ヘラクレスの栄光IV−神々からの贈り物−

対応機種・周辺機器
SUPEER FAMICOM
ジャンル
ファンタジーRPG
著作・制作
(c)DATA EAST 1994

 グラフィックや音楽は今一つで「なんかコレつまらないんちゃう?」といった感じを受けるが、このゲームの本質はそんな表層にある物ではない。
 とにかく、シナリオや台詞回しが秀逸で、ツボをグイッと押さえている。
 また、システムのベーシックな部分はもちろん、今回の新しい要素である「トランスファーシステム」は100人以上のキャラクターに乗り移れると言う「破綻必至」のシステムが、驚くべきことに、きちんとまとまっていて、しかも非常に面白い。
 順主人公のプラトンは子持ちの愛妻家というファミコンRPGにあるまじき設定で、相変わらずシナリオが渋い。
 イベントも切なく、本気で「人間ってなんだろう」などと考えに耽ってしまう。
 このゲームは魔王を倒す事が目的では無く、アイデンティティの探索が目的となっている、実にギリシャ神話ベースに相応しい哲学的目的と言えよう。
 RPG嫌いの人や、ある程度上の年齢の人にぜひ遊んで欲しい。

 ちなみに、ゲームのタイトルであるヘラクレスは最初こそ主人公だったものの、シリーズが進む毎に脇役度が高まり、このIVにいたってはちょっと印象的なバイプレイヤーというだけの人物(半神)になっている。

 ゲームそのものもアニメーションのテンポも良くサクサク遊べるし、クリア後の遊びも充実していて、とても遊べるゲームに仕上がっている。

 そこで結論。

「FFとドラクエだけが名作RPGじゃないぞ」


1998-08-01