今度は横浜でおきた失踪を切っ掛けにした事件に、神宮司三郎が御苑洋子とともに挑む。
今回から主人公の神宮寺の顔グラフィックが表示されるようになり、ストーリー上あらわれる個性と合わせて、シリーズの中では神宮寺というキャラクターが固まってきた時期と言える。
ただ、神宮寺の顔は無駄に画面スペースをとっていると言ってもいいぐらい、ゲーム上の意味が薄いのは要改善。
前作で問題の多かったコマンド選択のシステムは、残念ながらほとんど改善されていないが、ドラクエ的なシーンがなくなったので、少なくともコマンドを使うマップ上の場所が分からないという理不尽さはなくなった。
選択中のコマンドの色が場所によって変わるのだが、見にくい色の時もあり、少々失敗と言える。
今回は、事前に決めた推理の方向性と連れている人によってコマンドの結果が異なるというシステムを採用しているが、これが無闇とコマンドのパターンを増やす結果となり、難易度の上昇を招いている。
全作に続いて、ほとんど意味のないアイテムが出るのもコマンドのパターンを増やす結果となっている。
アーリーコレクションでは幸いヒントもあるので、どうにかなるが、それでも難易度は高い。
グラフィックは大きく向上して、特に人物は他のファミコンアドベンチャーゲームの追随を許さない程。前作では頑張り過ぎて統一感が崩れる傾向があったが、本作では手慣れたようで、安定感がある。
逆に、こじんまりしてしまった感もある。
シナリオも前作から長足の進歩が見られ、子供騙しの域を完全に脱した。
とはいえ、まだ流れが分かりにくかったり、登場人物間の関係が希薄だったりするので、プレイヤーの推理が働く部分が少ないのは課題として残っている。
ロムカートリッジになったため、パスワードコンティニューを採用しているが、これがちょっとばかり長いのが難点。アーリーコレクションでは勿論、メモリーカードに記憶できるので問題ではないが。
そこで結論。
「神宮寺という主人公が歩き始めた。傑作」
2002-04-02