Wiiリモコンレビュー ハードウェア編
役割を終えた今Wiiリモコンを振り返る。
Wiiが発売された時の状況
ゲームキューブの売り上げがソニー陣営と比べると芳しくなく、ニンテンドー64に続けて王位奪還ならず、もはや据え置き機では任天堂も落ち目「携帯ゲーム機(DS)だけ作っとけば?」というのがゲーム界の支配的な空気となっていた。
そんな(日本)に颯爽と登場したWii、その一番の特徴であるWiiリモコンにフォーカスして、今回は語る。
本文の前にに書いた予想記事Wiiコントローラはどう使う(以下「予想記事」)を読んでおくと面白いかと思う。
参考: Wiiリモコン - Wikipedia、Wii | コントローラ(任天堂)、社長が訊く Wii プロジェクト - Vol.2 Wii リモコン編
現在、任天堂はNintendo Switch(以下、Switch)を主力商品としており、コントローラとしてJoy-Conを採用している。
Joy-Conはざっくり「超高性能で軽いWiiリモコン」と言ってよく、Wiiリモコンの役目を完全に置き換えるものだ。
参考: 機能・仕様|Nintendo Switch|任天堂(Joy-Con)
Wiiリモコンは開幕ダッシュを決めた
まずはじめてのWiiがリモコン同梱版のお得感もあってバカ売れし、含まれるゲームも大したボリュームではなかったものの、接待ゲームとして抜群の軽さと分かりやすさを持っていて、とりあえず持つべきソフト筆頭であった。
そしてはじめてのWiiのボリュームアップ版とも言えるWii Sportsも同時に発売される。
この2本はゲームソフトとしては異例のロングセラーとなり、Wii時代を通して売れ続けた。
Wiiが出る前はコントローラを振ってプレイするとか「疲れるんじゃないか」と否定的に捉える人が多かったように思う。
この2本で「楽しいことして疲れるのっていいこと」という気持ちに切り替えることができた人も、また多かっただろう。
「疲れるの絶対嫌」派は根強く残ったとしても、「疲れる=悪いこと」が常識ではなくなったのは非常に大きな転換だった。
参考:社長が訊く Wii プロジェクト - Vol.4 『Wii Sports』編
他の同時発売ゲームでWiiリモコンを活用したゲームとしては、テクモスイングゴルフ パンヤ、バンダイナムコゲームスSDガンダム スカッドハンマーズ(以下スカッドハンマーズ)、アトラスカドゥケウスZ 2つの超執刀、コナミElebits 、エレクトロニック・アーツニード・フォー・スピード カーボン、任天堂ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス(以下トワプリ)、UBIレッドスティールなどがあり、これらのゲームについてはあとで説明するが、どれもWiiリモコンの汎用性・利便性を証明するソフトだった。
Wiiリモコンの船出は順風満帆であった。……そして、いきなりコケた!
リモコン凶器騒動
販売開始と同時と言っても良い時期(日本発売直前)に、Wiiリモコンすっぽ抜けによる家具破壊画像・動画がインターネット(YouTubeなど)を通じてバズる。
これは痛かった。「ね、任天堂製品は丈夫でしょ?」と言えるわけもなく。
マニュアルに「少し動かすだけで十分です」など書かれたり、ゲームを立ち上げるときに「ストラップを着け、ストッパーを締めて固定してください」みたいなアナウンス画像が出てきたり、なんとも操作を萎縮させる環境ができてしまった。
個人的には、自分がプレイしている時にはそんな全力で振り回さないし、Wiiリモコンがすっぽ抜けて飛ぶなんてことが起きるとは想像できない。
でもそういう人いそうだな…という感じはするので、対応もやむなしか。
すぐさまCMなどで注意を喚起し、ストラップをつなぐ紐はより太く頑丈なものになった(強度がすごすぎて、カメラや携帯電話のストラップとして好評)
そして発売約一年後のに「リモコンの凶悪な頑丈さから家具を保護する」シリコンジャケットが作られて無償配布されることとなった。
これが電池を換えるのが面倒になるし、もともと子供向けとしては太いリモコンをさらにひと回り太くしプレイ感を損ねる結果となった。
とはいえ触り心地は良いし、雑に扱えるのは楽ではある。
個人の話であれば自己責任でつけなければいいという話ではあるが、標準でジャケット必須となると、ラケットなどの各種アタッチメントが売りづらくなってしまった。
ジャケットを律儀につけてプレイしたいタイプの場合、入れ替えが煩雑なため必然的にハンドルやザッパー、さおコンといった周辺機器は、つけたらそのゲームを遊ばなくなるまでずっとつけ続ける、みたいな使い方になる。
他にも、予想記事で語っていた、Wiiリモコンに被せて使う紙製ヒーローの銃などを雑誌付録で出すみたいな企画が、安全性に不安が見られるという理由で困難になってしまった(結局そういう企画はなかった)
なお、コントローラに紙で機能や雰囲気をプラスするアイディアは、現在Switchのニンテンドーラボシリーズで展開されている。
メニューが酷かった
あと冒頭でヘマやったといえば、メニューのユーザインタフェースの酷さ。
画面の左右移動の⊖⊕を徹底するとか、キャンセルを必ず🄱と②ボタンに割り当てるとか、[はい・いいえ]とかの選択メニューが出た時に、いちいちポイントせずに十字キーと①ボタンで選べるようにするとか、画面のボタンをしっかりポイントしなくてもだいたいで選べるようにするとか、そういうことができてない(一部アップデートでできるようになっている)
ランチャーだけでなく起動されるソフトも含めて統一を図るというパソコンのUI的な考え方が必要だったのに、ユーザインタフェースガイドラインが作られていないのだろう。
総合的に見て、ポイント&クリック方式に信頼を置きすぎで、せっかく今まで育ててきた十字キー&ボタン方式をないがしろにしている。
