アクションゲームコマンド
アクションゲームで使われるコマンドをまとめてみよう
共通言語があるのです
アクションゲームの中で使われる操作には、ある程度の共通性がある。
これは以前ボタンの共通機能で語った通りだ。
かなり違うゲームに思える、2D・3Dのジャンプアクション、アクションRPG、格闘ゲーム、FPSなどなどでも、共通するものが見られる。
その中から、特に共通性が高いと思われる操作(コマンド)を、サイドビューアクションゲームを基本に並べてみる事にする。
これらは、サイドビュー以外のゲームにも応用できるもので、トップビューは勿論、LDゲーム(QTE)なんかでも使われているコマンドである。
格闘については特にコマンドが発達しているので、以前に書いた格闘レバー操作コマンド格闘のボタン使い分けを参照してほしい。
ゲームの操作なんかは、ゲーム毎に全然違って当たり前だし、多くのゲームで使われているという事は「凡庸」であるとも言え、この分類はあまり意味がないかもしれない。
スタンダードと思われているゲームは、意外に本稿で書いたコマンドとは異なる操作体系を持っている。
例えば、任天堂スーパーマリオブラザーズは攻撃ボタンが無いし、カプコンロックマンはしゃがめない。
しかし、多くのゲームで採用されているという事は、「感覚的に分かりやすい」という事でもある。
新しい操作体系を作る場合にも、頭の隅に入れておく価値はあるだろう。
行動は、入力+状況+体勢で決まる。
それぞれについて、ざっと解説してから、コマンド一覧を見てもらう事にしよう。
入力記号の説明
入力には仮想的なパッドを考えて、参考になるように、パッドにおける位置も表示しておいた。
十字キーとレバー、アナログスティックは「レバー」に統一した。
レバー
チョイ入れは、「レバーを入れた直後」の操作。ボタンと組み合わせる場合は、ボタンとレバーの同時押し、と理解してもいい。
入れっぱなしは、「レバーを入れたままの状態」での操作。チョイ入れの時にレバーを戻していない状態も含む。
チョイ入れ
入れっぱなし
ニュートラル
ボタン
以下、一般的と思われるボタン機能と配置を示した。
ただし、「しゃがむ」は本稿のコマンド表では使用しない。
アクション
アクションとは上半身、つまり目や手を意味し、実際の行動は攻撃・調査となる。
ジャンプ
ジャンプとは、実際は下半身、主に移動関連を意味する。
サイドビューではレバー上要素で代用される事もある。
しゃがむ
しゃがむ、とは特殊な体術全般にあたり、ダッシュ(そろそろ歩き)もこれに含まれる。
同じLトリガを押しても、ゲームによって移動スピードが速くなることもあれば、遅くなることもある。
サイドビューでは、しゃがみはレバー下要素で、ダッシュは専用のボタンか方向キー二度押しで行われる事が多い。
戦闘・
探索
武器を構える、はモードの変更にあたり、多くは戦闘と探索のモードを切り替える。
戦闘ボタンと探索ボタンが別に用意されている場合も、一度切り替え動作(武器を出す・しまう)が入る事がある。
状況の説明
足場 | 立つことができる場所。 |
---|---|
地上 | 足場の上にいる状態。 |
空中 | ジャンプや落下等で、足が浮いている状態。 |
崖 | 身長以上の足場の高さの差がある時の、上の足場の端。ぶら下がることができる。 鉄棒や金網天井等も、はい上がりはできないが、崖の一種。 |
段差 | キャラの腰より下程度の足場の高さの差。 |
階段 | 膝下の高さの連続した段差。坂も含まれる。 |
登攀具 | つた、ロープ、ワイヤー、ハシゴ、掴める壁。(掴んだ後)上下に移動できる。 |
ワイヤー | ぶら下がった後に振ることができる登攀具、鞭等の武器がワイヤーとなるものも含む。 |
薄い足場 | ジャンプ上昇中はぶつからないが、落下中は足場になる地形。 |
体勢の説明
体勢はコマンドの入力結果、別の体勢に変わる。
コマンド表の「行動」の列を参照してほしい。
コマンド表
サイドビュー、ジャンプボタンあり、しゃがみボタン無し、戦闘・探索モード切り替えボタンあり、という前提でコマンドを書いている。その他のシステムは適宜コマンドを読み替えてほしい。
同じゲーム内では共存できないコマンドもある。
コマンドは全て、キャラクタが右向き時のものです。
移動系
コマンド | 状況・体勢 | 行動 |
---|---|---|
地上 | 立つ | |
地上 | 前歩行 | |
上り段差前 | 越える | |
下り段差・崖前 | 飛び降りる | |
|
上り階段上 | 階段上る |
|
下り階段上 | 階段下りる |
立ち | 振り向く | |
立ち | ステップ | |
立ち | ダッシュ | |
立ち | バックステップ |
しゃがみ系
コマンド | 状況・体勢 | 行動 |
---|---|---|
地上 | しゃがむ | |
地上 | よつん這い/しゃがみ歩き(前) | |
地上 | よつん這い/しゃがみ歩き(後) | |
立ち | 伏せる | |
一定時間経過 |
伏せ中 | 立つ |
ジャンプ系
コマンド | 状況・体勢 | 行動 |
---|---|---|
地上 | 垂直ジャンプ | |
