わくわくぷよぷよダンジョンはローグ系ゲームの一種である。
ローグ系ゲームは、コンシューマ機としてはチュンソフトトルネコの大冒険-不思議のダンジョン-が素晴らしいアレンジを行い、RPGのジャンルの一つとして定着するにいたっている。
簡単に言ってしまえば、プレイの度に異なるマップが楽しめるRPGである。
このタイトルが発表された時期は、コンパイルが和議申請(倒産前段階)を行った直後である。つまり、このわくわくぷよぷよダンジョンは会社建て直しを狙うための、同社にとって重要なタイトルといえるわけである。
ところが困ったことに、コンパイルクラブ(コンパイルのファンクラブ)に入会していない人間おいてきぼりのネタが多すぎる。同人ソフトではないのだから、ソフト内できちんと完結してほしい。
やる気は、妙に気合いの入ったグラフィックで感じることができるが、プロデューサー能力が無い人間(MOO仁井谷)にプロデュースさせて失敗している感じ。コスプレばっかりやってないで、もう少し勉強してほしい。この人がプロデューサーやってる限り、コンパイルは浮かび上がらないと思う。
さて、ゲーム自体は、「ダンジョン出てもレベルが上がったまま」というローグ系のゲームにあるまじき仕様を採用しており、頭を使う謎らしい謎も無いことと相まって、作業プレイとなる。
特に「仙人のお守り」と言うアイテムは最悪で、とにかくそれを装備していれば腹が減らないので、レベルアップやり放題で、緊張感も何もあったものではない。
ダンジョン生成のパターンが大雑把なので、一画面当たりの情報密度が恐ろしく薄い、また極端なモンスターの密集地帯などのメリハリもない、など緊張感がないことおびただしい。他にも色々と緊張感のない仕様のオンパレードで、何故ローグ系のシステムを採用したのか、力一杯疑問である。
さらには、モンスターの種類もさほど多くなく、イベントの少なさも単調さに拍車をかけている。
全体的に、作り掛けの印象が強く、とりあえずまとまった金が欲しかったんで発売した、というのが正直な印象である。
実際、のちに発売されたPS版では、大幅な改定が行われており、ここで上げている問題の多くは解消されている。もともとの仕様書に書いてあったのはPS版の内容であったと思われる。
といっても、根本的な「ダンジョン出てもレベルが上がったまま」という仕様は同じであるのだが。
そこで結論。
「会社の状況が厳しいからって、作りかけのものを売らないように」
2000-12-31