ロンチタイトルですら🄱でキャンセルは普通であったし、初期に出たマリオカートWiiでは横向きでの十字キーを使ったメニュー選択などを取り入れ、上記の問題をほぼ解消しているのに、Wiiメニューに反映されていないのは奇妙だ。
後不思議なのは、クラシックコントローラを接続していれば左アナログスティックでポインタを動かせるのに、ヌンチャクではうごかせないのだ…どうして。
もちろん離れた場所から操作するUIに必要な文字やボタンの大きさはあるが、そこまで止まり。
例えば、ゲーム(チャンネル)選択時には[はじめる]ボタンをポイント&クリックする必要がある。
上にどかーんとタイトル画像が入っていることろをクリックして無反応なのは実に不愉快。タイトルクリックでゲームを開始してほしい。
ポイント&クリック操作以外も、マウスの代わりにWiiリモコンのポインタを使ってるだけで独創性がない上に、マウスより使いづらくなってるUIだ。
例えばWiiメニューの伝言板ではポイントした場所からのドラッグ距離でスクロール速度を調節ができる。
これはWindowsの主に3ボタンマウス用の機能として存在し、なんら新規性はない。
そしてWindowsのこの機能も、いまやスクロールホイールによって淘汰された状態なので、使い勝手が良くないことも証明されている。
タッチパネルにおけるスワイプのような「そのデバイスに合った新しい操作スタイル」を全く生み出せてない。
Wiiリモコンでのポインタ操作はマウスというより、レーザーポインタの感覚に近いので、例えば「丸で囲って選択」みたいなジェスチャ的UIを全面に採用しても良かったと思う。
ゲーム本編では色々な操作が生まれていったが、メニュー操作に関する新しいスタイルを生み出したのはWii末期のあたり。
例えば、ゼルダの伝説 スカイウォードソードでは🄱ボタンを押した時のリモコンの傾きの方向で、直感的で素早く確実にアイテム選択ができるし、ページめくりがスワイプ操作でも可能になっていて、これも快適だ。
Wii Fitではドラッグでグラフのスクロールができる。
これらがWiiメニューへ操作が反映されることもなかったし、Wiiソフト全体で定番化することもなかった。
だいたいWiiは、いわゆるセットトップボックスとしてリビングの覇権を狙う!! リモコンは全てWiiリモコンに集約する!! ぐらいの目論見で作ってたように発売前は感じてたんだけど。
蓋を開けてみるとUIがヘボで「…本気か任天堂」と呆れたものだった。
テレビのリモコンの強化版であるテレビの友チャンネル Gガイド for Wiiなどは、そのような戦略製品で、家電のUIに比べて応答性が抜群に良く快適だったが、TVのリモコンの代用とはならなかった。
そもそもWiiユーザでも、Wiiにそのような(ソフト)機能があることを知らない人が多いのではないかと思う。
さらにコントロール対象を他の機器に広めて行き、現在のスマートスピーカー的な位置に滑り込みたかったんだと思うが、見事に頓挫した。
操作にテレビの画面を占有してしまうのがいちばんの問題だろうとは思うし、任天堂もそれは認識していてWii Uでは手元に画面を持ってきたが、結果はご存知の通りだ。狙いは間違ってないと思うんだけどね。
また一時はショッピングチャンネルを充実させ、あらゆる買い物のポータルにするみたいな野望を持ってるぐらいの空気を感じたんだが。
UIの酷さが、この方面の失敗へ繋がった最も大きな要素ではないかと思っている。
そもはともかく、Wiiで発売されるソフトの範たるべきWiiメニューの出来の悪さが、本道であるゲーム全体のレベルを引き落としてしまった面は否定できないだろう。
意外と悪い感度
Wii Sportsが非常に快適にプレイできたので、Wiiリモコンの感度が素晴らしく良いのだと思ってしまったが、角度やひねりの値はとってなくて振ったタイミングでそれっぽく処理してたり、効果音や画像エフェクトによる振った感覚の強調や、物理法則より納得感重視のアニメーションや当たり判定などが駆使されている。
実のところWiiリモコンセンサが優秀なのではなく、任天堂というかWii Sportsチームのごまかしのテクニックが上手かったのだ。
ロンチソフトはどれもWiiリモコンを活用した面白いものではあったが、操作感がシャキッとしてなかったり誤操作が頻発したりしがちでもあった。
まともに実装すると操作感の悪いものになってしまうということが、初手でばれてしまったのだ。
初期はWiiリモコンをポインタとして使うメニュー選択式が多かったが、徐々にポインタに加えハードウェアボタンに各操作を割り当てる方式が主流になった。
というようなところが、デビュー時のWiiリモコンだ。
ハードウェア仕様
今度はWiiリモコンがどのような機能を持っていたか、ざっと追っていこう。
予想外のヌンチャク
驚いたのは、ヌンチャクという名前の拡張コントローラが本体に付属してきたことだ。
これはWiiリモコン下にある拡張ソケットに接続して使う。
ヌンチャクにはアナログスティックとモーションセンサーに加え人差し指の位置にⒸ🅉ふたつボタンがついていて、Wiiリモコンと同時に持ってプレイする。
Wiiリモコンとの間は固定ではなくコードで繋がっているので、好きな位置に手を置いてプレイでき、左右どちらの手に持ってもいい。これは革命的だ。
NINTENDO64コントローラのレフトポジション・ライトポジションをさらに進化させたものと言えるだろう。
そもそもWiiリモコンは従来型のコントローラにポインタや加速度計の機能を追加することを考えていて、それを分離したという経緯を持っている。
むしろヌンチャクがつくのが当然であり、それで完成するものだったのだ。
また既に役割を終えたヌンチャクだが、今はお絵かき用の補助コントローラやVR機器のコントローラを使う際の心理的障壁を下げる役割を持っている。
だれだって、見たことないものを使ったり購入したりするのにはハードルがある。
しかし今はもう見たことないものではない、Wiiのコントローラのアレに似た感じのやつなのだ。怖くない!
