クロックワークナイト〜ペパルーチョの福袋〜

対応機種・周辺機器
SATURN
ジャンル
横スクロールジャンプアクション
著作・制作
(c)SEGA 1994,1995

 このソフトはサターン初期のラインナップの一つとしてリリースされた「クロックワークナイト〜ペパルーチョの冒険〜上巻」とその後に完結編としてリリースされた下巻をまとめて1枚にした、いわゆるお買い得パックである。

 ゲームはいわゆる「マリオタイプ」と言われる横スクロールアクションである。
 ただしこの作品の背景はポリゴンで構成されており、奥行きを利用したトラップがふんだんに盛り込まれていて(特に下巻)実に面白い。
 ステージも一本道ではなく多くの分岐や、仕掛けが用意されており1回や2回のプレイでは、その全容を掴ませない。

 主人公のゼンマイの騎士(トンガラ=ド=ペパルーチョ)のアクションも、表示にスプライトを使用しているようだが、かなりパターンが豊富で良く動く。
 しかもそのアクション(歩く、走る、急停止、ジャンプ、ダッシュジャンプ、見上げる、しゃがむ、下を見る、攻撃、連続攻撃、下段攻撃、下段連続攻撃持ち上げ、ほうり投げ、押す、引く等々)が全て方向ボタンと2ボタンで出来るようになっていて、かつ操作性も抜群である。
 ちなみに、キャラクターやステージは、事前にモデリングしたもの(スーパードンキーコングと似た方式)かポリゴンを使っているので、全体の統一感がとれている。
 オープニングやステージ間のデモ等で流れるアニメは、非常に質が高い、使用されているオブジェクトはとんでもなく多いし、動きもまた良く、音楽とのシンクロがうまくいっている(ちなみに上巻や下巻のグラフィックにさらに細かな修正が入っているようだ)
 また、ボーカル入りの曲も1つを除き「本体の音源で演奏している」ようだが、それと気付く人は殆どいないと思われるほどクオリティは高い(ちなみに福袋でない方はCD音源を使用していた)
 音楽も耳に残るいい感じのもので、これもかなり質が高い部類にはいると思われる。
 雑誌での評価を見るとかなり低めだが、「何故低めなのか良く判らない」はっきりいって「殿堂入りの面白さ」がある。

 上巻のエンディング曲など、一部削除された部分もあって残念だが、基本的にいろいろとおまけが増えているので、値段も含め「福袋」の方がお得と言えるだろう。

 そこで結論。

「名作の影に埋もれた傑作(サターンユーザー必携)」


1997-11-02