ガンダム無双 スペシャル

対応機種・周辺機器
PlayStation 2
ジャンル
3D格闘アクション
著作・制作
(c)バンダイナムコゲームス / コーエー / 創通・サンライズ 2008

基本情報

 サンライズの「ガンダム」とコーエーの「無双」の夢のタッグ。
 PS3初期の牽引役の一つともなったタイトルだが、PS3本体の販売は長い間ふるわず、PS2でも発売される事となったのが本作。

 Specialと大層なタイトルが付いているが、シナリオが多少増えたぐらいで、内容は大して変わっていない。

システム

 安心の「無双」のシステム。かなりの部分は作業なんだけど、それが面白い。
 プチプチシートを潰して行く地味な作業を派手なアクションとグラフィックで演出したゲーム、と個人的には認識している。

 まともに解説すると、3Dのフィールド上に大量に配置された敵味方のキャラが、リアルタイムに戦闘・進軍している中を、桁外れの戦闘力を持ったプレイヤーキャラが駆け抜け、戦場に影響を与えて行くゲームである。
 大量の兵隊がわらわらと進むさまは「ボコスカウォーズ」や「ファーストクイーン」、あるいは「ロードモナーク」や「ピクミン」のようではあるが、プレイヤーに指揮官的性格はほとんどなく、1キャラとして行動するのが無双シリーズの特徴。

ガンダムゲームとして

 ほとんどの時間、大量に並んだザクを始めとするザコメカを、ガンダムがビームサーベルで、それこそザックザックと斬って行く映像を見続ける事になる。
 アニメ本編では、基本的にガンダムが剣で戦う場合は1対1、大量の相手をする場合は銃という戦闘パターンなので、ぜんぜんらしくない。
 また、ザコがビックリするほどの棒立ちで、やる気一切なしなの姿勢に衝撃を受ける。
 全体的に敵の体力が多く、倒すのに時間がかかる。特にボス機の体力がやたらとあり、ボス戦は味方機と一緒になってとにかく地面に落とさないで長い間お手玉し続けるゲームとなってしまっている。
 それに単体の飛び道具の威力が低く、あまりに使わないので存在を忘れてしまうほど。
 決まるまでのドラマはあったが、攻撃としては大抵1撃で勝負が決していたアニメとは天地のイメージの差がある。

 Gガンダムはアニメがほぼ格闘戦だったし、大量のザコをあっという間に全滅させるような展開もあったので、ほとんど違和感がない。
 ただ、個人的には、GガンダムとガンダムWは外して、Vガンダムを入れてくれたら、富野ガンダムで固まってて良かったのだが。
 あとターンエーガンダムのパイロットがロラン一人だけなのが残念。アッガイなどのちょっと愉快な外観のモビルスーツがいないので、ぜひカプルとソシエ・ハイム嬢をチョイスして欲しかったところ。
 核爆弾の設定が取り込まれてないのは、ターンエーがメインのシナリオじゃないからなんだろうけど残念。あの緊張感は半端ないのに。

 ガンダム・Z・ZZの最初の3作のストーリーをダイジェストで追って行くのが、オフィシャルモード。
 アニメと違い、色々なキャラクタで体験できるようになっているのに、頑張って主人公を返り討ちにしたりしても、ムービーで劇中の展開に戻されしまうという、カミーユもびっくりの修正っぷりにがっかり。

 同じバンダイの「スーパーロボット大戦」のように、作品を越えてキャラとメカが集まって話が進むのが、オリジナルモード。
 18ものいろんなキャラが使えるシナリオが用意してあるものの、キャラが変わったけど話の展開は一緒だったりしてマップの使い回しが激しく、新しいシナリオと言っても新鮮味はない。
 ガンダムVSターンエーの夢のガンダムハンマー対決とか、要所に各キャラ毎のムービーが用意されているのが救い。
 シナリオ自体は大したものではないが、木星つながりでシロッコになつくジュドーが面白く、ピッコロさんになつく孫悟飯になぞらえて「シッコロさん!」と心の中で呼びつつ楽しんだ。

 チャージ攻撃の時や、撃墜数が一定に達した時、ピンチの時など、各キャラの劇中での台詞が使われる。
 短い台詞の中に、いろいろな感情が凝縮されていて、ひたすら繰り返されるのに聞き飽きない。
 ガンダムというアニメは、実に台詞アニメなのだなぁ、と再確認。
 他のゲームも、だらだら喋らせないで、引き締まった台詞を使っていただきたい。
 ただ、所詮は名台詞の切り貼りなので、チグハグな感じは払拭できてないが。

アクションゲームとして

 無双シリーズの基本的な面白さを引き継いでいるので、当然面白い。
 大量のザコを、わっしわっしと斬り倒して行くのは、単純に楽しい。

 これまでの無双シリーズにないアクションとしてダッシュがあり、これがスピーディーな戦闘シーンを生み出していて非常に良い。
 友軍機がバラバラに進軍し、あちこちで危機に陥るため、フィールドを大きく移動する必要があるというマップデザインがなされている。
 そのために使う移動手段としては、ダッシュはいかにも遅い。馬という長距離移動手段が用意されているこれまでの無双シリーズと比べて、戦術レベルではちまちました印象。変形してダッシュより速く飛べる機体でも、スラスターゲージが続く間しか飛べないので、ちまちま感はさほど払拭されない。

 PS2のこれまでの無双シリーズと同じく、密集すると近くの敵が消える仕様はそのまま。1体のポリゴン数減らすとか、密度が高くなると立体でない板のキャラを混ぜるとかして、どうにか表示して欲しかったところだ。

その他システム

 戦って行くとレベルが上がって、各種能力が強化される。コレは良い。
 だが、パイロット毎にモビルスーツのレベルが設定されているので、別モビルスーツで戦うとイチから育て直しになってしまう。
 プレイヤーはそのモビルスーツを使い込んでいたとしても、パイロットが使った事がなかったらレベル1……プレイヤー感覚としておかしいだろ、このシステムは!!
 モビルスーツもプレイヤーが注ぎ込んだ時間のぶんだけ育ってないと納得いかない。

 あと、レベルアップで手に入るスキルや、部隊長を倒す事で手に入る強化パーツなどを組み合わせて行くパートが挿入されるタイミングが、戦闘開始直前しか存在しないのが気持ち悪い。
 戦闘中以外はいつでも設定できるようにしておくべき。

まとめ

 色々といちゃもんを付けているが、なんだかんだで全シナリオをクリアした。
 例えば、飛び道具が弱いという指摘をしたが、それを真に受けて、飛び道具を強くしていたら無双というシステムが崩壊しかねない。
 そういう「危ない橋」を周到に避け、PS3の立ち上がりにぶつけてきたプロデュース能力は、高く評価したい。
 本作の場合は「無双+ガンダム」という時点で大きな挑戦だったのだから、他の部分を手堅くまとめたクレバーさこそ評価されるべきだろう。

 そこで結論。

「無双+ガンダムで想像できるものをちゃんと出してきた。それは当然面白いのだ」


2012-07-05