センサーバーと赤外線受光装置
本体から細い線でつないだセンサーバーはテレビ画面の上か下に設置する。
それを見て「まだそんなパワーグローブの頃の枠みたいなのが必要なの?」と思った。
パワーグローブでコナミツインビーを全然うまく操作できなくて泣きそうになった思い出が蘇ってきたが、流石にWiiリモコンは8方向しか検知しないなんてことはなかった。
ちなみにツインビーは、たまたまそのとき試したソフトで他意はない。
レイアウトに悩むとか、飼ってる猫がコードを引っ掛けて落とすとか問題はあったが、操作そのものはスムースにポインタが動かせてほっとした。
任天堂曰く秒間200以上信号を検知しているらしく、なるほどと思える。
キビキビした動きというほどではなく若干のふんわり遅延感があるのだが、当時としては及第点以上だろう。
この遅延、コントローラではなくテレビのせいのような気もするが。
センサーバーは赤外線を出していて、その制御もできる。
それを利用してテレビの友チャンネル Gガイド for Wiiは、Wiiをテレビのリモコンとして使っている。
赤外線リモコンを使う他の家電の制御もできると思うが、使われてないし、赤外線制御を活用した周辺機器やゲームなども出ていない。
通常は一定の赤外線を出す機器があればセンサーバーの代わりができ、制御の必要がない。
つまりゲーム的には赤外線制御機能は、まるきり活用されていないし、コードは電源供給以外の意味はない。
センサーバーはポインタの位置測定のために必要な機器であり、その他のボタンやモーションセンサー、スピーカー、振動機能には不要だ。
Wiiリモコンは普通のリモコンのように赤外線で信号を送っているのではなく、ブルートゥース接続だからだ。
Wiiリモコン上部にあるの黒い部分は赤外線を出しているのではなく受光装置(CMOS)で、センサーバーの光を検知している。
この逆転の発想は、古の光線銃で太陽電池に光を当ててターゲットの当たり判定を行なっていたことを思い起こさせる。
ちなみに光線銃と同様に、明るすぎる場所では正常に動作しない、おじいちゃんの血筋だね!!
重量
Wiiリモコンの乾燥重量は 約88g、電池込み約134g、その上にストラップとジャケットが付くわけだが、有り体に言って重い。
前述の家具破壊の原因の半分はこの重量にあると言え、ここまで重くなければストラップは切れなかったろうし、吹っ飛んでもそんなに破壊力はなかっただろう。
確かおどるメイドインワリオの開発中は、足に装着するような使い方も想定されたらしいが、重さによって断念されている。
EA SPORTS アクティブ パーソナルトレーナーWii 30日生活改善プログラムは太ももにまく専用の専用レッグストラップを使う。
ここにはWiiリモコンではなくヌンチャクを入れる。なぜならヌンチャクの方が軽いから。
流石に重いと言ってもWiiリモコンでは、エクササイズに十分な負荷とはならないので、レジスタンスバンドが付属する。
ほぼリングフィット アドベンチャーじゃん! って感じだが、付属品の強度はチャチく内容はタイトル通りにトレーニング中心のもので、そんなに話題にならなかった。
SwitchのコントローラであるJoy-Con は L 約49g、R 約52.1g ということで、およそ1/3となる大幅な軽量化に成功している。
そのためリングフィット アドベンチャーではコードなしの単独で足にコントローラを装着できる。
電池式
電池式だったのは、おそらくゲームボーイの成功体験から「行ける」と思ったのだろう。
ゲームボーイは携帯機であり「出先で電気が切れた時、電池ならどこででも即買えるメリットがあった。
しかしWiiリモコンは家庭用ゲーム機のコントローラだ。
はiPhoneが発売される1年前であり、当時としても携帯電話は広く普及し、充電は日常的な行為になっていた。
そもそも任天堂が出している携帯ゲーム機も全て充電式になっていた。
そのような状況でWiiリモコンが単三電池二本を採用したのは少々驚きだった。
充電器で場所を取りたくないとか、TVのリモコンと同じところに置いて欲しいとか、色々と理由はあるだろう。
結局はコスト的な問題だと思うのでしょうがない。
最終的には「行けた」んだから、判断ミスではなかったと言える。
なおにWiiリモコン急速充電セット(4,320円)が発売されている…Wiiリモコンの充電だけに、このコスト足すの無理でしょ。
高すぎる! ここでも電池採用が正しかったことがわかる。
ちなみに私は、充電池eneloopを使うスタイルで落ち着いた。
他の製品に電池が使いまわせるし、電池も充電器も白だったので、すごくWiiっぽくて気に入っている。
通信および電源装置としての利用
割と驚いたのがクラシックコントローラの「Wiiリモコンに従来の形のコントローラを繋げて、Wiiリモコンは全く操作せず、通信と電源を担う箱になる」使い方だ。
せっかく付いているボタンや振動機能を使わないのってもったいなくない? と思ったのだが、逆に追加コントローラにコストのかかる通信と電源を載せる必要がないという発想だ。
こうすると本体直結のコントローラと同じ作りができて、レイアウトの自由度も上がる。
Wiiリモコンをゲーム機本体であるかのように扱う発想、と言っても良いかもしれない。
