SEGAのスーパープログラマー中氏率いるソニックチームが放つ新感覚アクション。
飛ぶことの快感を追求した、ゲームの新次元を切り開く意欲作、サターンで登場。
最初は普通のアクションゲームの感覚で始めるのだが、だんだんこのゲームの持っているベクトルに気付く、ジャンルは違うが、このゲームはレースゲーム的ストイックさを持っていて、コース取りがだんだん洗練されてくる自分にワクワクすることができる。
このゲームのすごいと言うか恐ろしいところは、それだけではなく、毎回違うゲーム内の生命体や音楽を通じて、プレイヤーが世界に干渉でき、その結果を肌で感じることができることだ。
プレイヤーによって、このゲームの楽しみ方は、千差万別と言える。
まったく新規のゲームシステムなので、攻略方法を自分の手で、一つ一つ見つけ出す楽しみがあり、だんだんうまくなっていく実感がはっきりと掴める。
(もちろん、他のゲームでも自分の手で攻略法を見つけ出すのだが、大体一度遊んだことのあるシステムは「お約束」が解っているので、この手の楽しみは、どうしても薄くなる)
こういう感覚は、私個人では「バーチャファイター」(2ではない)以来のことで「ゲームってやっぱり面白いなぁ」と、一人頷く。
一見3Dアクションゲームに見えるが、基本的にゲームは2Dで、見た目ほど操作は複雑ではない(なんと言っても「ソニックチーム伝統のワンボタンアクション」である)
ムービーの質が良く、いよいよレンダリングCGのキャラも「演技」が出来るようになってきたかと、感心した。
グラフィックに関しては、もう「サターンユーザーはこんなゲームが動くマシンを持っていることを感謝せずにはいられない」出来で、テキストオンリーの時代からのゲームファンの私としては「恐ろしい世の中になったモンだ」と感慨もひとしお。
また、最終ステージからエンディングにかけての演出が秀逸で、私なんかは「背筋が震え」てしまった。
そして、忘れてはならないのが音楽の出来の良さで、ゲームの進行に合わせて変化するBGMもさる事ながらエンディング挿入歌が素晴らしく、ぜひとも頑張って聞いて欲しい。
設定関係も優れており、特にワイドテレビモードが用意されているのが秀逸。
クリアのレベルでオプションもどんどん増えるので、ついつい途中で止められず続けてしまう。
余談だが、このゲームキャラクターのデザイン、ビジュアルの色彩、音楽、ストーリー、全て明かに「世界」を意識した作りになっており、凡百のゲームと一線を画している(まぁ、世界を意識しないとつまらないゲームになると言う訳ではないが)
さらに余談だが、マルコンじゃなくても問題なく操作できるが、親指が痛くなること必至。できればマルコンで遊ぶことを薦める。
そこで結論。
「ゲームの歴史に残る大傑作。遊べ!」
1998-07-24 1998-07-26