので、そこらも御容赦を。
それから、これは開発者や雑誌社用のほぼ製品版のもの(ゴールデンマスター)を元に書いているので、製品版と微妙に異なる可能性がある。
そもそもがMacOS9.0(ナイン)は、この後にMacOSX(テン)を控えているので、上手く革新的(なはず、だといいなぁ、ひどいバグもちなんだろうなぁ(笑))なMacOSXへ旧来のOSを繋いでいく役割を果たすものであると言える。
アピアランスは、もうカレイドスコープに任せてしまうつもりのようだ。
私は、ウィンドウの周りの枠を取りたくてたまらないのだが、機能拡張も使いたく無いという状態だったので、枠を取りだけでも採用されないもんかと思っていたがダメだった。
それからコンテクストメニューに関してもFinderPopに任せてしまったのか、ほとんど改善なし。
Appleの機能入れたら入れっぱなしでフォローが無い体質はどうにかならんのか。改善しろよ少しは。
MacOS8.5のインプレッション記事で「統合のされ方が多少無理矢理なのは要改善」と書いたが、「モニタ&サウンド」コントロールパネルが分離されたり「利用者 & グループ」コントロールパネルが「ファイル共有」コントロールパネルに統合されたりして、少し整理されたようだ。
MacOS8.6でゲームスプロケッツがインストールされるようになっていたのだが、これがもう馬鹿みたいにファイル数が多かったのが、かなり整理されて少なくなった。
開発者の皆様には、ゲーム以外のアプリケーションでも有効に利用してもらいたいものである。
今や3D描画には欠かせないとされているOpenGLのライブラリが追加されているので、これも大いに利用してほしいもんである。OpenGLの上位フォーマットである(たしか)QuickDrow3Dの今後はどう展開されるのか(ちゅーか消滅するんだろうな)今の所QD3Dがないと3DMFがSimpleTextやスクラップブックでは動かないようだが、OpenGL+ビューアという組み合わせで補完されるんじゃ無いだろうか。いよいよVRMLの時代か(よーわからんけど、SGIだし)。
QuickDrowGXが無くなっている。ATSUIに取り込まれたのだろうか?よくわからんが、フォント関連はPostScript技術と合わせて混乱していたし、ましょーがないかなと。
とにかく、グラフィック描画系のAPIがごっそり変わっているので、これから楽しみなソフトのジャンルもあれば、動かなくなるソフトも少なく無いと思う。
CarbonAPI用のライブラリが追加されているので、Carbonアプリケーションの製作が可能になっているが、ユーザーにとっては、だからどうした的な変更ではある。
これはMacOSXへ向けての準備以上の意味は無いだろう。
68kコードのプログラムがさらにPowerPCネイティブ化されて、ネイティブ比率が上がったが、いいかげんフルネイティブになってもいいんじゃないか?
もうMacOS8.5からは68Kサポートしてないんだから、思いきって68Kエミュレーションを別パッケージに分けちゃうとか、出来なくしちゃうとかしてもいいかもしれない。
とりあえずPowerPCが乗っている機種、ってだけなら今やMacOSの値段とトントンであるから、ユーザーの負担はもはやほとんど無いし。68kアプリケーションを使いたい人はMacOS9買わなきゃいいだけの話だ。
今回の目玉はSherlock2の操作性に、かなり改善がみられる。バンバン検索設定ファイルを作って活用すると、そうとう便利になると思う。
索引製作用のAPIが提供されているので、保存と同時に索引を作るアプリケーションも製作可能だ。
だが、QuickTime4のような阿呆な外観はどうだ、アルミメタル調のフレームに、ぬるっとアニメーションする引き出し、写真を張り付けたボタン。あのなぁアップル、アイコンをリアルに描いたら、アイコンの役割しなくなっちゃうだろ。非常口のランプに走ってる青年の写真がプリントされてたら、写真としか思わんだろーが、ちゃんと記号の役割を大切にしろ。くっきりとした輪郭をつけるんだバカ、もーこのバカ。
AppleScriptについて詳しくは、AppleScriptの方で述べることにするが、大きな変化は無いといって良いだろう。
インターネットとの連係が強化されていて、QuickTimeに続いてOS自体もオンラインで細かくアップデートできる機能がついた。
これから必要になる機能ではあるだろうが、正直なところ私は全くアップルを信用していないので、当分は使わないし危険だ。下手すりゃアップデートしたらバグと言う名のウィルスを送り込んでくる、ってゆーか「絶対送り込んでくる」。
ところでオンラインと言えば、MacOS8.5でオンラインユーザー登録して、AOLの入会案内がくるだけじゃ、お兄さん情けなくって涙が出るよ。せめて自社のソフト・ハードのラインナップぐらい宣伝しても良いんじゃ無いか?
密かにヘルプビューアのHTMLレンダリングエンジンが、ライブラリとして別に提供されている。ということは、URLaccess機能拡張と合わせて、物凄く軽いブラウザが作れるようになったということだ。
多少HTMLレンダリングの性能はよく無いが、それを言ったらネットスケープもマイクロソフトもあまりよく無いのだが。
声紋認証機能とマルチユーザー機能がついているが、パソコンに必要な機能なのかは多少疑問だ。セキュリティチェックが甘過ぎるのもどうかとは思うが。
システムフォルダ直下に、これらの機能用のファイルが並んでいるが、MacOS9入りで出荷されるiBookにゃ、そもそもマイクが無いんだから馬鹿にしている。
ちなみに、HFS+フォーマットのメディアでしか機能しないものも多いようなので、HFSフォーマットでMacOS9を使おうと思っている人は、ちょっと考え直した方がいいだろう。MacOS9入りHFS+用のHDを用意するか、現在のHDをフォーマットしなおすことをお勧めしたい。
主要な変更はAPIやライブラリに集中している、ということは、既存のプログラムは動かなくなる可能性が高く、当分は新しいAPIを使ったアプリケーションもでないだろうから、MacOS9の機能を享受できるのは相当後と言うことになる。
沢山の新機能はあるが、新機能が機能として成立するためにはアプリケーションが対応しなければいけない。
AppleEventは7.0で導入されたのに、それを利用したAppleScriptが花開くのは8.5までまたなければいけなかった(もしくはまだ花開いていない)のと同様に、MacOS9.0の新機能はなかなか分かりにくいものである。
おそらく9で蒔いた種はXで芽を出してほしいとアップルは思っていることだろう。だからアップルはできるだけ多くのユーザーに9を購入して欲しいと思っているんではないかと思う。結局はMacOSXを中心にAppleの計画は回っていて、MacOS9もいかにXを成功させるかという計画の一部でしか無いと言える。
私にとって非常に重要な問題点があるので、MacOS9は使わない(えない)。
それは、performa6410用の内蔵geoportモデムのサポートがされないことである。
MacOS8.5でも機能拡張は入って無かったが、以前使っていた機能拡張を移植すれば動いていた。MacOS9はモデムを使うとフリーズする。9使いたかったら買い替えろっちゅーわけかい。べつにMacOS9使わなくてもいいもんね、けっ。
ま、MacOSXはPowerPC G3以降しかサポートしないって言うんだから、遠からず最新OSは使えなくなることがわかってたんだけどね。知らずにパッケージを買ってたら訴えたよホント。MacOS8.5の時もそうだったけど、きちんとパッケージに使えない機種は書いてくれよ。
「Xへの繋ぎです、慌てて買う必要なし」
1998-04-14