予想記事には書いてないが予想としてはWiiリモコンに持ちやすくするツノとLRボタンを追加するアタッチメントが出ると思っていた。
それはSwitchの方で実現されていて、予想としてはそんな悪くなかったなと今は思う。
また、ブルートゥース接続なのでパソコンへの接続も非公式だが可能となった。
ただしボタンによる制御が主なもので、あまりモーションセンサーは活用されなかったように思う。
そのあたりは機器を持つ必要がないこともあって、Xbox用のKinectの方が人気が高い印象だ。
ちなみに、Wii用 ダンス ダンス レボリューション コントローラなど、GC用コネクタに接続して使う周辺機器も発売されている。
これたぶん、ゲームキューブ用コントローラとほぼ同じものだと思う、というか全く同じでパッケージだけ変えたもんだと思う。
Wii UにはGCコネクタ付いてないのよね(欧米で発売された廉価版Wiiにもついてない)
接続できる特殊コントローラ
さて、Wiiリモコンの拡張ソケットにはヌンチャクやクラシックコントローラ以外の機器も装着できる。
アクティビジョンレスポールコントローラ(ギターヒーロー)、バンダイナムコ太鼓とバチ(タタコン)(太鼓の達人)といった楽器を模したものはWiiリモコンのボタンをそのまま使ったら魅力ガタ落ちだ。従来だとケーブルで本体につないだろうが、前述のWiiリモコンへの接続でワイヤレス接続が実現されている。
あとは電車でGO! 新幹線専用コントローラ、電車の操縦装置マスコンだ。これも楽器同様雰囲気が大切な入力装置だ。
特殊コントローラの中では、HORIドラゴンクエスト モンスターバトルロードコントローラが一番特殊なものだろう、アーケードの筐体と同じ形をしたコントローラで、これも雰囲気商品だからWiiリモコンのボタンをそのまま使ったら、ガッカリだろう。
前述の通りコストが下がるから、一発芸的な特殊コントローラがもっと色々出るかと思ったが意外と出なかった。
スピーカー
予想記事で中央部分にマイクっぽいものがあると書いていたものは、スピーカーだった。
テニスのラケットのヒット音なんかが手元で鳴るのは思いの外臨場感があって良い。
お供の妖精やキャディなどの相棒の声がしたりするのも、面白い使い方だった。
音質は思いの外良い。トランシーバ越しみたいな音ではあるが、打撃音などはちょうどいい感じにノイズが乗ってリアルに聞こえたりする。
ヘッドホンつけると意味ないんだけど…。
オプションでヘッドホンモードを選んだ時はリモコンの音を代わりにヘッドホンで鳴らす、という対処をしているソフトは意外と少ない。
ヘッドホンから流れてくると、効果音としての意味はあるものの驚きがぜんぜんなくなる。
とはいえ、日本の家庭事情的にはWiiリモコンスピーカーを使うソフトは全て対処しておいて欲しかった。
Wiiリモコンスピーカーの面白い点は、テレビに接続(出力)されていなくても音が出せるということだ。
WiiFitのながらモードは音だけでプレイできる。
ただWii Fit以外にテレビ画面を必要としないソフトが出てない気がする。
ワープ風のリグレットが爆発的ヒットになってたら、ここにも商機があったと思う。
Wii Uの本体から離れた場所で端末だけでプレイできるゲームが、Wiiの時点で実現してるわけだから。
マイク
スピーカとマイクはハードウェア構造的にはほぼ同じものなので、Wiiリモコンをマイクとして転用できる隠し機能がある、あるいはソフトウェア的な工夫でマイクとして使えるとの噂もあったが、結局そういうこともなかった。
ちなみにバーチャルコンソールのタイトーたけしの挑戦状でマイクを使う場面では🄱ボタンを操作する仕様に変更されている。
Wiiリモコンのお尻にマイクを挿して、逆さ持ちで使うものが出ると思ったのだが、登場したのはフツーのUSB接続のマイクだった。
パソコン用のUSBマイクの箱を変えるだけで売れるし、ひとりカラオケなら手元にコントローラがあるのは便利だけど、家族や仲間となると歌ってる間はリモコン渡してくれってなるし、Wiiリモコン経由だと音質低下や遅延もありそうだし。
ゲーム用ではなくカラオケ用なら当然と言えば当然か。
なお、ゲーム用としては同じくUSBポートに挿して使うWiiスピークが発売されたが、ピカチュウげんきでちゅうや大玉的なボイスコントロールのゲームは出ず、ゲーム用とはいえボイスチャット専用機器だった。
記憶領域
WiiリモコンにはMiiのデータなどを保存しておける。
正直「友達のうちにデータ持って行って遊ぶ」ということを一度もやったことがない。
いや、Wii持ってる友達はいるんだが、みんなWiiリモコン数本当たり前に持ってるし、格闘ゲーム用にスティック持って行ったりはしたんだけど、Wiiリモコンはついぞなかった。
ポケモンバトルレボリューションのデータも保存できるらしいが…
これMii以外、どんなふうに活用されたか良くわかんない。
使い方が他社に開示されてなかったんじゃないの? というぐらい使われてない機能だ。
ランプ
下部に4つのランプがついているのは、Wiiリモコンが何番に登録されているか示すもの。
番号ではなく点が[・][‥][…][‥‥]みたいな感じに表示されているのが、すごい分かりづらい!
