MacOS8を考えてみる

『MacOS8を導入して色々使ってみましたが、どんなもんなんでしょ』

 変更点がかなり多岐に渡るので、かいつまんでいくつか書いてみることにする。また、同様の理由で、調査不足の面もあるが、そこら辺御容赦いただきたい。
 さらにはMacをそれなりに使い込んでいる人でないとさっぱり判らない記述も多いので、そこらも御容赦を。

 ボタン表示機能は、シングルクリックでファイルを実行できて便利だが、ボタンの形が画面を狭くしたりして、不具合も多い。シングルクリックオープンとボタン状の表示は別の機能として分離すべきだ。
 新機能の1.5クリックや、ドラッグ等はファイルの名前の部分を使うことで可能なのだが、アイコンの部分でも使えるようにできるはずなので、そのようにすべき。Netscape Navigator等のブラウザやWinではできるようになっているのだし。
 細かい操作感が、第一線の格闘ゲームのきめ細かさに比べると、少々大味に感じる。まだ、ブラッシュアップ不足だ。次回のバージョンアップで、細かい操作の設定ができるようになっていることを望む。
(どうも、タイアログ等のために用意されたボタンのツールを流用しているようなので、このような中途半端な仕様になったのだろう)

 フォルダの形をはじめとして、見た目の変化を優先して使い勝手が落ちている部分が割合多い(商売的な理由なんでしょうが、以前の形のものも簡単に選択できるようにしておいてほしかった)
 フォルダの形は、甚だ全体の統一感を阻害するし、表面積が減るのでオリジナルアイコンを作る時困る。
 一枚絵としてはともかく、インターフェース等を含めた総合的なデザインで考えると、あのフォルダは相当にセンスが悪い(開いたフォルダのアイコンも用意してあるので、将来的にはNeXT的な意味が与えられるのかもしれないので、一概に言い切ってしまえないところではある)

 コンテクストメニューは以前からWinを羨ましく思っていただけに嬉しいが、control+クリックでは無くて、マウスボタンをしばらく押して出るNetscape Navigator方式にしてほしかった。
 これはLook Mum,No Hands!等のシェアウェアなんかが出てきているので、要求の多いものだということが想像できる。多分次かその次ぐらいのバージョンではシステム標準になるだろう。

 メニューがグレーになったのは見易くて良い。これもWindowsが羨ましかったことの一つだ。
 しかし、ウィンドウの枠が画面を狭くして物凄く邪魔なので、プラチナアピアランスをカットしたら、アプリケーションのメニューが白に戻ってしまい、Finderでしか、その恩恵に預かっていない。

 ただ「Appearance 機能拡張」をResEditで見ると、アイコン等のfinderのアピアランス(外観)はシステム本体から切り離されているようなので、次のバージョンでは、細かいカスタマイズができるようになっているだろう。カレイドスコープが不要になる日も、そう遠く無いことだろう。
 また「Appearance 機能拡張」に格納されているアイコンには、今まで使用されていなかったタイプのものも多くあり、今後のバージョンアップの方向を示唆している。
 細かい説明は端折るが、それはsystemフォルダの整頓と、話しかけるパソコンで述べた個性化であると予想される。
 このあたり、OS8の真価(進化)は今後のバージョンアップで次々と明らかになっていくことだろう。

突っ込めOS8

 周囲の声はともかく、うちのシステムでは安定性に関しては、かなり落ちたと言わざるをえない。
 メインメモリ16M+仮想メモリ32Mという構成もまずいし、二台のパソコンをAppleTalkで繋げているのも不安定化の要因であると思われる。
 いきなり、ResEditでシステムをいじりまわしているのも原因の一つだが(笑)
 特にHyperCardとの相性が悪く、ことあるごとに沈黙する有り様である。
 バージョン2.2は、PowerPCに対応していない68kアプリである上に、いいかげん1994年製なので古いということもあるだろう。
 2.3だと少しはちがうかもしれないが、visual effectがうまく動作しなかったりと、結構色々と不具合が報告されているので、かなりダメっぽい気もする。早いところバージョン3.0が出てくれないといかん。
 Osakaフォントの形やマージンが少し変わったので、ぎりぎりにフィールドを設定しているスタックでは、微妙に不具合が出ることが予想されるが、自分が作ったものでは、特に問題無いようだ。
 あと、MacOS8のCD-ROMの中には、HyperCardのヘルプ一式が入っていたので、かなりラッキーな感じ(HyperCard本体は相変わらず、Playerしかついてこないが)

 アップルが言うにはうちのPerforma6410他一部機種では、ごく稀にいきなり起動できなくなったり、ファイルが消失したりするという、なんともはやな欠陥が存在するそうで、これは0S7.6.1でも同様だそうだ。
 ばれないように、情報を閉じ込めるようなことをしないのは偉い(当たり前だけど)のだが、これは結構ショック。
 早速雑誌から入手した「ドライブ設定 1.3.1」を使ってドライバの更新をして、ことなきをえた。もちろんAppleのサイト等から入手することも可能だ。

 最初はこの文章の二倍ぐらいの量を書いてしまったが、それくらい色々と変わっている。システムをいじるだけで結構遊べるくせに、従来と同じように使おうとすることもできる点は大いに評価したい。

「操作性は向上したが、細かい煮詰めが足りない。だが、次作に大いに期待できるバージョンアップと言える」


1997-11-18 1998-01-29