「不思議のダンジョン トルネコの大冒険」に続く不思議のダンジョンシリーズ第二弾。
今度は和風の世界で風来人(ふうらいにん)のシレンが冒険を繰り広げる。
音楽にすぎやまこういちを迎え「和風ドラクエ」のメロディを奏で、グラフィックもさらに美しくパワーアップ
風来のシレンはローグタイプのゲームである。
ローグタイプの特徴は、ダンジョンがプレイの度に自動生成される、力尽きるとレベル1から再開、マップは2Dで、行動はターン制、繰り返しプレイが基本のRPGといったところ。
実のところ、家庭用ゲームではマトモなローグタイプは不思議のダンジョンシリーズ以外では遊べないと言ってもいい。
不思議のダンジョンは、ローグのルールがほとんど通用する、口の悪い人からするとパクりでしかないものではあるが、本作の場合は、良いところをちゃんと取り悪いところを改良している。
ひと行動毎に状態が保存されるので、リセットによる緊張感の欠落がない。
一つのアイテムに幾つかの使い方が存在するので、無駄になるアイテムが少なく、工夫する余地が多い。例えば「薬草」は体力が回復するだけで無く、満腹度が上がる、投げてNPCの体力を回復する、ある種のモンスターに高いダメージを与える、もちろん店で売れる。
今回初登場の「壺」は、持てるアイテムの数を増やすだけでなく、アイテムを合成したり、識別したりと様々な種類があり、ゲームに幅を持たせる事に成功している。
時間を使って一生懸命プレイしたのに、力つきればレベル1になり最初の町に戻り、アイテムも無くなってしまう、これではやる気を無くしてしまう人も多いだろうが、この作品の場合、救済策が用意されていて、倉庫の壺や飛脚を利用してアイテムを残したり、町の様子が変わって色々と便利になったり、冒険を助けてくれるNPCが増えたりして、だんだん楽になってくるように調整されている。
また、「フェイの問題」という極簡単なパズルが用意されていて、初心者でもゲームのルールを少しずつ覚えていく事ができるようになっている。その上、上級者用のダンジョンがさらに3つ用意されていて、手ごたえのあるゲームが好きな人でも、満足できる調整がされている。結果、かなり幅の広い層にアピールできるバランスとなっている。
サターンやプレイステーションなどが所謂「次世代機戦争」を繰り広げていた時期に発売されたこともある上に、トルネコ(ドラクエ)というネームバリューも無くしたため、前作「トルネコの冒険」から格段の進歩を遂げたにもかかわらず、売り上げ的には今一歩。
ローソンのロッピーで書き換えが出来るので、幸い2002年現在、入手は容易であるのでスーパーファミコンユーザーはぜひ遊んで欲しい。
そこで結論。
「ローグタイプRPGの頂点、遊びまくれ」
2002-01-16