ボタン名に①②なんてつけちゃうから!
なお、このランプはWii本体しか制御できないようで、ゲームの残機表示とか体力表示とかに活用できるわけではなかった。
振動機能
Wiiリモコンは基本的に片手持ちであるし電源の問題もあって、振動があまり強くない。
そもそも振動病の問題もあって、NINTENDO64振動パックの頃のようにガンガン揺らしていくわけにはいかなくなった。
しかし、ボタンなどクリック可能な場所をポイントした時にぷるっと震えるといった、触感でUIを補完するような使い方がなされていて、操作がわかりやすく楽しくなっている。
強弱やタイミングの制御はGCコンからさらに強化され、繊細な使い方ができるようになったというわけだ。
登録・設定
Wiiリモコンを使い始めるにあたって、本体と Wiiリモコンの[SYNC.]ボタンを使ってWiiリモコンを登録する必要がある。
これが結構わかりづらい。
そもそも普通の家電を使う場合「リモコンを登録する」ということはないので、そうしなきゃいけないことを知った時点で戸惑いがある。
Wiiリモコンの蓋を開けて中にある赤い[SYNC.]ボタンを押し、本体正面ののこれまた蓋を開けた中にある[SYNC.]ボタンを押す。
「本体の登録端子にリモコンを接続する」(実際は物理的に相互にWiiリモコンの[SYNC.]ボタンと本体の[SYNC.]ボタンを押しているだけ)ぐらいのわかりやすさが欲しかった。
Wiiメニューの設定にある、2つの点が出てくる感度調整機能。
赤外線受光器の感度を変えたりしているらしいのだが、点の意味が今だに何をどう調整しているんだかわからない。
もう少しゲーム的にわかりやすく設定を提示できなかったものか。
ハードウェア機能としては、以上のような感じだ。
特に重要なボタンについては、以下詳細に記述する。
ボタン
WiiリモコンにはⒶ🄱⊖⊕①②の6ボタンに加え、ヌンチャクの2ボタンの計8ボタンが使える。
[電源][ホーム]および蓋を開いて出てくる[SYNC.]ボタンは機能が固定だ。
[電源][ホーム][SYNC.]以外のボタンには色がついていなくて、白で統一されている。
Wiiはとにかく「お母さんに嫌われない」というコンセプトで作られているので、白で清潔感と白物家電のお友達ですよという印象を与え、色を多用しないことで今までのおもちゃじゃなくて、あなたが使ってもいい機械ですよ、と主張したものと思われる。
実際Wiiリモコンのカラーバリエーションが発売されるのは、3年たっちゃいそうなに発売された黒が初だ。
ゲームキューブは十字キー + LRABXYZ(7),START(1)の10ボタンでLRのみアナログボタン。
アナログのCスティックはWiiリモコンの傾きで代用できる。
専用のコントローラを買わなくてもゲームキューブのゲームが遊べるなこれ!!
