拳銃をデザインモチーフとした戦闘機や戦車が、西部SFとでも言うべき独特の世界観を形作るシューティングの名作。
1991年直前、ゲームセンターにタイトーが送りだしたもののサターンへの移植作品である。
折しも「ストリートファイターII(1991年3月)」による対戦格闘ブームがはじまった頃だったので、ゲーセンはストII一色となり、ほとんどプレイすることなく消え去ってしまったことをよく覚えている。
ま、それはともかく。
基本的なシステムは、レバー+ショットとボンバーボタンの典型的なタイプ。
ボンバーは地上物を破壊したときにでる金塊をちまちまと25個集めると一回分の爆弾となる、25個溜まっていない時には数に応じた威力の攻撃だが一応ボンバーを撃つことができる。
ボンバーは発射後レバー操作可能で、ボンバーの使い所がゲームのポイントとなっている。
メインショットはパワーアップアイテムを5つ取る毎に強化される。まぁ、これは普通だ。
記憶の中の効果音にくらべると、随分チープに感じた。
おかしーなーと思って「サターン」と「ガンフロンティア」で検索したら、罵詈雑言がでるわでるわ。全然移植になってないらしい。つーか、ほとんどやってない人間に一撃で気付かれてどうするよ。
一応、グラフィックは基本的にはアーケード版そのままのようだ。
90年当時として考えると、基本的なゲームのレベルは非常に高く、弾避けがアツいゲームである。特に演出面で優れていて、ボスの出現の画像効果や間の取りかたが上手い。
ものだったんだが、なんか移植版は間延びしてたり、チャカチャカしてたりする。うーん。
たしか、このゲーム、無駄に連射するとゲームランクが上がっていくというシステムを採用していた。
当時、シューティングゲームには店のサービスとしてハードウェア的な連射装置が付いてくることも増えていたので、それの防止策なのではないかと思うのだが、あまりいい評判は聞かない。個人的にも嫌いなシステムだ。好きな時に好きなだけ撃たせて欲しい。
でも、このゲーム、ランクが上がってないよーで、難度がマイルド。「移植」って一体…。いや、連射でランクが上がるのは良くないと思うけど、「移植」なんだから別モードにしないとダメでしょ。
そんなわけで、敵のパターンなんかも同じはずもなく、大変なもののよう。私はやり込む前に消えちゃったので良く分からないが。
家庭用に画面を横向きに表示する(つまりTVを縦に置く)モードが搭載されているが、画面を本当に縦にすることができる人間なんかほとんどいない。画面は横向きにして操作方向もTVを横のままプレイできるモードを付けないのは愚策もいいところ。
TVを縦にできない人は、このゲームの価値、さらに80%減。
しかたなく、上下の切れたモードで遊ぶことになるが、画面外から敵が撃ってきたりして、ゲームが3割増しで難しくなる、酷い。
他に、オープニングの声がものすっごい素人で、雰囲気ぶちこわし。記憶では、アーケードにはなかったと思う。
移植に際して一つ評価できることは、今は亡きアーケードゲーム攻略誌「ゲーメスト」による攻略小冊子が付いていることだ。
内容は良くも悪くもゲーメストだが、シューティングゲームは敷き居が高くなりがちなので、なんらかの攻略上のサポートをするのは、とても良いことと言える。
でも、「当時の熱き想いが甦る」とか書いちゃダメでしょ。神経逆なでで、別の方向でアツくなっちゃう人がでるよ。
移植作でなくて単体として見ると、単なる凡作。
そこで結論。
「遊びにくく、コレクターズアイテム以上の価値はあまりない」
2001-11-22