「ランドストーカー」のクライマックスが、タイトーと組んで、スーパーファミコンに送る3D冒険活劇。
高低差のある立体的なマップは存在感十分。映画的演出も取り入れた、エンターテイメント作品。
数年後に出ていたら怪しいゲームと勘違いされかねないタイトルだが、もちろん怪しいものでは無い。
アクションRPGに分類したが、アクションの重要性は低く、クライマックス(タイトー)は特にアクションRPGとは言っていないし、リアルタイムRPG程度の操作しか要求されないので、アクションの面白さは期待してはいけない。
基本的にはコマンド式RPGのシステムを使っていて、フィールドを移動していると敵との遭遇(エンカウント)が起こり戦闘に突入するようになっている。
ただし、戦闘シーンは移動フィールドとの切り替えが無く、今まで移動していたところがそのまま戦闘フィールドになる。
アクション的には、主人公はジャンプしないこともあり、シビアなトラップなど無いし、「ランドストーカー」のように高さが良く判らない事もほとんど無い。
また、トラップやパズルもあっさりしていて、すいすい進む。
さらに敵の強さもかなり手加減している感じで、レベルアップの早さもあり、経験値稼ぎの必要は全く無い。また、金もどんどんたまる。
おかげで、アイテムの重要度も落ち、勢いマップを細かく調べようと言う気も起きにくい。
この状態はゲームが終わるまで続き、マニュアルに書いてあるアイテムや敵、また呪文など確認する前に、スタートから10時間強でエンディングを迎えてしまった。
実になんともあっさりした仕上がりを見せていて、「ランドストーカー」を期待して買った人は肩すかしを食らったに違いない。
主人公のレディは、はちゃめちゃな性格で騒動ばかり起こしているという設定だが、ゲーム中ではあまりレディの性格は反映されず、「普通の勇者」になっちゃっているのは残念。
ちなみに、スーパーファミコンのコントローラは、斜めに入りにくい特性があるので、クォータービューの本作では、少々慣れるまで時間がかかる。
箱庭的感覚やテンポのいい展開は評価できるものの、アイテムの数や台詞量も含め、色々な意味でボリューム不足である事を否定できない。
そこで結論。
「手軽にしすぎた風もあるが良作」
1998-10-09