と思ったらGCコントローラは必須だった。
幸いにしてWiiリモコンの面白さもあって、GCソフトを使うのは既にソフトを持っている人であり、Wiiで遊ぶためにGCのソフト(とコントローラ)を買う人はさほどいなかった。
そもそもゲームキューブのソフトが動くことを知らない人も普通にいて、Wiiの蓋をパカッと開けてコントローラをつなぐと「えっ、そんなのついてたの」って驚かれちゃうぐらいだ。
ゲームキューブソフトの移植版である「Wiiで遊ぶ」シリーズが割と売れてることからも、その辺は伺える。
逆にWiiのソフトはGCコンに対応しているものが多く、中でも大乱闘スマッシュブラザーズXはGCコンがSwith全盛の今でも使われ続けるスーパーロングセラーとなる理由となった。
さてちょっと横道に逸れたが、Wiiリモコンを縦持ちした場合の上の方からボタンを見ていこう。
電源ボタン
まず左上に電源ボタンがある。
コントローラとしては、ほんとど全くの無駄機能なのだが、他の家電のリモコン操作感覚からすると本体の電源がリモコンで切れないというのは「なんのためのリモコンか」というぐらいの機能だ。
これはコントローラに必要だからついているというより「これはリモコンですよ、怖くないですよ」と主張するためのアイコンとしての役割の方が大きいように思う。
とにかく岩田社長(当時)が、リモコンであることを強力にアピールしようとしていたので、付いたものだと思う。
理由はわかるし判断は間違ってないと思うが、個人的にはいらない。
十字キー
次に来るのが十字キーだ。
握ったときにⒶが押しやすく作ってあるため、十字キーに親指を置く場合、裏の🄱ボタンが少々押しづらくなる。
むしろ十字キーをⒶの位置に置いて、基本親指を置くものとした方が良かったろう。
そしてバンダイワンダースワンのように、十字キーとしてもボタンとしても使えるものとすべきだったと思う。
どうやら横持ちした場合のベストポジションを考えて十字キーはレイアウトされているようだ。
十字キーとしては小さく中央にくぼみがないので、ゲームボーイミクロのやつの転用のようだ。
ちょっと使いづらさがある。
ただ子供や多くの日本人ぐらいなら、まず不満に思う人はいないだろう。
リモコンや携帯電話(ガラケー)だと十字方向のボタンの真ん中に決定ボタンがあるのが定番だが、ゲーム用の機器としては、絶対誤操作で中心のボタン押してしまうので、それはできなかったと思われる。
十字キーを操作しながら、親指の付け根に近いところでⒶボタンを押すこともできはする。
できればアナログスティックがここに欲しかったところだが、ポインティングによるアナログ操作である程度代替できるので、当時の技術およびコスト的にみて十字キーの判断は間違いではないと思う。
Ⓐボタン
その下のⒶボタンはメインボタンだけあって握った時にすっと親指の下に来る一番いいポジションを占めているしサイズも大きい。
大きいといってもスーパーファミコンのボタンサイズだが、Wiiの表のボタンでは最大だ。
このボタンは透明パーツで、表面ではなくボタンを透過した向こう側にAが印字されている。
すり減ってAが読めないなんてことはぜったいない作りだし、ボタン押させる気満々だ。
ただ先ほども述べたように、十字キーと組み合わせて使う場合の使い勝手はそれほど良くはない。
リモコンに厚みがあるため、十字キーから下に親指をスライドさせるのに無理が出る。
下ではなく親指を横に振ったところ、つまり右下と左下にボタンが欲しかった。
これはアスキーグリップ(片手コントローラ)方式で、スーファミ時代から実績があるレイアウトだ。
メニューを十字キー+決定で選択するというインタフェースはファミコン中後期から連綿と続き、使いやすくかつ定着した操作なので、これがやりにくいのは痛い。
ちょっとこの辺、Macの初期キーボードに矢印キーがついてなかったことを思い起こさせる。
マウスがあるからカーソルの移動にキーはいらないだろうという発想ではあるのだが文書をキーボードから入力する際にいちいちマウスと持ち替えるのは超不便で、ほどなく矢印付きのキーボードに変わった。
同様にWiiリモコンもポインタがあるから十字キーはおまけみたいな発想が根底にあるように思う。
先に書いたようにWiiメニューがポイント&クリック方式で作られていることからも、間違いないところだろう。
しかし十字キー+決定の方が圧倒的にメニュー選択は楽なので、他機種とくらべるとなんともメニュー操作の気持ち良さに欠ける。
STARTボタンがないので、タイトル画面ではⒶ+🄱ボタンでゲームを開始するのが定番となっている。
これはⒶだけだと連打でタイトル飛ばされてしまうので、それを避けたのと、重要ではあるが裏面にある🄱ボタンをプレイヤーに認識させる役目があると思う。
個人的にはタイトル画面がそこまで重要とは思ってないというか、史上最高のタイトル画面はファミコン版ドラクエⅢと思っているぐらいなので、Ⓐで飛ばしちゃっていいと思う。
Wiiの場合はWiiメニューでのゲーム選択時にもタイトルが出るので、無駄っぽさが強い。
🄱ボタン
テレビなどのリモコンを使っていて、常々後ろにボタンが欲しいと思っていたので、Bボタンが後ろにあったのは嬉しかった。
ちなみに家電のリモコンでも背面にボタンがついているものは、たまにある。
Wiiリモコンは名称からもわかるようにⒶボタンをメインボタンと想定しているが、むしろこちらの🄱ボタンをメインにした方が良かったように思う。
先ほども書いた十字キー+決定ボタンの操作がしやすく心地よい。
しかしⒶボタン決定では、いちいち親指を十字キーから離す必要があるのでスムースさに欠ける。
背面の🄱ボタンなら、別の指(通常人差し指)があるので、十字キーの親指を離す必要がない。
