様々なゲームミュージックを作曲した(している)古代氏率いるクリエイター集団「エインシャント」の贈る「ゼルダタイプ」のアクションRPG。
随所にゼルダの伝説的な仕掛けがあり、いかにゼルダがアクションRPGのゲームのスタイルを決定付けていたかがわかる。
もちろん全てゼルダが最初にやった訳ではないが、「使える」モノにしたのはゼルダであったことは否定できない。
この手のモノで必要不可欠とも言える収集アイテム(変なところにかくしてあって、回収率が表示されるゼルダのハートやドラクエのメダルのようなモノ)もあるし、クリアまでの時間やGAMEOVERの回数や敵を倒した数などの「成績」もしっかりあって何回もやる気にさせてくれる。
このゲームの場合単なる「ゼルダの真似」ではなく、4種類の精霊の使い使い分けや、独特のアクション(特に「しゃがみ」をうまく使ってある)コマンド必殺技等で独自の面白さを作り出している。
キャラクターはリアル等身なので、ゼルダよりもよりアクションが判り易く、パターン数も結構な量が用意されている。(とはいっても「引っ張る」「持ち上げる」「ぶら下がる」「よじ登る」などのアクションがないので、全体として見るとそうでもない)
グラフィックは色数が少ないメガドライブの欠点を逆手に取った、中々おしゃれな感じのよい絵で(こういうあっさりした描き方は昨今の流行でもある)目に優しい気もする。
音楽もなかなか良く、切れ目を感じさせずつながっていてかなり凄いのだが、効果音が流石に「叫び声を作曲した男」古代というか、メガドライブとは思えない音を出してくれる。
問題点としては敵キャラクターの種類が割と少な目であること、NPCの台詞や役割が薄いこと、ボスのアクションがもう一つなこと、おまけイベントが少ないこと。
要するに制作者が容量不足に泣いているのが、ゲームをやっていて解るのである。
そこで結論。
「中々の傑作、エインシャントに注目せよ」
1998-03-12