プレイステーションで一世を風靡し、カプコンの傾いた屋台骨を立て直したことで有名なバイオハザードがサターンに移植された。
言うならば InfogramesAlone in the Darkのナイト オブ ザ リビングデッド(映画)風、というかこれでほとんど言い尽くしている気もするな(わはは)
既存のタイトルを使わずに説明すると、事前に緻密にレンダリングされた背景の中を、ラジコン操作風に前進と回転で移動し、襲いくるゾンビを様々な武器を駆使して打ち倒しつつ、屋敷の仕掛けを解いて脱出する、そんなゲーム。
単なる猿真似ゲームではなく、同社のスイートホームで培ったノウハウが如何なく発揮されている。
部屋を移動する際に、黒バックの画面にドアや階段がアップで表示されアニメーションする。
次の部屋に化け物がいるんじゃ無いかというドキドキ感を盛り上げる演出としても良くできているが、データを読み込む際の待ち時間をそれと思わせない工夫としての効果も高い。「Now Loading...」などと画面に出ていたら、このゲームの面白みは一気に無くなっていたろう。
ムービーによる演出が最低限で、イベントはゲーム中そのままのキャラクターと背景が使われるのもよい、ムービーが始まると「その間は攻撃されない」ことがプレーヤーにバレてしまうので、ホラーゲームではムービーは大敵である。
ムービーと言えば、サターンで追加された実写ムービーは必要性が疑問視される。かなり浮いている。
それに、音声が英語なのはキャラクターが英語圏の人間だとしても、ちょっといただけない。
好きずきかもしれないが、どうもハリウッド映画に迎合している感じでムズがゆい。
他にも音や音楽が凝っていて、高い効果を上げている。
悪い部分は、セーブ回数に限りがあること、喪失感の演出として有効ではあるのだが、恐怖云々より「ただただ面倒」。エネミーゼロよりはずいぶんましだが。
悪い点は、キャラクターの動きがちゃちいこと、トゥームレイダーに比べると、ジャンプも無いし、地面を這いずり回っている印象で、アクションシューティングゲームとしての爽快感はほとんど無い。それを求めるゲームでも無いが。
難しいのは、ラジコン操作に慣れない、画面切替で視点が急に変わるので戸惑う、演出で必要以上にパニクる、というところだが、基本的にはオート照準とゾンビの動きが遅いこともあって、かなり簡単な部類と言える。
ヒットしたのは、アクションが簡単だったため間口が広がったのが要因の一つだろう。
そこで結論。
演出次第でゲームは化けることを証明した快作
2001-10-05