MVのマップ画像に物申す
はじめて作ったツクールのゲームの、主にマップの画像について気が付いたこと気になったことを書いていきます。
できあがったゲームは、猫王子カフェイン(テスト版) - RPGアツマールです。
テスト版とかつけてますけど、お手持ちのブラウザがよほど古いものでなければ、問題なくプレイできると思います。
買って2年放置
えーとですね、RPGツクール MVを買ったのに、2年放置しちゃいました。
ちょっとずつマニュアル読んだりしてたんですが、どーにも気分が乗らなくて。
ツクールフォーラムができたばっかりの時に登録だけはしたんで、なんもツクールに触ってないのにβユーザのバッヂがついて気恥ずかしい。
そんな僕は、家庭用の据え置きゲーム機を中心にプレイするドラクエ好きなMacユーザー。
「JavaScriptチョットデキル」という感じですが、ツクールは触ったことなかったんですよねー。
二年目にして一念発起! とにかく作ってみよう
RPGツクールを手に入れたからには、最低でも一本はゲームを作って公開したい!
ということで、最小限の構成の1画面のゲームとして、部屋から脱出するゲームにしよう。
それで基本的なことは学べるし、脱出できた時点で完成したことにすればエターナルの海に漕ぎだすこともない!
頑張って部屋を作りました。
いやーマップタイルを置いていくの楽しいね!!
基本的に、マッピング大好きなので、世界樹の迷宮がオートマッピングじゃないの「分かってんなお前!」って思ったもんです。
正直、どう使っていいかよくわかんないタイルも多いし、A1とか書かれてもなんのことか分からんし、重ね合わせとかオートタイルとかこっちの意思と関係なく勝手に配置されるし。
UIも使いづらいし訳分からんのだけど、分からないなり使いづらいなりに楽しい。
ただマップを作ってキャラを動かすのが、盆栽とかNゲージとかドールハウス的な趣味として、今後定着するといいと思うよ!
そして操作キャラも、既存のキャラを使わずにキャラジェネレーターで作成。猫耳の王子様だ! 可愛い! (作成即親バカ)
楽しい。ジェネレーターで永遠に遊べるんじゃね? 任天堂のMiiもかなり長い時間かけてキャラ作りしてたものです。
あと、自分が昔作ったFace Makerってアプリを思い出すね。
顔だけに関しては各パーツの位置を調整できる分Face Makerの方が高性能だねっ、とか自画自賛したりもしましたが、昔のソフト過ぎて今の環境で動かない!
20年前ですよ。今の若い人にとっちゃ「終戦直後に真空管コンピュータにパンチカード読ませて作ってたのかよ!」って感じかと思います。
若人はパンチカードとかわかんないし、僕は永遠の紅顔の美少年(17)ですけどねっ! (おいおい)
だいたい満足いったので、この段階で一旦の完成ということにして、RPGアツマールに投稿してみました。
この段階では敵との戦闘がないゲームなので、割とスムースに脱出ゲームとして遊べるものができたように思います。
マップタイルの不満
マップをツクって喜んでいたのも最初の数日だけ、とりあえず1作目を公開できたこともあって、不満が噴出してきました。
さっきのマップの壁の部分、厚すぎません? ドラゴンクエストⅡで既に壁は半キャラに薄くなってたんですよ(縦に限り)、なのにいまどき壁が1キャラ分あるとかダサすぎる。
言うなればウィザードリィの壁に対するディープダンジョンのブロックみたいな、完全に無駄な面積になってて不愉快です!
それに、家具と壁との関係が不自然すぎる。なんだこの暖炉は、実は壁紙じゃないのか?
そもそも、本棚とか完全に壁から離れて置いてあるのが気になって、最初のマップ製作段階で、学習机風にしてごまかすテクニック使ってますからね。
検索したら、やはり気になる人はいるみたいで、◆デフォルトのタイルセットをすこーしだけ加工して、マップの見栄えを良くする方法 - RTB_project の 開発日誌という記事を発見。
早速、デフォルトのタイルを半キャラ分ずらす作業に突入。
それに、雪のタイルとか、同じ[タイルセット]に入ってるのおかしい。
同じ位置に雪のつもってるタイルを配置した別の[タイルセット]を用意すべきでしょ。
そうすれば、同じマップデータでも[タイルセット]を入れ替えるだけで雪景色にできるのに!
