『MacOS8.5を導入して色々使ってみましたが、どんなもんなんでしょ』
多少調査不足の面もあるが、そこら辺御容赦いただきたい。
さらにはMacをそれなりに使い込んでいる人でないとさっぱり判らない記述も多いので、そこらも御容赦を。
ボタン表示機能の不具合は、ほとんど改善されていないが、あまり積極的に使っているユーザーもいないのが原因の一つと思われる。
さらに、コンテクストメニューもまだワンボタン操作になっていない。はやいとこ、暫く押したら開くようにしてほしい。
Appleは、一度ファイル操作について、良く考え直してほしい。
私としてはシングルクリックでファイルを開く操作を標準のものとして考えて、ダブルクリックに現在Opt+ダブルクリックで実現されている「ウィンドウを閉じながら開く」等の別の意味を持たせるようにしてほしいと思っている。
今回からエイリアスにWINライクな矢印が付くようになったが、格好わるいことこの上ない。
予想するに
「ヘイ、ジョブズ、君のところのアイディアばっかり使わせてもらうのはフェアじゃないと思ってね。このショートカットアローのクールなデザインを使うのを許可しようじゃないか」
「はっはっは、ビル、君にしちゃよくできたジョークだな。MacOSには「ゴミ箱」があっても、その中に入れるようなクズがないから提供してくれようっていうのかい」
「イーヤァ、君のブラックなユーモアには毎回驚かされるよ、もちろん君と僕の仲だショートカットアローのライセンス料は格安にしとくよ」
NO〜!!
ジョブズ、断ってくれよ、ホント。
さて、今回はデスクトップピクチャが統合されてアピアランスコントロールパネルが大幅に強化されたが、カレイドスコープのスキームのようなウィンドウのルックを変える機能はまだ提供されていない。
あきらかにそれを切り替えるためのボタンがあるものの、選択肢が一つしかないので、ある意味ではプラチナアピアランスをカットできた8.0-8.1よりも選択肢が少なくなっている。
さらに、操作した時に出る音も設定できるが、これもまだユーザーがカスタマイズすることはもちろん、一種類しかセットが用意されていないのでON/OFF設定しかできない、そこらも含めて「今後に期待」といったところだろう。
MacOS8.0のインプレッション記事では、かなり機能が整頓されてくることだろうと予測していたが、大体その通りになっている。
MacOS8.5では、主にコントロールパネルやシステムフォルダ階層がかなり整頓された。
そこで統合した機能を選択するのに、やたらとタブを使っているのだが、タブの使い方を間違って不必要に増やしているところがある。Microsoftのように二段がさねにするような下品さはないものの、それでもだいぶ品がない頭の悪いかんじがする。
また他にも、統合のされ方が多少無理矢理なところがあるのは要改善。
今回は発売と同時にアップデータが配付されるという、なかなかのボケをかましてくれたが、それ以上に参ったのが、私のPerforma6410の内臓モデムのサポートをスッパリ打ち切りやがったことだ。
幸いMacOS8.0のCD-ROMから必要な機能拡張やコントロールパネルをインストールしてことなきを得たが、持ってなかったらオンラインから閉め出されることになっていた。
全体のパフォーマンスや安定性は流石に向上しているが、これはできて当然。
68kCPUを切り捨てて不安定で遅いままだったら、アップル社にバクダンを仕掛けるものが出かねない。
特にポップアップウィンドウとスクロールがハッキリ分かる程高速になった。
今回の目玉はSherlockと呼ばれる検索システムだが、これはかなりできが良い。
今までは遅すぎて使う度にコーヒーを用意する必要があった検索が、マトモな速さになって実用度があがった。
私は今後のOSの方向性として、検索機能がアイコン+フォルダ操作(MacではFinder)をかなりの部分で置き換えていくと考えているので、検索機能の強化は大いに評価できる。
速いだけでは無く、検索条件が保存できたりと、私の頭の中にある次世代OSが持つべき機能に近いものを提供しているので、かなり驚いたし嬉しい。
しかし、文書の内容検索のスピードに関しては索引を作っていたらの話で、この索引を作るのがめちゃめちゃに時間がかかる(数時間〜下手すると十数時間)。これを見るとまだOSの根幹に含まれる機能では無いことが推測できる。
それに、まだまだFinderと比べる程の操作性は実現されていない。
もう一つの目玉であるAppleScriptの強化も大いに評価できる。
まずまだAppleScript事体がメジャーなものでは無いので細かいことは省くが、相当良くなったので、この機会に少しいじってみることをすすめる。
ただ、マトモなマニュアルが無いので、やはり言語の一種であるからには手を出すのには敷き居が高い。
AppleScriptが成功するかどうかは書籍の充実や、オンラインでの開発資料の提供など、Appleの今後のサポート如何にかかっている。
ただ、そこらへんかなり不安でもある。Appleの技術サポートは昔から「
悪い方の評判」には事欠かないし、Mac雑誌の編集者でさえも、この機能に関しては知識が無さ過ぎるので、一般化するのはかなり厳しいかもしれない。
AppleScriptについて詳しくは、AppleScriptの方で述べることにする。
あちこちでインターネットとの連係が強化されているが、日本の通信環境では、それほど恩恵を享受することはできないのが、残念なところ。
オンラインユーザー登録ができるようになったのはいいが、もう少しセキュリティの高い方法は取れなかったものだろうか?
あとは、リスト表示の項目の入れ替えや、フォルダの表示形式の一括設定など、今まで何故できなかったか不思議だった部分もちゃんとできるようになっている。
QuickTimeのProキーを手に入れることができるようになったのは、嬉しい。
ただのアップグレードと思うと13800円(税抜き)は高いが、QTのことを考えると少しは買得感あり。
あとアップルシステムプロフィールがかなり強化されたので、1000円分ぐらいのシェアウェア程度の価値を考えていいかもしれない。ついでに機能拡張マネージャーと統合してくれれば良かったのだが。
ファイルオープンダイアログがやっと新しくなり、あとは各アプリケーションの対応をまつだけになった。もっと早くバージョンアップして良い機能だっただけに、各アプリケーションで独自に拡張していることも多く、そのことが逆に対応を遅らせはしないかと少々不安である。
「いままでマトモで無かった部分が、ずいぶんマトモになった。後はルック&フィールの改善」
1998-10-24