私は「イース」が大好きである。どのくらい好きかというと、FM-7版に始まりMSX2版、ファミコン版、X68K版とプレイし、このPC-ENGINE版も入れると二桁は軽くプレイしている。しかも飽きない。
このPC-ENGINEバージョンのイース(以下PCYs)はIとIIをまとめたモノで、お買い得感が高い。
PCYsしかプレイしない人にとってはそんなに関係無いかもしれないが、私はPCYsで気に入らないところがある。Ysの良いところの一つとして、「前半でキャラが成長しきって、後半はアクションゲームとしての側面が色濃く出てくること」があるのだが、PCYsは「ゲームが終わるまで成長しきることがなかった」のである。
これがどういうことを意味するかというと、端的に言えば「ゲームバランスの崩壊」であり、具体的に言えば「なにこのボス無茶弱ーっ」である。
細かい演出や台詞の置き換えがうまくいっているだけに、実に惜しい。
音楽はアレンジの効いたものがCDから流れてきて、かなり良い。もともとYsは音楽や効果音のよくできたゲームだが、PCYsでシリーズの頂点を極めたと言っても良いかもしれない。(X68K版のアレンジも捨て難い)
PC-ENGINEの移植の定版として、喋るようになるという点がある、このPCYsも例外ではない、また全てCD音源なので全くノイズがないクリアな音声で、バックにBGMまでついている。ただし、音楽CDを再生しているだけの為、量は多くない。
YsIIが出た当時「女の子が振り向く!」というだけで大騒ぎになったモノだが、PCYsはCDROMマシンらしく、さらによく動く。
(余談だが、当時のゲームでアニメーションというと、スクウェアの「ウィル」など、何故か必ず「女の子が振り向いて」いた)
ただ、まだPC-ENGINEのクセを掴んでいなかったようで、少々最新のゲームに比べると粗い感じがする。
絵柄も(当時にしても)古い。
私が「良いところを上げるときりがない」のだが、一応簡単に列挙しておく。
難しくない。(ゲームの難易度をYs以前とYs以後で分けることが出来るほどエポックメイキングな易しさだったが、現在では難しい部類に入ってしまうかも)
アクションゲームとしても面白い。
マップグラフィックが四角で構成されておらず実に自然。
効果音が実によい。音楽も場面に良くハマっていて且つ単体でも非常にレベルが高い。
シナリオの奥が深く、伏線がきっちりと決まっている。
的確なヒントに秀逸なトラップやイベントのアイディア。
ゲームのバランス(特にボス戦)の良さ。
判り易いアイコンに、抜群の操作性。
練り込まれたマップ構成。
効率の良いアクセスタイミングで苛々がない。
演出が良くゲームを盛り上げてくれる。
etc.etc.
もちろんPCYsの出来も非常に高くPC-ENGINEでなにかオススメのもの、という時に上げなければいけないソフトの一つであることは間違い無い。
そこで結論。
「いいから遊べ!コンピュータゲームをする人間の義務だ!」
1997-11-15 1997-12-03