あと、階段とかの主要なタイルの位置は別の[タイルセット]でも揃えておきましょうよ、面倒臭い。
それから、壁の後ろ歩けないのもちょっとありえない。
ひたすらタイルの位置を調整して使いやすくする作業を続けました。
この頃だったと思うんですが、ドットグラフィック作成用エディタAsepriteを購入して、俄然効率が上がりました。
Mac、Windows、Ubuntuで動くソフトで、機能豊富で動作も軽快のオススメドットエディタです。
ということで、暖炉をちょっと壁の前に出したり、ベッドや椅子の位置をずらしたり、薄い壁をツクったり、手前の壁に重なることができたり、手前に窓を表示して重ね合わせの面白さを出してみたり、色々修正しました。
ただ、MVって1移動で1タイル動いちゃって、グラフィックのリアリティとレベルがあってなくて、非常に気持ち悪いです。
これに関してはトリアコンタンさんのHalfMoveってプラグインを入れてタイル半分ずつ移動できるようになりました。「世界に神は居たんだ!」って思いましたね。素晴らしい!
ちなみに、サンシロさんのSAN_AnalogMoveという、ドット単位の移動プラグインもあります。
あと、キャラの下に影がないのが気になったんで、GalvさんのGALV_Basic_ElementsShadowも導入しました。
キャラクタージェネレーターの不満
僕の可愛い猫王子のカフェイン君なんだけど、人の耳と猫の耳が一緒についてるのよね。
キャラクタジェネレーターだと耳がアクセサリ扱いになる…けものフレンズ(人耳2つケモ耳2つの計4つ)じゃなくてウマ娘プリティーダービー(ケモ耳2つ)にしたいわけですよ。
ケモナーは細かいこだわりがあって、全身フサフサこそケモでしょ、マズル(犬のような出っ張ってる口)でないと萌えない、足の形から羽や尻尾が出ている位置はここ! など「こうじゃなきゃ嫌だ!」というのがあります。
僕の場合は耳が四つは嫌なんですよ「二つで充分ですよ、勘弁してくださいよ」
いちおう人耳が隠れる髪型を選んでいたものの、歩行グラフィックで人耳が出るのが気になってしょうがない。
そんなわけで、ジェネレーターに使われている画像ファイルを解析して、人耳なしの画像を作り、人耳だけの画像を作り、合成できるようにして、ケモ耳と使い分けられるようにしたのです!
要望あればケモ耳用のジェネレータ素材を配布します。ただし、サイドビューには対応しておりませんし、耳周辺の髪に違和感が出るパターンも多いです。さらに従来のデータと共存できませんけどね。
英語フォーラムのBaka-chanさんが別の方法で作ってるので、とりあえずそちらはどうでしょうか。
やっぱり、世界共通に誰だって気になりますよね! なんでMV作ってる中の人たちは気にならないんだよっ!!
それから、動かしているうちに、キャラの頭身も気に入らなくなってきました。
標準のキャラは、1キャラ1タイルに対応させようとして、あまりに正方形にぴっちり合う形になってて頭デカすぎてバランス悪く、なんだか「ミクダヨー」って感じですよすよね…。
どーみても背景とリアリティのバランスが取れてなくて、この世界で生きてる人物に見えない。
と、こんな感じに修正しました。
ただ、これやっちゃうといわゆるモブキャラも同じように編集しなきゃいけなくなるし、マップとの重ね合わせは面倒になるしで、シロウトにはオススメできない。
…初めてのツクールゲームで、そういうのやっちゃうのどうなんでしょうね、ダメですよね(笑)
大人も子供も、おねーさんも。 頭身を上げましたっ!