アスキーグリップでも、背面にそれぞれの機種の決定ボタンが設定してあるのが定番のレイアウトだ。
むしろ上面のⒶボタンをなくして、背面に人差し指と中指用の2ボタンをおいても良かったぐらいだ。
ヌンチャクの方は背面に2ボタンあるんだから自然だ。
ただ、そんなノリでボタンを追加していくと、テレビのリモコンのようなボタンお化けができてしまうので、このくらい節制してちょうどいいのかもしれない。
役割的に人差し指で押すBボタンを、トリガと呼んでしまう手もあったかもしれない。
A・B悪くはないが、久しぶりに遊ぶと「B? Bはなくて-と+なんですけど」みたいに思ってしまうので、🄱ボタンの名称が適切であるとも思えないのだ。
ボタンでなくトリガと呼べば、背面にあるものだとすぐわかる。ただ日本では、トリガという言葉が通じない可能性もそこそこ高いが。
XboxシリーズではLRの位置に縦に2つずつ並んでいるので、ボタンとトリガと呼んで区別している。
さらに、特にガンシュー・FPS・TPS系の3D空間で銃を使うゲームでBボタンは引き金が割り当てられるのに、それでキャンセルされては違和感が大きい。
ならもうWiiメニューの時点で🄱ボタンを決定に割り当てて、コンソール全体で統一を図って欲しかった。
たぶん、イメージとしてプレゼンテーション時のスライド制御に使うレーザーポインタ付きリモコンを想定したのではないだろうか。
スライド(フィルム映写)制御用リモコンは1980年代には(ケーブル接続も含めて)存在していたように思う。
Wiiリモコン開発時の操作イメージとして使われていておかしくない。
あれは上面ボタンで送り・戻しを行うものが大半だ。
ただやっぱり、ゲーム機なら絶対3D空間で銃を使うゲーム出るし銃の引き金が決定になるしかないので、上面が決定というのはどうかと思うのだ。
なお🄱ボタンを決定とすると、Ⓐボタンがキャンセルとなりそうだが、この際Ⓐボタンも決定にしてしまっていいかもしれない。
そしてリモコンを素早く左右に振る、あるいは画面外をポイントして決定ボタンでキャンセルみたいなのも良かったんじゃないかなと思う。
割と知られてなかったりするが、iOSでは振るとアンドゥが実行される。
横持ちした場合の🄱ボタンは無駄機能になってしまいそうだが、意外と押せるし活用しているソフトもあった。
人差し指ではなく中指の側面で押す感じになるのだが、Lボタンがあると思って人差し指を動かすと、つられて中指が動いて🄱ボタンを押しちゃう。
これ任天堂が狙ってやったんなら、人体の理解が高くてすごい。
ともかく実質、Lボタンはあると言っていいだろう。となるとやはりRボタンがないのが惜しい。
⊖⊕ボタン
個人的にはゲーム機のボタンにはアルファベットより数学記号の方がいいだろうと思っているので、⊖⊕が採用されたのはとても良いと思った。
また、何かを増やしたり減らしたりという行為はゲームプレイの中で頻出するので、そこに直接割り当てられるのもいい。
もちろん十字キーで増減するのもいいが、十字キーで位置を移動して⊖⊕で量を調節するという操作ができればさらに快適度が上がるシステムも多いだろう。
縦持ちで左に⊖、右に⊕、十字キーを左に置いた場合の横持ちだと上⊕、下⊖というレイアウトも適切。
グラフの軸がそのようになっていて、世の中の計器や入力装置のほとんどはそれを踏襲しているからだ。
ただ前述のように、これらを十字キー下ぎみの左右において欲しかった。
実際のレイアウトでの⊖⊕ボタンは位置が下すぎて押しづらい。
さらに大きさも小さく、他のボタンと比べると押し心地が硬いという、ちょっと使い勝手の悪いボタンになっている。
実際のゲームでは、⊖⊕ボタンは量の調節はもちろん、スーパーファミコン以来のLRボタンと近い機能が割り当てられることが多くあった。
具体的にはページめくり機能である。これ⊖⊕の記号および左右位置で直感的に想起される機能で、適切な割り当てと言える。
[HOME]ボタン
これは当時のゲーム機では珍しかった、ゲームソフト側では使えないシステム用のボタンだ。
従来のSELECTやSTARTボタンは役割が定まっておらず、ソフトごとにまちまちの機能が与えられていた。
またメモリカードなどの管理は、ソフトをセットしないで電源を入れると表示されるというパターンで十分運用できていた。
しかし、本体に多数のソフトを持ちOSとしての機能が複雑になってくると、このようなボタンが必須となる。
最初に搭載したのはXbox 360のXboxガイドボタンだったと思うが、任天堂もこの流れに乗った格好だ。
電源機能もこの[HOME]ボタンに包括させて、電源OFF時はONにして電源ON時は画面に終了ボタンを配置するという感じで運用したら良かったんじゃないかと思う。
Xbox ガイドボタンはそういう仕様だ。
とにかくボタンは減らせるなら減らした方がいい。
①②ボタン
横持ちしたときに①②と並ぶが、ファミコンはB・Aだ。
数字とアルファベットの違いもあるし、順番も左から右と右から左で違和感がある。
素直にファミコンと揃えてB・Aが良かったんじゃないかなー(発表時は小文字で b・a の案だった)
縦持ちの際の①②ボタンは非常に押しづらい位置にあり、親指側の手のひらで押す場合①②の押し分けは難しく、親指をぐっと開き下に曲げて押す場合は当然もたつきがある、あとは90度横に回転させて小指で押すか。
そして手が小さいとか関節の自由度が低いとかで、そういう片手での押し方ができない人も割といそうだ。
両手で刀を持つような使い方もできるが、なんとも持ちづらい。
そんなわけで、特にヌンチャクを使う場合の①②ボタンは死に機能となっていることが多かった。
[SYNC.]ボタン
