カプコンの屋台骨を傾がせたと言う映画ストリートファイターを元に、カプコンU.S.A.が製作したゲームセンター版を元に、日本のカプコンが手直ししたという、いささかややこしい移植作(つーか、移植じゃ無いけど)。
基本的にはスーパーストリートファイターⅡXなのだが、キャラクターが実写取り込みであることが最大の違い。
ジャン・クロード・ヴァンダムやカイリー・ミノーグが自分のキャラとして使えるのだから、凄いと言えばかなり凄いゲームである。
ストリートファイターゼロでは、映画の主題歌がついてないが、このゲームはムービーモードをクリアすると、ちゃんと主題歌のチャゲ&アスカのSamething Thereのプロモーションムービーが拝める。
ただ、チャゲアスファンも、このゲームにそんなフィーチャーがあるなんてことは知らないと思う。
ゲームセンター版からの移植度という点では、まったく違うゲームになっていると言ってもいいくらいの違いようで(たから移植じゃ無いんだって)、全体にモータルコンバットのようなアメリカンなコマンドやバランスをかなり日本向けに調整してあり、遊びやすくなっている。
ただ、個人的には声が日本向けに大人しくなっているが、アーケードのリュウのいかにも英語圏の人が喋ったとわかる「たったきせぷーキャク」「しょリューけん」「はっDoけん」みたいなボイスのままの方がイカしてたと思う。チュンリーもアーケードでは、やたらうるさかったし。
映画のストーリーを追う形で戦っていくムービーバトルは、主人公ガイルを使ってコンピュータと戦っていき、途中の選択肢によってストーリーや挿入されるムービーが変わると言う、中途半端なアドベンチャーじたてになっているが、意外に出来がいい。もっと本気でこのモードを作りこんでいったら、かなり面白いものになるような気がした。
ただ、このゲームでは、あんまり本気じゃ無いのが問題だが。
ただの色物に見られがちな本作だが、アーケードからの変更にあたって、意外にしっかりとバランス調整がされており、スーパーストリートファイターⅡXの代わりに遊んでもいいくらいの出来になっている。
ただ、スーパーストリートファイターⅡXがストリートファイターコレクションという形で移植されている今、あえて本作で遊ぶのは、恐怖のハラキリ野郎「キャプテンサワダ」で遊びたいから、という理由以外はあまりないかもしれない。
そこで結論。
ただの色物に非ず、いろんな意味面白い