アクションRPGのファルコムが送る、本格派ファンタジーダンジョンRPGの続編が、パソコンから移植された。
リアルタイム進行の緊張感と、フルマウスオペレーションの軽快な操作が、プレイヤーをグイグイ世界に引き込む。
今度は、舞台も森に島に城や塔、そしてもちろんダンジョンと、バラエティに富んだ舞台も魅力だ。
前作は対応していなかったが、本作ではマウス操作も受け付けている。
とはいえ、もともとが、たいしてマウスである必然性も大きく無いゲームなので、パッドで困ることは、アイテムの整理と、魔法の重ねがけぐらいのものである。
マウス操作は、慣れるまでにかなりの時間もかかるので、無理にマウスを購入する必要も無いだろう。
今回も、剣を使える回数が決まっていてるのだが、鍛冶屋で打ち直して回復させることができるようになり、前作程の面倒は無くなったが、ゲームが面白くなるシステムまで昇華することはできていない。
本作では、防御や攻撃力を高めるタイプの、多くのRPGで役にたたないことが多い魔法が強力で、これにより魔法の使い分けが重要となり、ゲームを面白くしている。
常に左下に周辺のマップが表示され、自分が向いている方向も表示されるようになり、かなり迷いにくくなったが、方向の表示方法や、オート移動にフロアマップの表示機能とほぼ同様の表示があることと合わせ、後一歩工夫が欲しい。
アイテム選択や、調べる関係の操作性が向上し、かなり遊びやすくなったが、残念ながら、移動における操作性はさほどの向上は見られない。
後一歩つめれば操作性に関しては、文句のない出来になるので、非常に惜しい。
舞台がバラエティに富んだことにより中だるみが無く、街ができたことによりストーリー性も上がった。これらにより、全体が引き締まった印象を受ける。
24MのROMを使用しさらに圧縮技術も上がったと見え、少々無駄に容量を使っている感じもするぐらいに、一枚絵のCGが挿入されるようになった。音声さえ付けばCD-ROM並みである。
途中にレベルアップ効率の良い敵や場所が配置されているようで、前作に較べ、かなりバランスの取り方が良くなっている。
オート移動が付いたことにより、広大なマップを移動する手間もかなり減った。ワープでは無く、自動でキャラクターがそこまで移動するのだ。このオート移動は、プログラム的にもかなり良くできている。
敵の残り体力が表示されるようになり、魔法やアイテムの効果が良く解り、作戦が立てやすくなったのも、ゲームのバランスを良くしている。
総じて、引っ掛かりを感じること無く、少々特殊なゲームシステムをかなり使いこなし、こなれてきたとも言える。
前作で良かった部分も、パワーアップしこそすれ、悪くなったところは無く、実に行き届いたものである。
前作で2つあったセーブファイルが、本作では1つしか無いのが、唯一パワーダウンしている部分と言える。
しかし、その部分も諸々の問題点と共に、後に出た「ブランディッシュ2 エキスパート」でクリアされていたと思う。少々高いぐらいならエキスパートを購入するべきだろう。
そこで結論。
「あらゆる面で前作からパワーアップした、ARPGの傑作」
1999-04-19