ここまで書いたから、このボタンについても書いておこう。
滅多に使わないから電池ボックスの中に配置したのだろうが、これは面倒臭い。
そこそこ目立つ場所に、爪楊枝などで押す方式のボタンをつけた方が良かったろう。
そうすれば普段プレイしている時から、なんかここにあるなという意識はできるし。
気づくのが少々遅いが、Wiiリモコン後期型では蓋とジャケットを外さなくてもストラップ付属の突起で押せる。外から押せるように穴を開け、そこに届くようボタンが継ぎ足されている。
電池式でないこともあるが、Wii UコントローラもSwitchのJoy-conも、[SYNC.]ボタンは外部に配置された爪楊枝で押す方式になっている。
横持ちのゲーム
簡単に横持ちの場合のボタンについて述べておく。
Wii時代が終わってみると、横持ちはバーチャルコンソールでファミコンのゲームを遊ぶときに使う、という当たり前の使い方のためにあったと言っていいかと思う。
横持ちの場合、ファミコンのゲームなら追加機器なしでプレイできる。
正直ここまで過去のゲームが大量に遊べるようになるとは、まったく想像していなかった。
Wiiリモコンは厚みがありすぎるのが難点だが十分遊べる。
ただ、スーパーファミコンやその他のコンソールのゲームだとボタンが足りないものがあるので、クラシックコントローラー(か類する機器)でプレイするしかない。
ⒶをSTART、SELECTはシェイク、前述のように🄱をLに、⊖⊕をXYにできないことはないので、あとRがあればスーパーファミコンも若干無理やりだがプレイできたのに。
新作で横持ちを使うにしても、Rがあればゲームのアイディアは格段に増えたろう。
新作では、ニュー・スーパーマリオブラザーズ・Wiiでは横持ちしつつ、上に振る事で追加アクションといった使い方がなされた。
この手のものとしては他にもワリオランドシェイクが挙げられる。
Metroid Other Mは、横持ちが基本であるが十字キー操作に向いたシステムではなかった。
ごくシンプルにシステムが保てなければ、横持ちはアナログ移動はできないしボタンは少ないし、不自由さが浮き出て使い勝手はさほど良くなかったという結論だ。
ヌンチャク
最後にヌンチャクのボタンレイアウトについても語っておこう。
ヌンチャクにはアナログスティック、モーションセンサ、背面にⒸボタンと🅉ボタンがついているが、振動機能はない。
Ⓒボタンと🅉ボタンという名称は分かりづらいが、🅉に関してはNINTENDO64およびゲームキューブの同じような位置にあったボタンなので、まぁしょうがないかという感じだ。
しかしⒸはNINTENDO64では右側の4方向ボタン、ゲームキューブでは右側のアナログスティックについていた名称で、ヌンチャクは単ボタンであるので、なんの関連性もなく、すごく分かりづらい。
🅉もこれまでの任天堂の機種に親しみがなければ、なんのこっちゃなネーミングだ。
Ⓒボタンは名前で場所が全然想像できないので、画面に指示が出たときに「あ? そんなんあったっけ」みたいに思っちゃいがち。
NINTENDO64のCボタンみたいに、Z△、Z▽という名称にしちゃうか、XboxのようにZボタンとZトリガとしちゃう、あるいはプレイステーションのように1・2と番号を振った方が良かった。
とにかく近くの似たようなボタンだよ、という情報がCとZからは全く読み取れない。
Ⓒと🅉ボタンは形と大きさが異なり、Ⓒがサブで🅉がメインだとすぐわかるのがいい。
持った時のフィット感や、押し心地は持っていることを忘れるぐらい良い。
アナログスティックはゲームキューブとほぼ同じ感じで、スティックの根元に刻みもついており8方向にきっちり入れやすい。
左右両方ヌンチャクにならないかと思うぐらいだが、これを実際やったのがSwitchと言えなくもない。
改良案
以上を踏まえ、Wiiリモコンの代わりに使えるコントローラを考えてみた。
十字キー、Ⓐ⊖⊕を大きく。
十字キーをⒶがあった位置に移動し、Ⓐを[HOME]があった位置に移動。
⊖⊕はアスキーグリップ的な位置に移動。⊖⊕が置けるように頭を大きくした。
[HOME]を上部に移動。これは単にスペースがなくなったから。
前述のようにシステムが対応すれば電源ボタンは不要なので、できれば電源ボタンは削除したい。
電源🄱①②はそのままで下の部分のデザインはそのまんま。
とまぁ改良案をあげてみたものの、正直ヌンチャクの出来が良いので、Wiiリモコンの方はⒶ🄱ボタンがしっかり押せれば、他はどうでもいいレベルだったりする。
横持ちに関しては「クラシックコントローラ使え!」で終わっちゃっていいのでは…という気も。
Wiiリモコンは、任天堂以外のサードパーティー製のコントローラは出てない。
PS3のコントローラとか、サードパーティー製はモーションセンサー機能なしなので、モーションセンサを搭載するハードルがかなり高いようだ。
Wiiの場合は赤外線受光センサーも必要で、ハードルはさらに高い。
まとめ
想像していたほどのスーパーコントローラではなかったものの、ヌンチャクをはじめとした拡張要素にはサプライズがあり、なにより棒を振ったり傾けたりする操作は直感的であり、極めて応用力の高い操作方法であることが分かった。
しかし、ボタンレイアウトやボタン名に関してはそもそも最初の試みなこともあって、いまひとつ適切な配置にできていない。
任天堂自身がどう使っていいか曖昧なままに提供してしまった感は強く、その方向の定まらない空気はWiiメニューのUIに現れ、かなり長く悪影響を与えてしまったように思う。
そこで結論。
作った本人(任天堂)すら戸惑う新規性と応用力、ゲームを変えた名コントローラ!!
次回Wiiリモコンレビュー 使われ方編へ続く!!