この作品は、ゲームセンターのゲームの移植であるが、ST-V(ゲームセンター用のサターン基盤)で製作されているので、移植は完璧である。
基本的な構成は、同社(彩京)の「戦国ブレード」を踏襲しているが、本作では「斬る」ボタンが付き格闘アクション的な要素が付け加えられている。
キャラクターデザインに寺田克也氏を迎え、超美麗なレンダリングCGによるグラフィックで、圧倒的な迫力の世界観を提示する。
とにかく、キャラクターのモデルの作り込みは尋常ではなく、物凄くクオリティが高い。3DCGにありがちな生物の不自然さが、映画のCGなみに少ないのは感心するばかり。
横スクロールで人型の自機(本作の場合は人そのもの)は、判定の中心は胸のあたりにあるだろうと想像はつくのだが、キャラクターが縦長で、弾の飛んでくる方向に広い面積を向ける上に、キャラクターの中心に当たり判定が来ないなど、判定が分りにくいという問題点がある。
これは「戦国ブレード」でも問題となっていたが、特に改善されておらず、どこまでが弾が当る部分なのかが、非常に分りにくい。むしろ体全体に「くらい判定」があったほうが分かりやすかっただろう。
魔法はボタンが用意されているが、「→→斬」等のコマンドにした方が良かったかもしれない。少し難しいぐらいが魔法っぽいし。
連続技が装備されているが、「斬」のボタンしか使わないので、今一つリズム感に欠ける上に、レバー入れ操作が入っているので、キャラクターがあらぬ方向に動いてしまうことがあり、あまりよろしく無い。これは「斬・斬・ショット」などのように一つ別のボタンを入れておけば回避できたろう(バーチャファイターでお馴染みのPPKと同じでもあり親しみもあるし)どちらにしろ、今一つコマンド受付が厳しめなので、使いにくいのが一番の問題だろう。
格闘アクション+シューティングの名作として、カプコンの「エイリアンVSプレデター」と言うゲームがある。もう少し、そのあたりのゲームを研究して欲しかった。
さて、移植に際して、オリジナルモードが追加されており、簡単に言えばシューティングRPGって感じのものである。
これが、おまけの域は出ていないものの、けっこう遊べる。「頭脳戦艦ガル」とは比べ物にならない(いや、他にシューティングRPGってのがパッと浮かばなかったもんで、すんません)
こちらをメインにして作り込めば、傑作になったかもしれない。
そこで結論。
「絵は凄いが、ゲームとしては、練り込み不足」
2001-01-04