歩行中 | 前方ジャンプ | |
地上 | 前方ジャンプ | |
ダッシュ中 | ロングジャンプ | |
ため後離す | 地上 | ハイジャンプ |
地上 | スライディング | |
薄い足場の上 | 下の段に降りる | |
|
ジャンプ中壁前 | 壁けりジャンプ |
ジャンプ中[頂点] | 多段ジャンプ |
ぶら下がり系
コマンド | 状況・体勢 | 行動 |
---|---|---|
地上崖に背を向けて | 崖を降りる | |
[押しっぱなし] | 空中崖前 / 水中崖前 | ぶら下がる |
ぶら下がり中 | はい上がる | |
|
ぶら下がり中 | ぶら下がり移動 |
離す |
ぶら下がり中 | 離す(落下) |
登攀具前(掴み中) | 登る | |
登攀具前(掴み中) | 降りる | |
ワイヤーぶらさがり中 | 前に振る | |
ワイヤーぶらさがり中 | 後に振る |
探索系
コマンド | 状況・体勢 | 行動 |
---|---|---|
看板などの前 | 読む | |
キャラの前 | 話す | |
扉・宝箱の前 | 開く | |
[] | アイテムの前 | 拾う |
[] | 持ち上げられるものの前 | 持ち上げる |
[] | 掴めるものの前 | 掴む |
押せるものの前 | 押す | |
掴み中 | 押す | |
掴み中 | 持ち上げる・引っぱる | |
離す |
掴み中 | 離す |
[] | 持ち上げ中 | 投げる |
持ち上げ中 | 置く |
攻撃系
コマンド | 状況・体勢 | 行動 |
---|---|---|
地上 | 攻撃 | |
攻撃中 | 連続攻撃 | |
ダッシュ中 | ダッシュ攻撃 | |
地上 | 上攻撃 | |
地上 | 突き(踏み込み)攻撃 | |
地上 | しゃがみ攻撃 | |
押しっぱなし | 構える・防御 | |
離す | 構え中 | 強攻撃 |
空中 | ジャンプ攻撃 | |
空中 | 下攻撃(浮く場合もある) |
泳ぎ系
コマンド | 状況・体勢 | 行動 |
---|---|---|
水面 / 水中 | 泳ぐ | |
水面 / 水中 | 浮かぶ | |
水面 / 水中 | 潜る | |
水中掴めるものの前 | 掴む |
総括
一般に、機能の異なる3つのボタンを瞬時に使い分けるのは極めて困難なものだと思って良い。
2ボタンマウスが使えない人が多い事からも、2ボタンでも厳しいと思うべきだ。
しかし、システムによる適切な状況判断が行なわれれば、プレイヤーの行動したい事とコマンドは合致し操作は自然になる。
パソコンのGUIでもこのような考えは使われていて、同じダブルクリックでも対象となるものによって、ファイルを開くのであったりアプリケーションを起動するのであったり、フォルダを開くのだったりする。
そもそも8方向入力+2ボタンとして、その単純な組み合わせは、方向の入力がニュートラルを合わせて9パターン、2ボタンを組み合わせて「OFF,OFF」「ON,OFF」「OFF,ON」「ON,ON」の4パターンなので、9*4で36パターンが存在する。
さらに同じ入力でも、タイミング、場所、体勢、装備など状況が違う事で行動が変わる、まず2ボタンあれば必要十分と言えるだろう。
ボタンは少ない方がいいとはいえ、セガソニックアドベンチャーは幾ら何でも1ボタンに拘り過ぎだ。やりたくない行動が暴発する事が多すぎる。
逆に、マウスはまだジェスチャなど1ボタンでやれる事が沢山残っているので、ゲームとしてもまだまだ沃野が広がっていると考えていいだろう。
ほとんど手を付けられていないと言っても過言ではないので、任天堂レボリューション(後のWii)の3Dマウスが、がつがつ開拓するだろう。
Wii(開発コード:レボリューション)のコントローラについては、Wiiコントローラはどう使うで詳しく考えた。
ここで、コマンドは全て動詞である事に注目してもらいたい。
プレイヤーキャラクタというポインタを動かし、ボタンとレバーというコマンド(動詞)発生装置で、画面に表示された(プレイヤーキャラを含む)オブジェクト(名詞)を起動していく、これがアクションゲームの構成という事だ。
同じゲームに使われる動詞という事で、上記の表とCUIコマンド動詞分類を並べて見ると面白い。
かなりの部分が重なり、アドベンチャーゲームは他動詞偏重(周りを操作)、アクションゲームは自動詞偏重(自分を操作)であると言う事も見えてくる。
…わざわざ分類しなくても、直感的に理解できる事ではあるが。
それぞれの行動、特にジャンプについては、そのうち別稿で更に詳しく語りたい。
そこで結論。
適切な操作設定と状況判断が、思考と行動のシンクロを生む
追記
アナログスティックとその押し込みであるL3、R3については、ダッシュなどある程度共通した操作もありはするが、今ひとつ使いやすさの点で問題があり、採用されないことも多い。
また、スマートフォンのタッチ操作、マウス・Wii・Switchのジェスチャなども、ことアクションゲームの操作としては、さほど共通する操作が開発された感もない。
例えば、コントローラをちょいと上に降るとジャンプみたいなのはそこそこ見かけるが、体系化できるほどでもない。