将来、村や町を作ることを考えたら、人の数にクラクラしますね。
あと、棚やベッドの大きさに比べて扉のサイズがどー見ても小さかったので1.5倍にしました。
アップの顔は単体で見るとそんなに悪い絵じゃなくて、むしろジェネレーターで作ったとは思えないぐらい高品質だと思うんですよ。
自分の頭の中にあるキャラと合わせようとすると、髪型だったり年齢だったりアクセサリだったりが、ちょっと違うよなー、と。
これはMVとしては悪いところは無いと言っていいと思います。むしろジェネレーター頑張ってる!Face Makerほどじゃないけど頑張ってる(笑)
城タイルへの不満
部屋から脱出できるまでツクれたので、次はお城の外見をツクろうとしたんですが、ここで問題発生。
色々と気になるところはあるんですが、一番気になったのは「お城といったらこれ」というぐらいの重要パーツ「胸壁」です。
胸壁というのは城や城壁にある凸凹状のもので、弓兵が凹の隙間から矢を射ち凸壁に隠れる防御のための仕組みです。
チェスのキャッスル(あるいはルーク ♖・♜)でもおなじみですね。
で、MVの胸壁っぽいパーツがこれですよ…なんで正方形なんだよ…。
正方形だと縦にも横にも同じパーツを並べられてデータ量を減らせるというメリットがありますが、MVのデフォルトタイルの場合は上下左右が別データなんで全く意味ない。
あと曲面部分と厚さが異なる上に直線部分と綺麗につながらない、あとあと…
ついでにこれはMVのパーツの問題じゃなくてパーツを配置するときの製作者がやりがちなミスなんですけど。
城壁の胸壁って外側にしかつかないんですよ。
だって内側に矢を射つって城の本体に射つってことですよね、それってつまり「城外から攻めてきた敵が城壁を乗っ取った時」ぐらいしか発生しない場面ですよ。
そんな時に内側に胸壁があるとか完全に利敵行為じゃないですか、お金と労力をかけて城の防御力落とします?
だから内側には胸壁はなくて、落下防止用の段差がある程度で、塔や城本体から城壁に侵入してきた敵を射ち倒し易くなってるのがフツーです。
突入してきた敵を迎撃する目的で内側に胸壁がある城もあるんですけど、そういう場合は姫路城みたいに敵を誘導する通路になってて、曲がり角の先に狭間(鉄砲や弓で射かける隙間や穴)を置いてたりします。
西洋の城を攻める場合「城壁を崩す」という戦術も一般的なので、あまり敵の進行ルートは特定できないんですけど。
また、万里の長城なんかでは基本片側にしか胸壁はないのですが、一部両側に胸壁がある壁があって、そこは「両胸壁の壁+それを挟む2つの塔」が一種の砦として機能する仕組みのようです。
ですから、攻められた時にどの場所に撤退していくかを考えると、自然と胸壁が存在するべき箇所が見えてくる、というわけです。
以上、マップづくりの豆知識でした。
とは言え、サンプルマップやフィールド用の城の城壁は内側にも胸壁があるんで、やっぱり公式も胸壁の配置テキトーですね。
えーそんなわけで、胸壁タイルを大幅リニューアル。
塔の上の屋根の形状も、MVデフォルトのやつは弓兵がどこに立っていいかわからない不思議パーツとなっているので、ちゃんと屋根で弓兵の上を覆って防御力を高めたものに書き換えました。
改変後も胸壁が小さすぎるとか色々ツッコミどころはありますが、かなり良くなったと思います。
あと、城壁上部についている石落とし(胸壁の下の ΩΩΩ となってるところ)が小さすぎるし横から見た時にせり出してないのが気になりますが、ここはもうデフォルメとして甘受しておきましょう!
それから石積みのパタ……キリがないのでこの辺で。
自然タイルへの不満
さらに先のシナリオの展開上、森のマップが必要だったんで作り始めて、例によって最初は楽しかったんですけど。
動物番長やマインクラフトを思い出すカクカク感です。
MVからは、ゲーム全体のリアリティレベルを統一しようという気が感じられない…。
こんなマップをカクカクにするなら、キャラもカクカクしてなきゃダメでしょ!!
