ぽっぷるメイル

対応機種・周辺機器
SUPER FAMICOM
ジャンル
アクションロールプレイングゲーム
著作・制作
(c)FALCOM 1994

 元気なエルフの女の子、メイルが繰り広げる大冒険。
 サイドビューアクションの剣と魔法のライトファンタジー。

 たしかこのゲーム、ファルコムがPC-88用のゲームとして最後に投入したタイトルだったと思う。
 記憶によるとキャッチコピーが「ファルコムは88を見捨てません」とかいうやつだったような気がする。なかなか泣かせるじゃないか、ファルコム。

 システムはほとんど、同社の同じサイドビューのアクションロールプレイングである「イースIII」を踏襲している。
 絵柄が非常にアニメチックなものになっていて、ライト層を狙っているのがはっきり解るのだが、ゲームそのものはちょっと軽くなり過ぎた感がある。

 イベント、マップ、キャラクターパターン、アイテム、どれをとっても充実しているとは言い難く、あっさりしたものである。
 クリアまで大体5〜7時間程度っていうのは、いくらなんでも短すぎはしないだろうか。徹夜してクリアって言うのは、ほとんど「ドラゴンクエストI」の時代の感覚である。短くても良いのだが、その分値段を安くしてもらわないと納得がいかない。

 ボスの行動パターン等は「イースIII」と比べると、かなり改善されていて、ちゃんとアクションゲームらしく遊べるが、それでもナムコの「ドラゴンバスター」の方が面白いと思うのは、単なるノスタルジーでは無いだろう。
 キャラクターを入れ替えて障害をクリアしていくシステム等は、ファミコンに出ていたファルコムの「ドラゴンスレイヤーIV(ドラスレファミリー)」とほとんど同じである(ちなみに、ドラスレIVもサイドビューのアクションRPG)
 そんな感じで、まったく新しいところが無い、「ネタがつきたんで、キャラクターをアニメチックにして誤魔化した」って感じもしないでも無い。

 グラフィックは基本的にSFCに合ったアレンジがなされているが、フレーム等に中途半端にオリジナルの雰囲気が残っており、アレンジに大胆さが欠けるのは否めない。
 BGMは非常にファルコム臭いのだが、これがまた「ネタが無いのでフレーズ使い回した」って感じである。

 PC-88版の他にPC-ENGINE版が出ているのだが、アニメ絵とキャラクターを前面に出した軽いストーリーは、断然CD-ROMで展開するべきタイトルである。
 私は高かったので安くなるのを待っているうちに買いそびれ、しょうがなくSFC版を買った次第。買うならPC-ENGINE版にしておこう。
 オリジナルをプレイしたことは無いのだが、どーも、かなり端折られているようだ。やたらと空家があるし、ストーリーも唐突なことが多い。
 そういえば、イベントシーンはオリジナルでは紙芝居風に展開されていたような気がする。もちろん、このSFC版では容量の関係上そんな贅沢はできない。キャラを前面に出したものとしては、かなり厳しい。かろうじてエンディングが紙芝居になっている。

 いろいろ苦言を並べたが、標準レベルはクリアしており、良くできていると言えないまでも、悪く無い感じには仕上がってている。
 また逆に、ボリュームが余り無く、難易度もそこそこで軽く遊べるところが、このゲームの最大の美点であるとも言える。

 そこで結論。

「元は悪く無いのだろうが、ROM向けにアレンジしきれてない」


1999-04-06