メガドライブ版の前作から、2年の月日を経て満を持して発売されたアクションRPGの傑作。
古代氏率いるエンシャントの看板ゲームでもある。
このゲームは、前作でよかった点を引き継ぎながら、あらゆる面でパワーアップしている。
キャラクターの動きは一度3Dデータを作りレンダリングして表示させた後、今度はそれを元に手書き(ドット打ち)で仕上げるという、実に手間のかかった、贅沢な方法を使っているだけあって、非常に滑らかに動きかつ、正確な形をしている。
キーレスポンスもさらに向上し、操作感の悪さによるミスやストレスはほとんど無くなったと言っていい。
また、このゲームは古代祐三の音に対するこだわりが遺憾なく発揮された逸品でもある。
BGMは言わずもがなだが、効果音の出来が非常によく。また、音のする場所に近付いたら大きくなったり、きちんとステレオに対応していたりと、臨場感たっぷりで、ゲームを盛り上げてくれる。
マップの作りが秀逸で、あれだけ複雑にして、よく「ハマリ」を作らずに仕上げることができたものだと感心する。
それに、構成は立体的にできていて、実際のマップの何倍もの広大な空間を感じさせてくれる。
今回は遊びの仕掛けも多く、特にゾンビの合唱は、にやりとさせてくれた。ぜひ探してみてほしい。
また、アイテムが非常に多く隠されており、最初のプレイでは、かなり一生懸命探したつもりにもかかわらず79%しか集めることができなかった。
完全に集めるには、精霊を6種全て集めた後、以前通ったマップを雑巾がけする必要がある(色々な意味で、少々厳しい)
仕掛けをクリアするための方法は一つだけでは無く、解答が幾つか用意されている。
例えば、谷間を渡るのにダッシュジャンプで渡ることもできれば、凍らせた敵を踏み台として動かしてきてもよく、あらかじめ岩を谷の下に持ってきておいてもいいし、精霊の背に乗って渡ることもできるし、上に位置するマップから飛び下りてもいい、と言った具合だ
このように、本作は非常に自由度が高く、「こうやったらこうなるはずだ」ということが、ほとんど必ず実行できるようになっている。
精霊の他に、巻物が武器に様々な効果を付与するようになっているのだが、精霊が6種類いるのと相まって、相当にゲーム(仕掛け)を複雑にしている。
正直なところ、こんなに沢山あっては覚えきれない所があるし、試すことが多くなり過ぎて、ちょっと辛い部分があるが、かなりうまくまとまっているので、なかなか一概に否定しきれないところがある。
仕掛けが大量にあるのは、前作でROM故に削らなければいけなかったフラストレーションが、爆発したのかもしれないが、それにしても異常な程入っている。
トラップマニアにはたまらない所ではある。
問題点は、ストーリーが相変わらず薄いこと。敵キャラクターの種類も少なくはないものの特別多くは無く、色違いの敵も多いこと。
とはいえ、これらの点は、問題点らしい問題点ではない。
そこで結論。
「アクションRPGの最高峰のひとつ。遊べ!!」
1008-04-05