僕はキャラをカクカクにするのではなく、マップをなだらかにしてリアリティレベルを合わせる方向に舵を切りました。
これはメチャメチャに手間かかりました。オートタイルを作るの大変!
森の方はタイルの境界が綺麗に揃ってなくてバグ画面っぽさありますが、なんかこれはこれでカッコイイ気がしてきたんでOKとしました。
この辺りで、いちからオリジナルで描きたくなってきましたが、流石にそれは辛いと判断できる程度の正気を持ち合わせていたので、またの機会にしました!!(正気ではない)
なお、上記2枚の画像は[画像として保存...]機能を使って出力したんですが、なんで1/2に縮めて出力しちゃうんでしょうね。
1/2にした方が便利な場面もあるでしょうが、それしかできないのはちょっと意味不明です。
民家タイルへの不満
最後に民家が必要になったんで作り始めて、最初は楽しかったんですけど(またこのパターン)
なんかこープレハブ感というか、家らしさに一歩足りないというか、屋根の張り出したところ…つまり軒(庇)がないんですよ。
軒といえば家そのものを表すぐらいに重要なパーツじゃないですか。
西洋建築ではあまり突き出してないと言っても、ないわけじゃないのき!(新種の語尾)
逆に言うと、ぐっと軒を出せば和風感が出てくるわけですね。
あと正面から見た切妻屋根が作れないのも、嫌な感じ。
破風板欲しいじゃないですか! 普通! (普通と言い切る)
あー、これデフォルトで採用するの見送ったのわかるわー、画像用意するところまではともかく、マップに配置するのがメッチャめんどくさい。
もちろんパーツ数もかなり必要になるし。
グッと建物らしさは増しますけど、みんなやるべき、とまでは言えない感じ。
あと、棟の扱いに困って、結局取っちゃってるんですよね。
棟ってのは、屋根の一番上に乗ってる奴で、雨を両側に流す役割のアレです。
西洋の屋根って棟が地味と言うかほとんど目立たないんで、なくても通用するかなと。
逆に言うと和風感を…(以下略)
それから扉を1.5倍にして上の方にアーチをつけてます。グッと建物感が良くなりました。
ただ、パーツをケチってアーチを横までは広げてないんですよ。
あまりリアルを追求しすぎるとタイルで描画してる意味がなくなって、それ遠景・近景の2枚に描いた方がよくね? ってことになるんで、考えどころですね。
まとめ
MVになって1タイルのサイズが48×48のフルカラーになって描き込めるようになったんで、グラフィックがリアル寄りになってます。
しかし個々のパーツは過去のツクールの部品を拡大して描きこんだだけで、組み合わせてのリアリティまでは考えてないように思えます。
そのため、パーツを組み合わせた時のリアルさが、どうにもチグハグな感じです。
結果、普通に組んだらVXAceの方が全体的に違和感がないリアリティのある絵になってるような気がします。
MVは解像度の高さに対して配置や挙動のリアルさが付いてきてない、というところでしょうか。
そもそもMVのタイル48×48は、ドットの面白さを出すにはちょっと解像度高すぎかと思います。
で、パーツ単体のリアルさに見合う組み上げができるように頑張って修正した結果は、これまで書いた通り。
「なんでやんないんだよ!」というところから「これは自分がMV本体を作ってもデフォルトにはしないなぁ」までありました。
改変前後を比べてもほとんど「好みによる」程度の違いしか出てないようにも思います。
こだわり始めると、建材が同じ地域で取れるものではないとか、雨に強い建築と乾燥に強い建築が混在してるのおかしいとか、石とかガラス使いすぎじゃね金持ちかよとか、もう際限ないですよね。
僕の場合、中世の1階(西洋風に言うと地上階)は土間が基本だろ! と思って土間タイルも作ったのに結局使ってない(笑)
適切にこだわりを出していきたいものですね。
そこで結論。
こだわるとグッと良くなるけど、グッと良くなったと思ってるのは作者だけかもしれないぞ!